AMD Ryzen AI Max+ 395でAIに挑む前に知っておくべきこと
夢のスペック、しかし落とし穴も
VRAM128GB、16コア32スレッド、GeForce RTX 4070 Laptop並みのGPU性能を持つ変態マシン、AMD Ryzen AI Max+ 395。これでAIをやれば幸せになれる――そう信じていた時期が私にもありました。
確かに、このVRAM128GBという圧倒的なメモリ容量は魅力的です。VRAM64GBを消費する大規模言語モデルGPT-OSS-120bも難なく動作し、たいていのLLMは実用的な速度で稼働します。これは本当に素晴らしいことです。
CUDAとROCm、命運を分ける命令セットの違い
しかし、ここに大きな問題があります。AIの命令セットです。NVIDIAはCUDA、AMDのRadeonはROCmという、異なる命令セットを使用しています。
この違いが、実際の利用シーンで大きな壁となります。
対応状況の現実:
文章生成AI・画像生成AI: 各ライブラリが積極的にROCm対応を進めており、比較的スムーズに動作
動画生成AI・音声生成AI: CUDAの一強状態で、ROCm対応は進んでいない
つまり、Radeonで動画生成や音声生成を試みると、そもそも動かないという地獄を見ることになります。これは命令セットレベルの問題なので、ユーザー側でできることは限られており、開発者の対応を待つしかありません。
なお画像生成は、AMDが自らComfyUIを推奨する程度には稼働できるようになりました。
唯一の解決策
現状での回避策は、OCulinkというM.2インターフェースを使ってGeForceを外部接続し、CUDA環境を構築することです。せっかくの統合GPU環境なのに、結局外部GPUが必要になるというジレンマがあります。
ほかのGPUだったらどうなのか
NVidia DGX Sparkという種類があります。これもデスクトップサイズでVRAM128GB対応可能な化け物マシンです。しかもCUDA。
しかしこれはCPUがArmであり、X86系Windowsは稼働しません。
Ryzen AI Max+ 395はX86系CPUであり、Windowsが稼働します。ここは大きなメリットです。
ただ現実にはRyzen AI Max+ 395でも、画像生成AIを駆動させるにはUbuntuやWSL2で駆動させることも多いです。
まとめ
Ryzen AI Max+ 395は確かに魅力的なスペックを持っていますが、AI用途で検討している方は、自分がやりたいことがROCmで実現可能かどうかを事前に確認することを強くお勧めします。特に動画生成や音声生成に興味がある方は、この制約を理解した上で購入を検討してください。