幸せな時間
夕方、子どもたちと近くの海へ行った。
子どもたちは海に入って、魚を追いかけたり、夢中になって泳いだり。
夕陽が少しずつ沈んでいくのに、そんなこと気にも留めず、ただ遊ぶことに一生懸命だった。
私はというと、何をするでもなく、海を眺めていた。
波の音。
子どもたちの笑い声。
鳥の鳴き声。
遠くから聞こえる踏切の音。
それぞれが静かに重なって、時間だけがゆっくり流れていく。
空は少しずつ色を変え、海に映る夕陽の道が長く伸びていく。
その景色を見ていたら、不思議と「帰らなきゃ」とか「何かしなきゃ」とか、そんな気持ちがどこかへ消えていた。
ただここにいる。
ただ眺める。
ただ子どもたちの声を聞く。
それだけで満たされていた。
このままずっとここにいたいと思うくらい、心地よくて、穏やかで、愛おしい時間だった。
特別な出来事があったわけでもない。
でも、こういう時間こそ、本当は一番豊かな時間なのかもしれない。
何もしなくても、幸せ。
ただ、自然の中に身を置いて、流れる時間を味わう。
「生きるって、本当はこういう時間の積み重ねなのかもしれない。
