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この気持ちに名前を぀けるなら 「11」

    ※ 倢で問われたこず ※

     その日の倜、拓也は疲れおいるのになかなか寝付けず、明け方近くになっおようやく、う぀らう぀らずし始めた。
     そういう時に芋る倢は倧抂おかしなもので、リアルに感じるけれども、内容はめちゃくちゃなものが倚い。
    「拓也、お前は翔の教育係を降りろ」
    ず、藀厎に蚀われ、その背埌では、
    「翔は俺が貰うから」
    ず、倪が翔の肩に腕を回しおいる。翔は倪の懐にベッタリずくっ぀き、雄䞀はそれを囃し立おおいる。そしお、和圊は䜕故か倪ず翔に向かっお花吹雪を投げ掛けおいる。
     胞がギュッず締め付けられるような、心臓が䞀回り小さくなっおしたったような感芚ず、悲しさず悔しさが枊巻いおいるのに䜕も蚀葉を発するこずが出来ない。
    く、苊しい。䜕だこの気持ちは。いったい䜕なんだよヌ
     倢の䞭では、蚀葉を叫がうにも口が動かない。そこに䜐藀が珟れお拓也を芗き蟌みながら、
    「さお質問です。この気持ちに名前を付けるなら」
    ず、聞いおきた。
    ええっず、この気持ちに名前を付けるなら なんだろう、なんお蚀うんだろう。名前 名前 
     ここで答えられたなら、きっずたた教育係に戻しおもらえるず勝手に垌望を持぀が、肝心の質問の答えが分からない。
     焊る気持ちだけが倧きくなっお、叫び声を䞊げそうになった時、
    「ピピヌッ、ピピヌッ、ピピヌッ 」
     どこからか、聞き慣れた電子音が聞えおきた。
    䜕だっけ、この音。そんなこずより、早く課長に答えないず 
    「ピピヌッ、ピピヌッ 」
     薄らず意識が戻っお来始めたずきに、耳元で目芚たし時蚈が鳎っおいるこずに気付いた。
    あ倢本圓に倢だった
     寝返りを打ち぀぀アラヌムを止め、䜓に絡たっおいた毛垃をゆっくりず匕き剥がし、深く溜息を぀いた。
    朝から、疲れた 寝た感じがしない 
    「この気持ちに名前を付けるなら 」
     倢の䞭で、䜐藀に聞かれた蚀葉を小さく口に出しお呟いおみた。

     公園の朚々の葉が幟重にも重なり、勢いよく茂っおいる。どこからか、気の早い蝉の鳎く声も聞えおくるようになった。
     日差しはもう真倏ず倉らないくらいの匷さになっおいお、ただ䞃時半だずいうのに真䞊からガンガンず照り぀けおくる。
     自転車を挕いでいる間は、颚が吹き付けきおただ䜕ずかなるが、止たるず途端にカッずした暑さが空ず地面から襲っおくる。
     今日も暑くなりそうだなず思いながら自転車のペダルを挕ぎ、職堎に向かう。
     寝䞍足で頭がただ正垞に動いおいない感じがする。倢から醒める盎前に、䜐藀に問いかけられた蚀葉が䜕床も頭の䞭をリピヌトしおいる。

     い぀もどおり倧䌚議宀での朝瀌を終え、事務所に戻るず早速藀厎に呌び぀けられる。
    「拓也、今日も忙しいぞ。ひずたず翔のこずは倪に任せお、俺らは曞類を仕䞊げるぞ」
    「はい。分かりたした」
    ひずたず、翔のこずは考えないようにしよう。今は倪に任せるしかない
     藀厎の指瀺で次々ず修正をしおいき、同時に説明資料も仕䞊げおいった。
    「よヌし、ここたでやれば十分だろう」
     ようやく藀厎から合栌点をもらえた。
    「そこの衣装ケヌスに曞類を党郚詰めろ。詰め終わったら、小䌚議宀ぞ運び蟌んでくれ」
     ようやく終わりが芋えおきた拓也はホッずし぀぀、次々ず玙ファむルを衣装ケヌスに入れおいく。
    「このケヌスに入れたたた眮いおおくのですか」
    「あ、そうだな。どうせなら机の䞊に党郚䞊べずくか」
     怅子から立ち䞊がり、右袖を捲りはじめた藀厎に拓也が蚀う。
    「䞊べるだけでいいのなら、僕、やっおおきたす」
    「おそうか。すたん。よろしく頌む」
     そう蚀うず、右腕だけ袖を捲った状態のたた怅子に座り盎し、ディスプレむに顔を向けた。
     藀厎もここ数日、拓也のサポヌトに時間を取られおいお、本来の係長ずしおの仕事が滞っおいた。
    「よっこらしょ」
     玙ファむルがみっちりず詰たった衣装ケヌスは重く、持ち䞊げるずきに぀い぀い声が出る。
     それを聞いおいた和圊が、
    「拓也さん、おじさんみたいな声が出おいたすよ」
     ず、笑いながら、箱に入りきらず仕方なしに衣装ケヌスの蓋の䞊に眮いたファむルを萜ずさないように、そっず手を添える。
     その様子を芋おいた翔が怅子から立ち䞊がり、
    「あの僕が手䌝いたす」
    ず、蚀っおきた。
     珍しく自分から申し出おきた翔に、和圊は頷き、堎所を譲った。
    「小䌚議宀ですね。行きたしょう」
     い぀もより積極的に動く翔に拓也は驚き぀぀も、久しぶりに䌚話できたこずが嬉しかった。
     衣装ケヌスを抱えた拓也が先に小䌚議宀に入り、残りのファむルを抱えた翔はその埌に぀いお入った。
     カヌペットが敷き詰められた床に衣装ケヌスを眮く。この時も、
    「ペッコラショ」
    ず、぀い぀い声が出る。䞭腰でゆっくり降ろすのは案倖腰に負担がかかる。
    「ガコッ」
     衣装ケヌスの蓋を開けるず、ミチミチに詰められた玙ファむルが䞊び、背衚玙にはそれぞれ曞類の名前ず通し番号が振られおいる。
     翔は、手に持っおいるファむルをずりあえず机の端に眮き、衣装ケヌスの脇にかがみ蟌んでいる拓也の偎に来た。
     拓也が片手で、ファむルを掎めるだけ掎んで立ち䞊がるず、すぐ傍に翔がいるこずに気が぀いた。
    「んなにどうした」
     すぐ近くでゞッず芋぀めおくる翔。その距離感に戞惑う拓也。するず翔が、
    「芋捚おられないようにグむグむ行けっお、倪さんからアドバむスを貰ったんです」
    いや、グむグむの意味が違うず思う。そういうグむグむじゃなくお 
    「し、翔、近いよ」
     ファむルを胞に抱えた状態で、少しでも間合いを広げたいが、翔ずの距離が近く、手を瞮こめたたた硬盎する。それでもお構いなしに翔が曎に詰め寄っおくる。
     拓也は、のけ反っお少しでも距離を取ろうずするが、たいしお距離は倉らない。そこで、片足を䞀歩埌ろに䞋げお距離を取ろうずしたが、足元にあったケヌスに躓いおバランスを厩しおしたった。
    「あっ」
    「わっ」
     埌ろ向きにひっくり返りそうになった拓也を抌えようず翔が手を䌞ばしたが、間に合わず、背面から着地した拓也の䞊に翔が萜ちおきた。
    「むテテ。翔、倧䞈倫か」
    「僕の方こそ、なんかすみたせん」
     二人がゆっくり䞊䜓を起こそうずした瞬間にドアが開き、䜐藀が入っおきた。
    「なんか、倉な音がしおたんだけどな」
     拓也の䞊に芆い被さった姿勢のたた、翔が硬盎する。そんな翔を抱えたたたの拓也。
     容赊無しに足音が机を回り蟌み、こちらに近づいおくる。
    ええこれ、芋られたらマズくねこの䜓勢は誀解を招く
     拓也が䞊半身を起こしお芋たものは、䜐藀の驚く顔。
    「䜕しおるのアンタ達」
     慌おお、翔が拓也の䞊から暪ぞ滑り降りる。
    「いや、えっず 」
     どう説明したら良いのか迷い、口ごもる拓也。それに察しお翔は、
    「僕が転びそうになったずころを拓也さんが助けおくれたんですっ」
    ず、もの凄い早口で答えた。
    「んっえっ䜕早すぎお聞き取れなかった」
     䜐藀が聞き返す。
    「あ、あの、僕が箱に躓いお転びそうになったのを拓也さんが支えおくれたんです。そしたら二人ずも転んでしたっお 」
    「支えお それでその䜓勢たあ、いいわ。二人ずも怪我は無いくだらない劎灜ずか勘匁しおよ」
     拓也ず翔は、急いで立ち䞊がり、䞡手でズボンの埃を払った。
    「倧䞈倫です。䜕ずもありたせん」
    「問題ありたせん」
     二人の倧䞈倫そうな様子を芋お、䜐藀はそのたた小䌚議宀を出お行った。
    「はあビックリした」
    「心臓が止たるかず思いたした」
    「早く曞類を䞊べお終わらせよう」
    「そうですね」
     そう蚀いながら、二人で机の䞊に曞類を䞊べ始めた。

     その頃、事務所では䜐藀が藀厎のデスク脇のゎミ箱を怅子代わりに座り蟌み、小声で話をしおいた。ゎミ箱に座るず、䜓勢が䞀段䜎くなるので呚囲から芋えづらく、呚りに気付かれないように気配を消しお䌚話するのに䞁床良い。
    「さっき、小䌚議宀で二人しお床で、絡たっおいたんだけど 」
    「床絡たっお小䌚議宀に曞類を䞊べるように指瀺したのは自分ですけど」
    「たあ、䜕でも無ければそれで良いんだけど。ずころで合田さんは倧䞈倫そう」
    「倧䞈倫そうずは」
    「私の独断で教育係を指瀺したけど、係長の目から芋おどう芋える」
     䜕を今曎聞くんだず蚀わんばかりの勢いで、
    「問題ありたせん、倧䞈倫です。䜕より、課長が指瀺したんでしょ」
     ず蚀われ、䜐藀は安心したように立ち䞊がった。ず、そこに二人が垰っおきたのが芋えた。圌らの様子から、
    「倧䞈倫ですよ。俺もダツらの成長には期埅しおるんで」
     もう䞀床、藀厎が念を抌すように答える。
    「分かりたした。それでは、お願いしたす」
     そう蚀うず、䜐藀は自分のデスクに戻っお行った。

     自垭に戻った拓也が倪に、いったいどんなアドバむスを翔にしたのか聞いおいる。
     倪が䞀通り説明し終わった埌に、ドッず笑いが起きた。
     雄䞀が翔の䞡肩を掎み、揺らしお笑っおいる。和圊は背䞭を優しく叩きながら埮笑んでいる。拓也は笑いながら倪に文句を蚀っおいる。
     い぀もどおりの仲の良いメンバヌの様子に、満足げに藀厎も笑っおいる。
                                     完

     
     

    䞀䌑

     
     
    䞀䌑いっきゅうです。 予期せぬタむミングでラむフステヌゞが倉りたした。この倉化を自己実珟のチャンスず捉え、この先の人生を倉えおいきたいのです。 良き出䌚いがありたすように。 䞀䌑庵寿いっきゅうあんじゅ名でZINE䜜りたした。ZINEフェスでお䌚いした皆さんありがずう。

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