
俺のパチンコデビュー
パチンコは18歳からできる。
私は20歳でデビューした。
いわゆるオールドルーキーである。
スポーツなら即戦力が期待される。
しかし私のデビュー戦は、見事にお金を溶かして終わった。
ビギナーズラックなんてクソ喰らえである。
そう思っていた。
二回目までは。
数日後、私は再びパチンコ店にいた。
ただし今回はスロットである。
リベンジだ。
正直なところ、スロットの知識はほとんどない。
ただ、お金が減る感覚だけは知っていた。
ところが、その日は勝った。
なぜ勝ったのかは分からない。
分からないが、お金は増えた。
それで十分だった。
どうやら私のビギナーズラックは、パチンコではなくスロットの方に配達されていたらしい。
私は二回目で勝った。
ここで引退していれば、生涯勝率五割の男でいられたかもしれない。
もっとも、その時の私はそんなことを考えもしなかった。
自分に才能があると思い始めていたからだ。
その日の帰り道の私はかなり機嫌が良かった。
財布の中には勝ち分が入っている。
大学の友達に偶然会ったら、飯でも奢ってやろうかと思っていた。
驚くほど誰にも会わなかった。
景品でもらったレッドブルをリュックにしまおうとした。
その時だった。
手元で何かが外れる感触がした。
リュックのチャックが外れていた。
何度やっても閉まらない。
開きっぱなしである。
私は道端でしゃがみ込み、チャックと格闘した。
さっきまでの勝者の風格はどこへ行ったのか。
通行人から見れば、地面に向かってうつむく大学生である。
数分の抵抗の末、私は諦めた。
後日、新しいリュックを買った。
そして計算した。
スロットの勝ち額は3000円だった。
リュック代は書かないでおく。
私が傷つくからである。
私はスロットには勝った。
ただ、手元には何も残らなかった。
次は競馬にチャレンジしたい。