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Photo byot115bpb

未婚シングルマザーになってLGBTQと向き合った話【レズビアンの自認】

    わたしのこと

    私(20代女性)は、娘と2人で暮らしている。
    娘を妊娠していると分かったときには、娘の父親である当時の彼氏とはすでに別れていた。
    つまり、私は未婚のシングルマザーだ。
    浮気をされたわけでも、ひどいことをされたわけでも、喧嘩をしたわけでもない。
    少なくとも私自身は「仕方がなかった」と納得できる事情があって別れた。
    だから、嫌いになったわけでも、恨んでいるわけでもない。
    むしろ、大好きなまま別れた。
    ただ、女性あるあるかもしれないけれど、しばらく会わないうちに恋愛感情は少しずつ薄れていった。
    長い間お付き合いをしていたが、なぜか情すら残らなかった。
    (仕事・家事・育児・趣味《どんなに忙しくてもおしゃれや美容、娘就寝後の趣味時間は絶対に妥協したくないため、元々忙しい人間ではある笑笑》に追われて考える時間がなかったのが要因ではある)

    結婚して出産するのが当たり前という価値観

    (以下、子どもを授かる行為をした時点で自己責任であることは重々承知したうえで書いている。)
    妊娠は、私にとって予想外の出来事だった。
    もともと私は、結婚願望や子どもを産み育てたいという気持ちがそれほど強い人間ではなかった。
    むしろ、できることなら避けたいとさえ思っていた。
    ただ、世間体を重んじる田舎で育ったため、「結婚して子どもを産むのが当たり前」という価値観の中で生きてきた。
    だから本心では避けたいと思いながらも、「世間体のために誰かと結婚し、子どもを産み育てなければならない」というプレッシャーはずっとあった。

    出産は100%わたしのエゴ

    妊娠が分かったとき、私の中に「産まない」という選択肢はなかった。
    心の底から「産み育てたい」と思った。
    もちろん、「シングルマザーになると分かっていて産むなんて」という意見があることも理解している。
    実際、産み育てるのは100%私のエゴだ。
    好きな人の子どもだから産み育てたいというエゴ。
    しかし、好きな人の子が欲しい・子どもを産んでみたい・子孫を途絶えさせたくない・世間体・独身や子どもがいない生活に刺激がなくなったなどの親のエゴ以外で子どもを産む人はいるのだろうか。
    たまに少子化対策とか優秀な遺伝子を残して社会貢献したいという理由で産んだという人を見かけるが、わざわざ公言している時点で承認欲求というエゴである。
    でも、エゴで産むのは悪いとは思っていないし、子どもを産み育てたいというのは生物としての本能でもある。
    私は子どもを産み育てている人はみんな尊敬したい。
    ただ、これですよ。
    これは絶対大事。
    シングルマザーになるからには一生懸命働いて、お金に困らない生活をする必要がある。
    妊娠が分かった当初、私はフリーランスとして働いていたが、子どもが1歳になる前に就活をして正社員へ戻った。
    フリーランスはその場しのぎの収入は得られるが、110歳くらいまで長生きしてしまった場合や怪我などで長期間働けなくなった場合に私のスキルでは自信がないと思ったからである。
    あと、仕事終わりや土日祝に何も考えずにゆっくり休めるという働き方が自分には向いていた。
    まとめると、フリーランスの根性やセンス、適正が私にはなかった。
    現在はフルタイムの正社員として働きながら、保育園やファミリーサポートの助けを借りて生活している。
    ありがたいことに、娘と遊んでくれる昔からの友人やママ友も多く、毎日を楽しく過ごせている。
    既婚や子どもが苦手な友人も変わらず遊びに誘ってくれるのが意外で、嬉しく思う。

    シングルマザーってぶっちゃけ

    もちろん、たまにキャパオーバーになることはある。
    でも、ネット通販や時短家電など便利なものも多いし、正直なところ「ものすごく苦労している」という感覚はあまりない。
    (未婚のため、旦那さんがいる状態での生活を経験していないのもある)
    通勤時間も片道30分以内で、定時ぎりぎりに出社し、ほぼ定時で帰れているのも大きいと思う。
    「ホワイト企業×正社員(安心感)×シングルマザー×実家遠方(煩わしさからの解放)×都会暮らし(便利)」という今の環境は案外私に合っていて、ストレスもそれほどない。
    娘にとっては、父親がいた方がいいに決まっている。
    父親をつくってあげるべきなのも重々分かっている。
    でも、私自身に必要かと言われると、どうしても拒絶反応が出てしまう。
    娘と世間が許してくれるのであれば、このままシングルマザーでいたい。

    わたしってレズビアン?

    娘が寝た後は、おいしい紅茶を淹れ、大好きな映画やドラマ、アニメ、リアリティショーを見る。
    私にとって至福の時間だ。
    そうやってコンテンツを楽しみながら、スマホをぽちぽち触る。
    ほっと一息つける時間が増えてから、「誰かとつながりたい」と思うことが増えた。
    「恋人が欲しいな」とも。
    うつつを抜かして申し訳ないな、と娘には思った。
    でもやっぱり、恋人やライフパートナー、友だちがほしい。
    とはいえ、生活は職場と家と保育園の往復だ。
    だから、マッチングアプリでも始めるしかないのかな、とぼんやり考えていた。
    そのとき、「つながりたい」と思い浮かんだのは女性だった。
    忙しい毎日の隙間時間を使って、わざわざ男性とやり取りしたいとは思えなかった。

    特別な女友達

    思い返せば、ずっと特別な女性がいた。
    その子の世界観が大好きで、とても愛おしかった。
    他の誰かと仲良さそうにしていると嫉妬するし、独占欲もあった。
    気づけば、7年くらいずっとその子のことが好きだったんだと思う。
    私がシングルマザーになることを伝えたとき、たしか2時間ほど電話をした。
    そのときに言われた「あなたが友だちの中で、1番幸せになってほしいと思う人なの」という言葉は、今でも忘れられない。
    でも、その子はもちろんノンケで、彼氏が途切れたこともほとんどなかった。
    今は結婚もしている。
    期待していなかった分、落ち込むこともなかった。
    そもそも「自分の恋愛対象が同性かもしれない」なんて、今まで考えたこともなかった。
    男性と付き合わなければならないという義務感のようなものがあり、いつも告白してくれた男性を好きになる努力をするところから始まる。
    女友だちからの誘いを優先してしまいがちな自分にがっかりすることも多かったし、なんでこんなにいい人を好きになれないんだろうと思い悩むことも多かった。
    改めて、頭の中を整理しながら過去を振り返ってみると、自分の恋愛対象は女性なのだとこの歳になって自認した。

    女性同士のマッチングアプリに登録

    自分が女性を好きなのだと気づいたことをきっかけに、女性同士向けのマッチングアプリに登録した。
    だんだん自分の願望と行動が一致していく。
    でも、始めたはいいものの、まあうまくいかない。
    これは男女でも同じだと思う(笑)
    アプリより出会いの場へ行ってしまいたいと思うが、娘を置いて出かけるわけにはいかないし、そんな願望もない。
    でも、半年から1年に1回あるかないかの頻度で、「見ておくから、たまには遊びに行っておいで」と言ってくれる身内がいる。
    そのときは迷わず、セクマイのオフ会やビアンバー、女性限定のクラブに行ってみる。
    出会いの場へ行くと、「レズってこんなに多いのか」と驚く。
    実際に恋人に近い存在になった女性もいるし、好きになれそうな人にも何人か出会えた。
    界隈は狭い。
    出会いの場に行けば、出会いは無限にある。
    ただ、こちらの事情もあり、やっぱりうまくはいかない(笑)
    ノンケを好きになることはない。
    ノンケが同性を好きになることなんて、ドラマの世界だけだと思っているからだ。
    そうなると、アプリやオフ会、ビアンバーで出会うしかない。
    道のりはまだまだ遠い。

    今回の気づきで得たもの

    自分の恋愛対象や価値観についてどんどん明確になっていき、心が軽くなっている感覚はたしかにある。
    それだけでも、本当によかったと思える。
    ライフステージが変わったことや精神的な孤独をきっかけに、「誰かとつながりたい」と思うようになった。
    また、恋愛に限らず、人とのつながりや考え方、価値観、LGBTQについて考えるようにもなった。
    孤独になりたくない私たちは、いつもたくさん考え、いろいろな人に会い、「難しい」「無理かもしれない」と思いながらも孤独と戦っている。
    たくさん傷ついた人ほど、「やっぱり1人がいい」という結論にたどり着くこともあると思う。
    私も何度もそう思った。
    それは決して逃げではない。
    「誰かとつながりたい」と「やっぱり1人がいい」を行ったり来たりしながら、常に戦い続けるのだ。
    でも私は、“今は”やっぱり誰かとつながっていたいと強く思う。
    たとえ結婚相手や運命の人が見つからなかったとしても悲観はしない。
    わたしにとって、そういう人との出会いや確かな関係の約束がゴールではないからだ。
    マッチングアプリをしたり、出会いの場に行ったり、友達と思いっきり遊んだりしながら、出会いと別れを繰り返している日常そのものを幸せだと思えたら、それでいい。
    孤独なシングルマザー、今が一番楽しくて幸せだなんて誰も信じてくれない気がする。
    でも、多分私は幸せなんだと思う。
    そして、娘の次に愛せる人を見つけたいと、こっそり思っている。

    #創作大賞2026
    #オールカテゴリ部門

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