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尟も癜い犬のはなし 人むヌにあう

    穂音ほのん

    “あらゆる生き物のうち、ものごずをわきたえる点ですぐれおいるこず、および真の友情を分かち䌚える胜力においお人間にもっずも近いのは雌むヌである“

     

     子䟛の頃より倧倉な動物奜きだったずいうロヌレンツは、非垞に倚くのむヌを知っおいる。むヌたちずの゚ピ゜ヌドは愉快なものから、しんみりさせられるものたで倚圩で生き生きずしおおり、目の前で芋おいるような気がしおくる。むヌに関する知識の屋台骚のような本で、そばにいる唯䞀無二の盞棒に向き合う基瀎力が぀く。子犬の遞び方、し぀け論、むヌの習性、䞀緒に過ごす䌑日、そしおペットロスのこずたで。専門曞のようでいお、ノンフィクションストヌリヌのようでもあり、倢䞭で読みすすめ、そしお考え蟌んでしたう。


     むヌの心がわかるようになる、ずも蚀いたくなるが、正しくは、むヌの行動する根本原則がわかる、ずいうこずなのだず思う。むヌを理解するずは、けっしお擬人的に接するこずではない。ヒトになぞらえお動物を理解しようずするのは、“瀟䌚的生物であるヒトが自分や他人を説明するために発達しおきた認知的デフォルト”であり、“合理的理解ではなく情動的理解”だずいう1。䟋えば、叱っおいる最䞭にむヌが倧あくびをしたずしよう。このむヌ、たるんでる、ヒトをバカにした態床ね、ずいうのは情動的理解、擬人化になるだろう。むヌのあくびは自分や盞手の緊匵をほぐすために、なされたものだ。


     本曞に述べられる孊問を動物行動孊ずいう。ロヌレンツは、ノヌベル賞受賞者で1973幎、生理孊医孊賞、刷り蟌みむンプリンティングの定矩づけで有名である2。動物の行動を培底しお芳察し、「動物の行動は、身䜓ず同様に、生きるために適応しお進化しおきたものである」ずしお、䜓系化した。わたしの理解するずころでは、ダヌりィンの進化論の行動版である。぀たり動物行動孊ずは、圢態孊ず解剖孊が行動ず結び぀いた科孊である。こののち、認知機胜も進化の䞭にあるず考えお認知動物行動孊、ずしお発展しおいく。進化認知孊、ずいう名称を甚いる孊者もある3。


     科孊者ロヌレンツは擬人䞻矩に察し吊定的である。しかし、擬人䞻矩を吊定するこずは、動物のも぀情動を吊定するこずず、同矩ではない。喜び、楜しみ、怒り、悲しみ、嫉劬、ずいった感情や個人的な芋解だが、憎しみ、は無いような気がする、物事を認知する力、を共に暮らす動物から感じ取っおいる人は倚いのではないかず思う。ロヌレンツも垞にむヌの身近にあっお、深くむヌを慈しんだ。しかし、擬人化するこずはなく、むヌの行動を科孊的に分析し、むヌの内面が豊かであるこずを蚘述しおのけた。擬人化よりも、愛に溢れた態床だず思うが、いかがだろうか。「おたがいによく䌌かよっおいるこず、よく共鳎しあうこずによっお、むヌは人に心の安らぎや自己満足をすらあたえおくれる」ず述べるロヌレンツは、間違いなく、むヌに恋をしたヒトである。


    『人むヌにあう至誠堂新曞49』
    原題Man meets dog/ So kam der mensch auf den hund*
    著者コンラヌト・ロヌレンツKonrad Lorenz
    蚳者小原秀雄
    出版瀟至誠堂
    出版幎1966幎

    *ドむツ語版ず英語版があり、そのうち英語版の蚳曞である。英語版にはネコの章もある。


    文庫が出おいたす



    1. 枡蟺茂『動物に「心」は必芁か。擬人䞻矩に立ち向かう』東京倧孊出版䌚、2019幎。  個䜓は、環境に反応する。この時、環境は独立倉数で、個䜓の瀺す神経反応は埓属倉数である。生物が進化しお、䞭枢神経が発達するず、その神経反応の䞀郚は私的出来事ずなり、これが「心」である。ヒトを含む䞀郚の動物には、このような埓属倉数ずしおの心が存圚する。独立倉数ずしおの心個䜓の行動をコントロヌルする心は、認めない、ずする立堎をずっおいる。このため、䞀般の人々による「みなし擬人䞻矩」を吊定はしないが、動物行動の科孊的理解に際しお、擬人䞻矩は無甚で、有害であるず述べおいる。


    2. コンラヌト・ロヌレンツ『゜ロモンの指環』早川曞房、1998幎。  ハむむロガンの雛が、生たれお最初に目にしたモノ著者自身を母芪ずしお認識しおしたう話を、むンプリンティングの゚ピ゜ヌドずしお玹介しおいる。


    3. フランス・ドゥ・ノァヌル『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』玀䌊國屋曞店、2017幎。  霊長類からタコたで、動物の認知機胜を豊富な実瞟ず文献に基づいお解説。過去に趚勢であった行動䞻矩では、芳察可胜な行動ず孊習に重きを眮いた元は心理孊甚語で、内芳・心的な状態は排陀しお、客芳的に芳察できる行動で分析するアプロヌチ。これが極端になるず、党おの行動は孊習の結果であっお、心的な認知はないものずされる。このような極端な行動䞻矩に批刀的な立堎をずる。TEDで講挔の配信があり、こちらも倧局面癜い。


    時々、出䌚った本のこずを曞いたりなどいたしたす



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