忘れてないよ
私の母は、
私が18歳で家を出たあと、
父の反対を押し切って
一匹の猫を家族に迎えました。
アメリカンショートヘアの
「プーちゃん」。
最初は猫らしく、
しなやかで身軽。
でも年齢を重ねるにつれ、
少しずつふくよかになり、
名前の通りのプーちゃんになりました。
18年間生き抜き、
静かに天寿を全うしました。
その後、母は二年前、
今度はマルプーの
「ゴンタ君」を家族に迎えました。
略してゴンちゃん。
父が肺気腫で入院した時、
私は何度か面倒を見る機会がありました。
一緒にジョギングへ行ったこともあります。
最初は元気よく走っていたのに、
途中からバテてしまい、
最後は抱っこして帰ったのも
今では良い思い出です。
私のアイコンの写真は、
その時一緒に過ごしたゴンちゃんです。
犬や猫と一緒にいる時間は、
不思議と心が穏やかになります。
そして、
私にはもうひとつ
忘れられない柴犬さんがいます。
私と、その飼い主様を繋いでくれた、
大切な恩人ならぬ「恩犬」です。
昨年六月、
長い闘病生活を終え、
天へ旅立ち、お星様になりました。
私がそのことを知ったのは、
一か月後のことでした。
少し飼い主様と連絡が途絶えていた頃。
バイクで横須賀のヴェルニー公園まで走り、
一匹の柴犬を見かけた時、
ふと思い出しました。

そして旅立ったことを知りました。
連絡途絶えていたけど、気持ちだけ伝えました。
愛情いっぱいに育てられていた姿を
知っていただけに、
悲しさ半分
同時に、
「お疲れ様。」
「もう自由に思い切り走っていいんだよ。」
そんな気持ちにもなりました。
一年が過ぎた頃。
夕方、
中川沿いをジョギングしていると、
何組もの柴犬とすれ違いました。
三組目で、
ふと気付きました。
「あっ、今月は柴犬さんの命日だ。」
私は昨年、
一か月遅れて知らせを聞いたため、
七月が命日だと勘違いしていました。
本当は六月でした。
少し遅くなってしまいましたが、
飼い主様へ
「天国でも幸せに。」
そんな祈りを込めて連絡をしました。
もし、
飼い主様が大切に育てた
柴犬さんがいなかったら。
きっと私は、
あの時も昨日も
飼い主様へ連絡することもなかったでしょう。
そう思うと、
横須賀で出会った柴犬さんも。
昨日、中川沿いで出会った柴犬さんも。
私と飼い主様を繋いでくれた、
あの子の分身だったのかもしれません。
ありがとう。
命日は少し過ぎてしまったけれど、
忘れてないよ。
みんなに愛されたあなたは
人と人との繋がりを残してくれました。
その優しさと人を大切にする心遣いに、
今も感謝しています。
ありがとう。
〜忘れないように、私の黒皮の手帳にしっかり
あなたの命日記しました。
