
魔法の手とわたしの手。
おばあちゃんは、孫であるわたしの手をふと見つめると
「綺麗な手で羨ましい。ばあば、なかなか人前で手見せられないからさ」
といって、自分の手を恥ずかしそうに後ろ手に隠す。
「そうかな?わたしもいつかはおばあちゃんと同じような手になるよ」
「たしかにねぇ……でも、最近は特に皺くちゃになってしまって悲しいよ」
ここのところ日に日に弱っていくおばあちゃんは、知らない。
わたしの手が母に苦労してない手だねと、いつか嫌味っぽく言われたことも。だから、素直に嬉しかったんだ。綺麗な手とまっすぐ言われたことが。心の中のモヤモヤが晴れた気がして。
おばあちゃんは、家事が得意で笑顔が素敵な人だ。自分のことも家族のことも率先して動いてくれる気の利く優しいおばあちゃん。
おばあちゃんが作ってくれるお料理は、抜群に美味しい。
ピーマンのひき肉詰めも、手作り餃子も。
小さなピーマンの中にぎっしりとお肉と具材が入っていて、とってもジューシーなんだよね。餃子も同様で、一見小さく見える餃子の中にたっぷり具材が詰まっていて、いつかおばあちゃんのように餃子を作れるようになりたいなあ……と、思うほどには。
おばあちゃんの手は、美味しい料理を作り出す。
優しい魔法の手なのだと、わたしは思う。
今度、会ったら伝えてみようかな。