
傷の保存先
今日、サンダルを履いていたら、かかとに釘が刺さった。
ぬぽっ、と刺さった。
昔のバイク事故の後遺症でかかとの感覚が鈍いせいか、不思議と痛まなかった。
活発な男の子というものは、生傷が絶えない。
縫う、切る、貼る。
四六時中、どこかしら故障。
その穴の空いたかかとを眺めていると、小学生の頃、父親の友人家族と川へ遊びに行った時のことを思い出した。
川へ飛び込んだ拍子に、ガラスを踏んだのか足の裏が切れてしまった。
すると父の友人は、
「タバコの葉を塗っときゃ治るだろ!」
と言い出し、タバコを一本ほぐして傷口に当てがった。
もちろん、そのあと母親に連れられ病院で縫う羽目に。
いつの時代も男性の考えは愚かで無駄に自信を含んでいる。
唾つけときゃ治るだろ、とよく言うが、
タバコはダメだと思う。
令和のライオンは、子供を谷底に落とす前にAIに相談をし、子供の傷はクラウドに保存される。
そして、パスワードを忘れた頃には、何の傷だったか思いだせない。