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【エッセイ】☆北カリフォルニアのばかみたいな青空の下で考えた☆〜保護犬ボランティア:ハーネス抜けで大焦り〜

    先日、近所の犬猫保護施設で、あるボランティアをした。「Doggy Day Out」というもので、施設の犬一頭と外出し、三時間を一緒に過ごすというものだ。いくつかのルールはあるが、それさえ守っていれば、どこに行こうが何をしようが自由という、いかにもアメリカらしいものだ。

    (どんな仔が来るのかな‥)などとドキドキしながら受付で待っていると、ハーネスをつけられた小型の可愛いらしい犬が連れられてきた。フレンドリーな様子で、もう尻尾を振っている。「ルイス」は、4歳のオス(体重6.5キロ チワワxテリアの雑種)で、この保護施設に来たのは1週間前、経緯は不明ということだった。

    ボランティアの扱いに慣れている感じのコーディネーターは、「この子は、すっごくいい仔よ。はい、これがお散歩セット。楽しんできてね!」と、水と犬用おやつ、糞処理袋を入れたバッグをポンと渡してきて、私達を送り出した。

    まずは近所を散歩してみよう、と歩き出した。「つけ歩き」はできないが、グイグイ進んだりフラフラしすぎることもない(きっと前に飼われたことがあるのだろうなぁ‥)。施設の中にいる時間が多いためか、外の世界の臭いに興味を示して、あちこちを嗅いだりマーキングもしていた。

    散歩が順調に行っていることに気をよくした私は、(少し喉が乾いたな、コーヒーでも買おう)とある店に立ち寄った。
    表にテーブルがあるコーヒー店で、そこでコーヒーを飲んでいる人々もいる。私はリーシュをメタルのガーデンチェアにしっかり結びつけて、コーヒーを買いに行こうと店の中に入ろうとした。

    その時だった、ガチャンガチャンとすごい音がして、ルイスがイス2つを引きずって走り出した。パニックを起こしたのだ。
    もがいたせいか、ハーネスも首輪も外れてしまい(!)、焦った私は、とにかくばたつくルイスを全力で確保した。
    周りの人々は、何事かと見ているが、そんなの関係ない。必死だった。私は何とかハーネスをつけることに成功し、「Good Boy!」を連発した。心臓はバクバクしていた(これはルイスも同じ)。

    このボランティアをする時にいくつかの「ルール」があったのだが、私はその一つに違反してしまった。「(部屋や庭以外では)常にリーシュで犬をつないでおき、目を離さぬこと」だ。
    自分の飼っている犬が、ルイスに(体格も見かけも)似ていることで、ついうっかりしてしまったのだ。私は、自分がその場を「少しの間だけ」離れてもルイスはちゃんと待っているだろうと、思い込んでしまった。

    2つの椅子を引きずりながら走ろうとするルイスの必死な様子を見て、私は涙が出そうになった。「ごめんなさい。ごめんなさい!」(あぁこの子は、飼い主に捨てられたことがあるのだ)と痛烈に悟った瞬間だった。
    飼い犬にとって、飼い主から捨てられるほどのトラウマはないだろう。友達の犬でも分離不安が強い元保護犬のワンコがいることを知っていたのに、私は油断してしまった。

    1匹1匹の犬には、それぞれ個性があり、それまでの犬生がある。特に保護犬には、施設に来るまでの「特別な事情」があるのだ。ルイスの陽気さと可愛さにそれをつい忘れてしまった。

    この手のボランティアは初めてとはいえ、言い訳はできない。
    ボランティア中の事故は、私の責任だ(勿論この後すぐに施設に戻って、しっかりしたハーネスに取り替えて貰った)。預かった犬を逃がしてしまうことも酷いが、それよりも怖いのは事故だ。
    あのままルイスが、道路に走り出して車に轢かれでもしたら、取り返しのつかないことになるところだった。あそこでルイスを掴み損ねなくてよかった、と心の底から思った。

    保護犬の扱いのイロハを(ハードに)学んだ、ボランティア経験だった。
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    米国、SFベイエリア永住の日本人女性です。長年I T企業で働いてきました。現在、マンガ原作者を目指していますが、漫画やエッセイも書いています。シリコンバレー事情、留学、日本の老親と介護、保護犬、趣味のバレエなどについても書(描)いていきたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。

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