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ネコさん、noteを書く

    〜きょうも、だいたい良い日だった〜

    1. はじめての日記

    きょうから、僕はnoteを書くことにしました。

    理由は、飼い主さんがよくパソコンに向かって、
    なにやらカタカタしているからです。

    たぶん、あれは日記です。

    僕も毎日、いろいろあります。

    寝たり、起きたり、食べたり、走ったり、
    急にテンションが上がったり、
    急に何もかもどうでもよくなったりします。

    これはもう、立派な日々です。

    なので、僕も書きます。

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    タイトルは、

    「ネコさんの日記」

    シンプルでいいと思います。

    ただ、最初にキーボードへ前足を置いたら、

    「にゃあああああああああああああああ」

    と入力されました。

    僕は思いました。

    だいたい合っています。

    2. 月曜日:新しい箱が来た日

    きょう、家に大きな箱が届きました。

    飼い主さんは言いました。

    「やっと届いた!」

    中身は、なにかの家電でした。

    でも、僕にとって大切なのはそこではありません。

    箱です。

    とても良い箱でした。

    高さ、広さ、におい、暗さ。
    すべてがちょうどいい。

    僕は中に入りました。

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    飼い主さんが言いました。

    「それ、捨てられないじゃん」

    そうです。

    捨ててはいけません。

    これは、きょうから僕の別荘です。

    少しして、飼い主さんが箱の横に小さなタオルを敷いてくれました。

    僕は一度だけ外に出て、
    タオルのにおいを確認して、
    また箱に戻りました。

    悪くありません。

    人間は、ときどき良い仕事をします。

    3. 火曜日:ブラッシングの日

    きょうはブラッシングの日でした。

    最初は少し警戒しました。

    あれは、気持ちいい時と、
    ちょっとしつこい時があります。

    飼い主さんがブラシを持って近づいてきました。

    「はい、きれいにしようね」

    僕は、逃げるふりをしました。

    本気で逃げたわけではありません。

    一応、猫としての儀式です。

    三歩だけ逃げて、
    振り返って、
    少し考えた顔をして、
    結局カーペットの上に寝転びました。

    ブラシが背中を通ると、
    思ったより気持ちよかったです。

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    ごろごろが出そうになりました。

    でも、すぐに出すのは負けた気がします。

    なので、最初は我慢しました。

    三回目で出ました。

    ごろごろごろ。

    飼い主さんが笑いました。

    「気持ちいいんじゃん」

    ちがいます。

    これは、ブラシの性能確認音です。

    4. 水曜日:おやつの時間が遅れた日

    きょうは大事件がありました。

    おやつの時間が、少し遅れました。

    とても大きな問題です。

    僕は時計を読めません。

    でも、体が知っています。

    そろそろです。

    そろそろ、あの引き出しが開く時間です。

    僕は飼い主さんの足元に行きました。

    見上げました。

    鳴きました。

    「にゃ」

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    飼い主さんは言いました。

    「まだ早いよ」

    早くありません。

    僕の中では、もう始まっています。

    しばらくして、やっとおやつが出ました。

    小さなお皿に、いつものカリカリより少し特別なやつ。

    僕は食べました。

    とてもおいしかったです。

    怒っていたことは、少し忘れました。

    でも日記には書いておきます。

    こういう記録が、未来の改善につながるからです。

    5. 木曜日:飼い主さんが早く帰ってきた日

    きょうは、飼い主さんがいつもより早く帰ってきました。

    玄関の音がしました。

    僕は、すぐには行きませんでした。

    うれしいからといって、
    すぐに行くのは少し照れます。

    なので、廊下の角から様子を見ました。

    飼い主さんが言いました。

    「ただいま」

    僕は、ゆっくり歩いていきました。

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    別に待っていたわけではありません。

    たまたまです。

    たまたま玄関の近くにいました。
    たまたましっぽが立っていました。
    たまたま足元にすり寄りました。

    飼い主さんがしゃがんで、頭をなでてくれました。

    きょうの手は、少し冷たかったです。

    外は寒かったのかもしれません。

    僕は少しだけ、そばにいてあげました。

    少しだけです。

    そのあと、あたたかいクッションに戻りました。

    でも、飼い主さんが笑っていたので、
    たぶん良い帰宅になったと思います。

    6. 金曜日:一緒に夜更かしした日

    きょうの夜、飼い主さんはなかなか寝ませんでした。

    パソコンを見たり、
    スマホを見たり、
    お茶を飲んだりしていました。

    僕も付き合うことにしました。

    本当は眠かったです。

    でも、飼い主さんが起きているなら、
    僕も近くにいる必要があります。

    見守りです。

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    僕は机の横に座りました。

    しばらくして、机の上に乗りました。

    飼い主さんが言いました。

    「そこ、見えない」

    なるほど。

    見守りすぎたようです。

    仕方ないので、少し横にずれました。

    すると、ちょうどキーボードの上でした。

    画面には、

    「っっっっっっっっっっっっっっっっっ」

    と出ました。

    飼い主さんは笑いました。

    僕も少し満足しました。

    人間の作業に参加した感じがしました。

    夜の部屋は静かで、
    照明があたたかくて、
    飼い主さんのそばは安心しました。

    夜更かしは体に良くないと思います。

    でも、たまには悪くありません。

    一緒なら。

    7. 土曜日:おひさま大会

    きょうは、朝から日なたがすばらしかったです。

    カーテンのすき間から、
    床に四角い光が落ちていました。

    これは招待状です。

    僕はすぐに入りました。

    あたたかい。

    とても良い。

    飼い主さんも近くに座って、コーヒーを飲んでいました。

    僕は日なたで体を伸ばしました。

    前足を伸ばして、
    後ろ足も伸ばして、
    もう猫なのか液体なのか分からない形になりました。

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    飼い主さんが言いました。

    「気持ちよさそうだね」

    はい。

    とても。

    でも、返事をするのは面倒だったので、
    目を細めるだけにしました。

    そのあと、飼い主さんが写真を撮りました。

    何枚も撮りました。

    僕は動きませんでした。

    サービスです。

    たまには、かわいい姿を提供してあげるのも大切です。

    ただし、あとでおやつは必要です。

    8. 日曜日:病院に行った日

    きょうは少し大変でした。

    朝、キャリーケースが出てきました。

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    僕はすぐに分かりました。

    これは、あれです。

    病院です。

    僕は静かに移動しました。

    押し入れの奥へ。

    しかし、飼い主さんに見つかりました。

    「大丈夫、大丈夫」

    人間はよくそう言います。

    でも、大丈夫かどうかは、
    こちらが決めることです。

    病院では、知らないにおいがたくさんしました。

    先生はやさしかったです。

    でも、やさしいからといって、
    体温を測られていい理由にはなりません。

    僕は少しだけ怒りました。

    本当に少しだけです。

    帰ってきてから、飼い主さんはいつもよりやさしくなでてくれました。

    「がんばったね」

    そうです。

    僕は、かなりがんばりました。

    ごほうびのおやつも出ました。

    病院は好きではありません。

    でも、帰ってくる家があるのは好きです。

    キャリーから出て、
    いつもの部屋のにおいを確認して、
    いつもの毛布の上に座りました。

    やっぱり、ここが一番です。

    9. 雨の日:窓辺で一緒にいた日

    きょうは雨でした。

    外はずっと、しとしと音がしていました。

    鳥も少なくて、
    道を歩く人も急ぎ足で、
    世界全体が少し静かでした。

    僕は窓辺に座りました。

    飼い主さんも隣に来ました。

    ふたりで、しばらく雨を見ました。

    何か話したわけではありません。

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    僕は猫なので、
    人間の言葉は少ししか使いません。

    でも、静かな時間は分かります。

    飼い主さんが、そっと背中をなでました。

    僕は逃げませんでした。

    雨の日は、少しだけ甘えてもいい日です。

    そういう決まりにしました。

    10. ずっとこんな日が続けばいいな

    きょうは、特別なことはありませんでした。

    朝ごはんを食べました。
    窓の外を見ました。
    少し寝ました。
    おもちゃで遊びました。
    急に走りました。
    水を飲みました。
    飼い主さんの近くで、また寝ました。

    書いてみると、
    そんなにすごい一日ではありません。

    でも、悪くない一日でした。

    ごはんがおいしくて、
    部屋があたたかくて、
    なでる手があって、
    眠れる場所がある。

    飼い主さんが帰ってきて、
    「ただいま」と言って、
    僕が少しだけしっぽを立てる。

    それだけのことなのに、
    それはたぶん、とても大事なことです。

    大きな事件も、
    すごい冒険も、
    世界を変えるような出来事もありません。

    でも、日なたの場所を分け合って、
    雨の音を一緒に聞いて、
    夜になったら同じ部屋で眠る。

    そういう小さな一日が、
    何日も何日も重なって、
    僕の大好きな毎日になっていきます。

    僕は今日もnoteを書きます。

    たぶん、途中で寝ます。
    たぶん、誤字もします。
    たぶん、公開ボタンの前で肉球が止まります。

    でも、それでいいです。

    完璧な日記でなくても、
    今日の僕がここにいたことは残ります。

    飼い主さんと過ごした、
    なんでもないようで、
    ほんとうは宝物みたいな一日も、
    ちゃんと残ります。

    きょうも、だいたい良い日でした。

    明日も、同じように朝が来て、
    同じようにごはんを食べて、
    同じように名前を呼ばれて、
    同じように日なたで丸くなれたらいい。

    ずっと、こんな日が続けばいいなと思いました。

    にゃ。


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