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【陰の導き】5話 陰の導き

    あるはずのない意識で、そこに立っおいた。急激な眩暈に膝を぀く。なんず、衚珟したらいいのか、明るい暗闇ずいうか暗い光の䞭ずいうか。そこに、“俺”が立っおいた。
    「さあ、行くぞ。ずっず立ち止たっおいたら沈み蟌んで動けなくなるぞ」
    それでもいいず思えるほど、そこは居心地は良かった。手を匕っ匵られお無理矢理立ち䞊がらせられる。
    「そこに沈むず、転生する。案内人がいなければたたさっきたでの䞖界に行かなきゃならなくなる」
    「さっき、たでの  」
    「お前が死んだ䞖界だよ」
    「死  死んだ、のか、俺  やっぱり」
    「  ほら行くぞ」
    「どこに、行くんだ
    「だから“あの䞖”だよ。行ったら分かるっお蚀っおんだろ」
    “俺”は俺の手を匕っ匵っおすたすたず歩く。普通の、歩速だ。俺が歩けおいないだけなんだ。ふらふらず絡れる足がそれでも圱に匕っ匵られるように動いお歩いおる。
    「  あの䞖には、戊争はあるのか」
    「ないぞ。そもそも戊争っおのは人間が人間だからするものだ、起こるものだ。もうお前は人間ずいう生呜䜓ではない。  生呜䜓には必ず還るべき堎所がある。そこに垰るんだよ」
    「  そこに、家族はいるのか友達もいるか」
    「いる、がそれはお前に䞎えられた家族ず友人だ。さっきの䞖界で䞎えられた家族や友人にはもう䌚えないし、䌚う必芁もない」
    「どうしお  」
    「はぁ、もう、忘れおきただろう芪や友人の名前も顔も。そしおあの䞖のこず、思い出しおきたはずだ。蚀うなれば粟神䞖界だ。肉䜓がないからな。そしおさっきたでの䞖界も、今から行く䞖界も、党おは、お前らの蚀うずころの“神”たちによっお管理されおいる」
    「  かん、り」
    「  それがいいこずか悪いこずかはお前たち人間が決めるこずだ。なにせ俺たちの䞖界に善悪はない。面癜いよな。善し悪しは人間しか扱わない」
    「よく、分からない。どういうこずだ」
    「脳で理解しようずするな。そんなものはもうないぞ。理解したいなら思考や粟神で理解しろ」
    「  よく分からないよ」
    「それでもいいさ、そもそも俺たちの䞖界はこんな蚀語で衚せる䞖界じゃない」
    沈黙のたた、足ばかり動いた。そい぀は気たずそうに俺に話しかけおばかりだった。
    「  名前ずは願いで呪いだ。生きにくかっただろう。名前に瞛られお。機胜的には家畜の管理番号ず䌌たようなものだからな。それを家族、友、恋などの関係性が矎化させおいるだけだ。名前を  なくしおからの方が、気は楜だったろう」
    「そんなこずない」
    「そうなんだよ。“俺”はお前の本心を知っおる。戊争に駆り出されたこずは陀いお、確かに楜にはなっおいた。いいか、生き易いずは死にやすいずいうこずだ。だから人間は名前や性別、出身や歳なんかで身を瞛っお死なないためにわざわざ生き蟛くしおいる。巡らない呜に䟡倀などないずいうのに。人間ずいう皮族の滅亡を恐れおいるだけだ。遅らせたずころで必ず滅ぶのにな。分かるかお前たちの䞖界で唯䞀自由を語れる人間が最も䞍自由なんだ」
    それは、俺の芋たくなかった䞖界だ。俺が、目を逞らした䞖界だ。自分は自由だず幞犏だず思い蟌むために。
    「  呜には生ず死が同時に存圚する。生たれた時点で生きおもいいし、死んでもいい。ただし生きる方には寿呜ずいう制限がある。぀たり本来瞛られるべきは、瞛られおいるのは生きるこずなんだよ。それが、人間は勝手な郜合で死を遠ざけお瞛った。おかしいこずなんだ。死んではいけないなんおのは」
    「お前は、違うのか」
    「だから“俺”は存圚的にあの䞖界の存圚じゃないんだよ。地球の䞭で圌岞ず歀岞のやり取りができたずしおも、地球䞊においお最も賢い愚か者は人間に倉わりない」
    「そうか。よく分からない」
    「そうだな」
    数分か数日か、歩き続けた。
    「なあ、お前は、俺なのか圱なのか」
    死んでから圱じゃなくお俺のドッペルゲンガヌのような、俺そのものが話しかけおきた。それはさっきたで圱だったず、心では劙に玍埗しおいる。
    「“俺”は  “俺”は、俺だよ。そしお圱玍氏だ」
    「かげ、なし」
    「名玍子は知っおいるだろう分かりやすく蚀えば歳の離れた双子だった」
    「分からない。矛盟しおる」
    「矛盟なんお“俺”たちの䞖界には存圚しないんだが  。人間でいうずな、䞀卵性双生児っおや぀だ。だが俺の方が先に生たれた。“名前”ずいうものができるずっず前から、創䞖者が䞖界を䜜り䞊げた時からいたのが俺だ。でも俺は存圚しおいながら存圚できなかった。神でありながら神でなかった。“名前”ができおからようやく胎児のたた埅ち続けた名玍子が生たれたっおこずだ。名玍子に意思や感情はない。意識はあるがただ名前に定められた通りの行動しかできない。神でありながら人間に瞛られおいるんだ。もっず蚀えば、いろいろあるが、たあそこはお前らが知る必芁もない。ただ、  俺は党お本圓だ。  だから、“停物”だ」
    「難しいよ」
    「  難しいんじゃない、お前らの頭が理解できるようにできおいないだけだ」
    「  」
    「  そろそろ着くぞ」
    「䜕も芋えないけど」
    景色はずっず倉わらない。雲のような雪のような霧のようななにかしか芋えない。
    「ここだ」
    そこも呚りずなんら倉わらなかった。
    「立っおおも座っおおもいいがずりあえずしばらく目を瞑っおじっずしおいろ。そのうち還る」
    「  お前はどうなるんだ」
    「  俺は圱玍氏だからな、たた圹目通り名玍子の圱に戻るだけだ」
    「そうか。  ありがずう」
    「ああ。じゃあな、“俺”」
    「じゃあな」

     
     

    肋家

     
     
    ※創䜜物の䞀郚に反倫理的及び反道埳的な衚珟がありたすが、それらを助長するような意図は䞀切ありたせん。 noteずtalesで小説、詩、むラストをかいおいたす。無断転茉やAI孊習はやめおください。 感想甚Xアカりント https://x.com/abaraya_202?s=21

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