
お客様と労働者の満足度設計。 【雑記】
新社会人が会社で、
「お客様気分では困る」と言われる季節になった。
労働契約と売買契約の違いって奴だ。
お客様ではないってことだ。
お客様がどう動いて、何を買っていいか悩むのは導入設計問題で、
新人はどう動いて、何をしたらいいか悩むのかは本人のやる気問題なのだ。
まぁ、気分で動かれても困る訳だが。
さて、
契約上の違いはあれど、
そこまでの立場の違いが本当にあるのだろうか?
金銭と商品、
労働と金銭。
金銭の動きだけを見れば、
なるほど、
我々にとって会社がお客に見えなくもない。
確かにその構造では、
「お客様気分では困る」訳だ。
もちろん冗談ではあるが、
内部リソースと外部への入出という区分で、
社会的には分けられるだろう。
商品やサービスを受け取る側がお客や顧客、
カスタマーという立場であるのだろう。
昨今、
顧客データはとても詳細に分析されつつある。
顧客満足度No.1とかは、
一部私には、謎の指標で動いているものもあるが。
例えば、
クリック数や滞在時間、
UIや導線設計、
UXとしての特別感、
それらが分解され、最適化され続けている。
いかに満足感を持ってもらっているかを分析している訳だ。
当然そのための分析会社や、
比較することを生業とする会社もある。
会社は利益の最大化という目的のために、
(株式会社であるなら株価も含めて)
ブランド力や顧客満足度というものを、
最大化したいのだ。
ここで利率を高めるために、
人件費として、
労働者が介在する。
会社の目的を為すための、
必要経費分ということだ。
だから人件費に対して、
最大限のパフォーマンスが期待される。
そう、
会社の利益最大化の目的のための、
顧客満足度と人材のパフォーマンスは繋がっている。
もちろん、
そこには経営上様々なファクターが存在するため、
当然比例している訳ではない。
だから極端に言えば、
働かなくても売れる時は売れるし、
働きまくっても売れない時は売れないことは十分にある。
だが、
それは短期的な視点でしかない。
長期的で、持続的な事業であればある程、
この循環は大切になってくる。
だからこそ、
昨今の、ワークエンゲージメントが重要なのである。
決して会社から見て、
お客様ではないが、
目的達成の為に近い存在であるとも言える。
大きく、長期的な経営を持つ会社であればあるほど。
まず、
ワークエンゲージメントの発達が、
最終的な利益の最大化にどれだけ影響をするか、
それを理解する必要がある。
なぜならば、
人材への投資と言われるほど、
費用が掛かるのに、
労働人口減少による人材競争は激化しているからだ。
この人材投資は、
貴重な高パフォーマンス人材の流出や、
低パフォーマンス化につながり、
最終的に人材の不足、内部リソースの低下、
商品力の低下、販売力、ブランド力の低下を招く恐れがある。
そんな人材投資を、
やる気だとか金銭だけで満たせるのだろうか。
UIやUXは必要ないのだろうか。
何故だろうか。
生産性ややる気とやらはどこから生産されるものだろうか。
やりがいは勝手に産まれない。
そして、分析しなければ何が阻害しているかなどわからない。
即ち、
お客様だけでなく、
労働者側へのエンゲージメントもまた、
詳細に分析し、満足度を上げるべく動く必要があるのだ。
少なくとも、
人材の投資事業の戦略上で勝つためには、
やりがいがあるか、などという雑多なアンケートでは、
何も情報は得られず、戦略すらまともに立てられない。
そう、
お客様アンケートも一緒なのだ。
満足しましたか とても思う 思う 思わない
買ってよかったですか? とても思う 思う 思わない
これをアンケートで取って、何を改善するのだろうかと思うだろう。
しかし、やりがいという言葉は、このレベルでしかないのだ。
もはや分析を放棄した指標レベルである。
報告文書やパワポでは、具体化しろと言うのに。
やりがいという概念は、具体化せず何となく使われる。
顧客にはとても出せないレベルだ。
皮肉なことに、
「金を払ってるから、いいだろう」、
という横暴は、カスハラと言う。
「金を払ってるから、いいから働け」、
と何が違うのだろう。
もしかしたら、
セルフレジ導入で騒ぐ派の人かもしれない。
建前上は、
どちらも契約で、当事者として対等なはずなのに。
そして、実情は消費者も労働者も、
法律で守られる弱い側と認識されているはずなのに。
顧客の体験は設計されるのに、
労働の体験は、設計されない。
ここにどれだけの差があるのだろうか。
これを理解し得ない内は、
DXの真の価値も、
AIの汎用的な有用性も、
結局は目的に対して正しく位置づけられなければ、
どれも安物買いの銭失いとなるだろう。
よく言うじゃないか、
目的は何だ、それに対する課題形成力をつけろって。
いろんな視点から考えろ。今が良ければいい訳じゃない。
それで人材戦略を語るのは、
都合が良すぎやしないか。
それでは、課題設定が雑である。
課題形成力を問うのなら、
まずこの雑さから疑うべきだろう。
それが出来るのも、
ちゃんと仕事が回っている内だけだ。
そして、この設計が動き始めれば、
会社における利益最大化への目的の、
一助になるはずだ。