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『そのままで、いいんじゃない。』

車で信号待ちをしている時、
交差点でスマホを片手に
前髪を整える女子高生を見かけました。

多感な時期。

少しでも可愛らしく。
少しでも格好よく。

私にも一応、
そんな頃があったなぁ……。

そんな時、車の中では
ブルーノ・マーズの
『Just the Way You Are』が流れていました。

人は不思議です。

自分の嫌いなところなら、
いくらでも見つけられる。

もう少し格好良かったら。
もう少し話が上手だったら。
もう少し器用に生きられたら。

私にも、そんなところがあります。

けれど時々、
自分が嫌いだと思っていたところを、

「そこが、あなたらしくていいんじゃない」

と言ってくれる人がいます。

ブルーノ・マーズの
『Just the Way You Are』を聴きながら、
そんなことを思いました。

この曲は、とても単純です。

もっとこうした方がいいとも、
変わった方がいいとも言わない。

ただ、

「そのままでいい」

それだけ。

でも歳を重ねてくると、
この「それだけ」が、
案外難しいことに気づきます。

若い頃は、
誰かになろうとしていました。

仕事ができる人。
人付き合いが上手な人。
格好いい人。

足りないものばかりを探して、
自分に付け足そうとしていた気がします。

でも今は、少し違います。

不器用でもいい。

人見知りでもいい。

時々、立ち止まってもいい。

嬉しい日は笑えばいいし、
寂しい日は寂しいと思えばいい。

好きな人には、
好きだと思えばいい。

それも全部、私です。

誰かから見れば欠点に見えるところも、
別の誰かから見れば、
その人らしさなのかもしれません。

そして、たぶん。

大切な人というのは、
完璧な自分を好きになってくれる人ではなくて、

格好悪いところも、
面倒くさいところも、
ちょっと変なところも知ったうえで、

「そのままでいいんじゃない」

と笑ってくれる人なのかもしれません。

もちろん、
人は変わっていきます。

変わりたいと思うことも悪くない。

でも、

自分を嫌いだから変わるのと、
自分を大切にしながら変わっていくのは、
少し違う気がします。

Just the way you are.

そのままのあなたで。

誰かにそう言ってもらえることは、
幸せなことです。

でも、いつか。

自分自身にも
そう言ってあげられたらいい。

鏡に映った自分を見て、

「まあ、これが私だからね」

なんて笑えたら。

それくらいが、
ちょうどいいのかもしれません。


信号が青に変わり

前髪を整えていたあの子も、
スマホをしまって歩き出しました。

きっと、あの頃の私も同じです。

少しでも格好よく見られたくて、
誰かと比べて、
足りないものを探していた。

そんな自分も含めて、
今なら少し笑って言えます。

Just the way you are.

そのままで、いいんじゃない。

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