
最大公約数は煮物
私は、料理が特別好きでもなければ嫌いでもありません。必要に迫られて作っているうちに慣れただけのことです。今でも手の込んだ料理は作りません。
平成5年の新婚当時、主人の両親と祖母、弟と同居で、6人家族でした。
初めのうちは、何も分からずに、自分の考えで献立を決めていました。鮭のムニエルを作ったところ、帰宅した義母から「バター臭い」と嫌味を言われました。義母は醤油味、味噌味が好みで、洋風の料理が苦手でした。祖母からも、「バターは不得手だ」と打ち明けられました。
義父は、その頃歯が弱っていて、ぐらぐらし始めていたので、固い食べ物が苦手でした。祖母からは、炊飯器の水を多めにするように言われました。米8合に対して、水は9合のメモリでした。
両親と祖母は魚派でしたが、主人と弟はまだ若かったので、肉を食べたがっていました。
共通して好きな食べ物にはカレーもありましたが、肉の好みが分かれました。私も含め、若い3人はゴロゴロしたカレー用の肉が良くても、両親は豚こま切れ肉やひき肉を好みました。カレーの辛さの好みも、それぞれ違うので、辛口と中辛の二種類作りました。
家族の反応を見ながら日々料理を作った結果、最大公約数は煮物だと分かりました。煮物ですと、夏以外は、翌日温め直して、弁当にも使えます。私は手鈍いので、前日の煮物を弁当の一品に回すことで楽をしました。
子供が生まれてからは、煮物は、離乳食にも使えて便利でした。
さらに、野菜の頂き物を上手に利用して、食費を抑えることも要求されました。家を建てて半年位でしたので、家のローンが目一杯組まれていたからです。
煮物は量が多く、計って作ったことはありません。いつも目分量です。
材料に関しては、とにかくある材料優先でした。凍み豆腐を頂いた時は凍み豆腐を入れたり、いんげんを頂いた時はいんげんを入れたりします。
筍を頂いた時の材料の例
筍
じゃがいも
人参
しいたけ
さつま揚げ
昆布
こんにゃく
大根を頂いた時の材料の例
大根
人参
里芋
鶏肉
昆布
こんにゃく
しいたけ
じゃがいもや玉ねぎを頂いた時の肉じゃが の材料の例
じゃがいも
玉ねぎ
人参
豚肉
糸こんにゃく
いんげん
車麩
材料は奇数です。5品の時もありますが、7品がほとんどです。
もし、一つだけ煮物の工夫をあげるなら、最後に入れる調味料の醤油を2回に分けることです。やや薄めの色で煮ておき、2回目で味を決めます。子供の離乳食には、醤油を1回入れた時の薄めの煮物を使いました。
10年位経ってからは、2回目には普通の醤油ではなく、濃厚調味料やだし醤油を使うようになりました。
料理は慣れが大事です。私の煮物は、数多くこなしたから、みんなに喜ばれる味になったのだと思います。それともう一つ、人生の色々な経験が隠し味になっているのかもしれません。