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Photo byrich_camel9852

アラ還女子 大学院へ行く 決定版

    こちらの文章は、2026年3月19日、23日、30日、4月6日の投稿を加筆、修正したものです。

    「何事も学ぶに遅すぎることはなし」と人は言いますが、何かを学ぶのであれば一日でも早い方(若い方)が良い。
    なぜなら、学ぶことは案外楽しいし、学問はやはり人生において役に立つから。

    私は58歳の時に大学院に入学し、還暦で修士課程を修了しました。
    今は、社会人が大学院へ通うことはそう珍しくなく、芸能人やスポーツ選手もサラっと大学院へ入学していたりしますよね。
    ただ58歳で、しかも理系というのは相当珍しかったと思います。

    ではなぜ、その年齢で私が大学院へ進もうと考えたのか。

    それまで私はドッグトレーナーとして20年近く仕事をしており、それなりに仕事を獲得し経験も積んできました。
    ただ、ドッグトレーナーには国家資格が無く、第一種動物取扱業の登録をすれば誰でもドッグトレーナーと名乗れます。
    それまでいわゆる犬のしつけ関連の仕事に関わる人は、ドッグトレーナーと呼ばれる人達、獣医師、動物看護師が主でした。
    獣医師は勿論国家資格が必要ですが、動物看護師も2022年に国家資格化し、無資格なのはドッグトレーナーだけになったのです。
    ドッグトレーナーだけ公的な資格がない・・・
    このことを私はずっと恐れていました。
    これからドッグトレーナーという仕事が、獣医師や愛玩動物看護師に乗っ取られるのではないかと・・・
    もっと言えば、そこにAIも加わって来るぞと。

    では、今から獣医師になるか、愛玩動物看護師になるか?
    それも素晴らしいのですが、なんかちょっと違うような気がして。
    他には・・・
    国家資格ではありませんが、修士あるいは博士の学位を取ることも有りなのではないか?
    学位は海外でも通用する。
    おっ、その道良いんじゃない?
    修士であれば2年だし、アラ還でもイケるかも。

    そんな安易な思考の流れで、めでたく大学院を目指すことになったのです。

    第一章 受験編


    大学院入試に関しては、マジで情報が無い!
    大学から大学院へは内部進学が多いので、外部からのましてや社会人向けの更におばちゃん向けの情報なんて皆無でした。
    とにかくググった、毎日毎日ググった。(表現古くてすみません)
    そこで色々と分かってきたのは、まず大学院で「指導してもらう教授」を探さなくてはいけないこと。
    「指導してもらう教授」から受験OKのお返事がもらえないと、受験さえも出来ないのです。(受験出来る大学院もあります)
    マジか!と思いました。
    極端な話、大学院は大学に入学するのではなく、「指導してもらう教授」が率いる「研究室」に「就職する」と言っても過言ではないシステムだったのです。
    大学という大企業の中にいくつもの「研究室」という子会社が入っているイメージですね。
    何十年も前に文系の大学をチャラチャラ卒業した私には「研究室」って何だっけ?って話です。
    因みに、大学受験につきものの偏差値って大学院受験にはあまり関係ないですよ。

    次に、「指導してもらう教授」を探すには、自分が何を研究したいかを明確にしないと見つけられません。
    そこで一番興味がある動物福祉の分野に絞り、またまたググるググる。
    たまたま私の出身大学の心理学の先生の論文で、心理学を動物に応用しているものを発見したので、藁をもつかむ思いでその先生に会いに行きました。
    ここからは、ネットを抜け出して行動に出ました。
    アラ還おばちゃんは図々しいので行動に移すのは得意なんです。

    母校の心理学の先生はとても親切に話を聞いて下さり、自分は指導できないけれど、出来そうな先生を探してあげるよとおっしゃって頂き、他校の二人の先生を探して頂いたのです。
    お二人のうち一人はすでにどこかに移動されて在籍されてなく、もう一人の先生にメールをし面談の許可を頂きました。
    もうドキドキです。
    一応見よう見まねで研究計画書なるものを書いて持参し、とにかくやる気だけは見せようと空回りしながら研究室を訪問したのです。
    これが後に私の恩師となる先生との初めての出会いでした。

    これもたまたま運が良く、先生はこれまでウシやヒツジの福祉の研究をされていたのですが、今後は愛玩動物(犬・猫)の福祉の研究に重点を置きたいと考えていた矢先だったのです。
    そんな事情があってとんとん拍子に話がまとまり、晴れて受験出来ることになったのです。

    さあ、次は受験勉強です。

    受験科目は、「英語」「面接」、その前に研究計画書の提出。
    英語は、英検ももっておらず、海外旅行に行って何とかレストランで注文出来る程度でした。
    でも、受験のチャンスは1回。
    これは自分で決めたことです。
    何度も受けられると思ったら、サボる自分を知っていたから。

    予備校に通いましたよ。
    個別指導にしてもらい、特に英語は中学1年のテキストからやり直しをし、小論文の書き方も初めて教えてもらいました。
    単語なんか覚えても覚えても端から忘れて行くし、小論文も今から思えば、単に作文でした。

    でも負け戦をする気はアラ還にはありません。

    勝算その1
    少子化の影響で大学院へ進学する若者が減少している事。
    大学も学生集めに必死です。
    更に近年、リカレント教育に理解が深まり社会人の受け入れが増えてきているので、若者の減少分に補充という形で入れてもらえるのではないかという期待。
    どんな理由でも受かればこっちのものです。

    勝算その2
    私にはフィールドがあるということ。
    実験をする場合、沢山の飼い主さんと犬達に協力をしてもらう必要がありますが、私の長年のお付き合いのあるクライアントさん達に協力してもらえる自信がありました。
    データを取る際、対象者の数が多いほどより正確な数値が出ます。
    実際、実験をする時に参加してもらう犬達をどうやって集めるかは最大の難関になるのです。
    これは、現役の学生では絶対に出来ないことです。

    勝算その3
    情熱。。。
    研究の動機を、経験から自分の言葉で話せる事です。
    こうだろうな、ではなく、現実はこうだからこうしたい、犬を取り巻く世の中を変えていきたいという情熱がある事。
    そこを説得力をもって面接で話せればイケる!かも?

    そして受験当日。

    英語
    想定以上にボロボロでした・・・
    面接
    圧迫面接とはこのこと?と思うような面接で、アラ還、泣きそうになりましたが、絞り出すようにいかに犬に福祉が必要かを訴えることは出来たと思います。

    帰り道、正直終わったと思いました。
    受験前の謎の自信はどこへやら。
    合格発表も見に行くことは無く、通知が郵送されてきたときも薄っぺらだったのでやっぱりねと思い、一応開封してみたら・・・
    合栟
    何かの間違いか、よっぽど学生がいなかったのか、懐の深い大学である。
    この恩はきっと返す。

    ただここからが本当の試練が始まるのです。

    余談になりますが、受験会場で嫌な思いをすることはありませんでした。
    お母さんよりも年上のおばさんが受験していることに何かしらの反応があるのかと身構えていましたが(ジロジロ見られるとか)、全くそんなことは無く、それどころかトイレに行った時に学生さんから「お互いに合格したらまた会いましょうね」と言って頂いたのです。
    その方とは、入学後の健康診断の時に約束通り会うことが出来ました。

    第二章 修士1年目編

    いよいよ大学院入学へ

    まずぶち当たったのが、絶望的なITスキルの欠如でした。
    携帯はガラケー、PCの基本操作もメールが打てるぐらいなものです。
    始めの一歩として、携帯をスマホに変えたのですが操作が分からない・・・
    かかってきた電話にどうやって出ていいのかすら分からずいちいち大騒ぎでした。
    しかも、PCとスマホを同期したほうが良いよって言われても。
    同期って何?

    更に、最大の難関はエクセル。
    それまで存在すら知らなかったと言っても過言ではない。

    いやはや、とんでもない所に来ちゃったな~。
    論文を書く以前の問題ですから。
    これは遅かれ早かれ、中退か・・・

    この後、数々の困難にぶち当たるのですが、助けてくれたのは指導教授をはじめ秘書さん、研究室の先輩や同期、後輩の仲間達でした。

    研究室の指導教員に関しては、相性もあるし上手くいく場合と行かない場合があることはネットなどの情報で知っていました。
    アカデミックハラスメントにセクシャルハラスメント。
    これは本当に切実な問題ですよね。

    幸いなことに、私の指導教授は、研究者としても優秀ですが、教育者としても尊敬できる先生でした。
    誰に対しても礼儀正しく、謙虚で、どんな質問にもお忙しいのに手を止め真摯に答えて下さいました。
    ただ、当然知っていなければならない事柄に関しては、「自分で調べて下さい」と言われたことがあります。
    はい、すみません、当然です。

    ひと月に一度、TA(ティーチング・アシスタントの略)の書類に先生の判子を押さなくてはならないイベントがあり、何故かいつも私が先生のところに行って判子を預かる役目をしていたのですが、判子という小さくて落としやすい物を受け取る時に、先生(男性)は絶対に私と手が触れ合わないように慎重に渡して下さいました。
    君子危うきに近寄らず。
    学生に誤解を与えない為と、ご自分を守る為ですね。

    先生の配慮のお陰で、私が在籍した研究室では、アカハラ、セクハラに関しては聞いたことがありませんでした。
    緊張感はありながらも和気あいあいとして、他の研究室より雰囲気は良かったと思います。

    そして、アラ還の大学院生活を支えてくれた同期の仲間達。
    この人達がいなければ、修了することは無理だったと思います。
    特に、同じ女性で社会人の同期がいたこと。
    これは奇跡です。
    彼女は高いITスキルを持っていて、パソコンの操作を根気強く優しく私に教えてくれました。
    口癖は『私はね、パソコンが使える猫なの』 ニャン?
    彼女とは、励まし合いながら時に愚痴を吐き出し合いながら、お互い無くてはならない存在になっていったのです。
    因みに、彼女のお母さんは私と同い年でした・・・

    さて、新学期が始まり張り切ってゼミを複数受講しましたが、とにかく先生の言っていることが全く分からない。
    何が分からないかも分からない。

    そこで出てきたのが、ピーチちゃん問題。
    どのゼミでもよく「ピーチ」という言葉が出てくるのですが、生物系の大学院なので、最初は動物の名前がピーチちゃんなのかと思っていたのです。
    おめでたい人である。
    いや、でも、それにしても毎回ピーチちゃんが登場するのって変じゃない?
    そこで調べてみたら統計解析の時に必要な「P値」なるものでした。
    このP値に関しては未だに正確に理解していないので、どのようなものかの説明はここでは控えさせて頂きます。
    取り敢えず、問題一つ解決。

    1年生の夏前になると、前期後期課程の最終学年の学生による、論文の中間発表会があり、1年坊主の私達はタイムキープなどのお手伝いにかりだされました。
    広い教室に教授がずらっと50人近く座っている前で一人一人がパワポで論文のプレゼンをしていくのですが、あることに気付いて愕然としたのです。
    教授陣の中に女性が1人もいなかったのです。
    暗闇の中でしたが一人一人確認していきましたので、間違いありません。
    まさか今時、このようなジェンダーギャップが存在するとは。
    生物系は比較的女性の学生が多い傾向にありますが、教授は男性ばかりなんて。
    2日目は女性の教授が2~3名参加していたので、全くいないわけではありませんでしたが。
    このことは、卒業式の日にアンケートを書く機会があり、学位証明書を頂いた後ですので遠慮なく書きました。
    「男性の教授が多い大学は男性が好む論文が多くなり内容が偏るのではないか。このままだと生き残れないですよ。」と。

    これ以外でも、女性の教員で論文をバンバン発表している人がずっと講師のままであったりと、大学というところは民間企業よりジェンダーギャップが激しいんだなと残念な気持ちになりました。

    最近話題になる入学試験の「女子枠」にしても、受験する男子学生に不利益を押し付けるだけで、自分達には「女子枠」を設けるつもりはないのが本音でしょう。

    しかし、そんなことにかまけている暇は私にはありません。
    スケジュールとしては、1年次に先行論文検索、研究のテーマ決め、実験。
    2年次に実験結果の分析、そして論文化。
    このような計画を立てました。

    私の場合、全ての実験を1年次に終わらせないと詰む。
    そう思い、早い段階から実験に協力してくれる飼い主さんとワンコさんに声を掛け、40組近くに参加して頂けました。
    感謝です。
    他の研究室の学生さんから、「犬を分けてくれないか」と相談があったほどです。

    そんな中、日々実験にまい進するアラ還に思いもよらぬ出来事が。
    ナント、何十年ぶりでしょうか。
    校内で先生からナンパされたのです。

    犬から唾液を取り保管するために冷凍室に急いでいた私に、ある教授が『何をしているの?』と話しかけてきました。
    私は実験中だという事を説明し走り去ろうとしたのですが、『僕ね、来年で定年なの・・・』と話し出し止まらない。
    哀れに思い話を聞いてあげましたが、気持ちが通じたと思ったのか『これからお茶飲みにいかない』とお誘いを受けたのです。
    お茶も悪くは無いと思ったのですが、唾液を早く冷凍しなくては、しかもまだ実験の途中です。
    丁寧にお断りしました。

    1年次の終わりごろ何とか実験を終わらせることができましたが、これからこの膨大な実験結果をどうやって論文化していくのか・・・
    とうとう、避けていた統計解析に手を付けなくてはならない時が来たのです。
    そして、学内での発表、学会発表と試練は続き、静かに私のメンタルとフィジカルは崩壊していくのでした。

    第3章 修士2年目編

    さてさて、研究での最大の難関、データを統計的に分析していく作業が立ちはだかっていました。
    学部から学んできていない私は、もう手も足も出ない。。。
    まずは、エクセルで簡単な計算やグラフを作る遊びから始めてみました。
    これが意外と面白い。
    一瞬でグラフ化出来ちゃうじゃない。
    「こんな便利なものが世の中あったのね~」
    アラ還、感心する。

    そして、同期の学生に頭を下げ、お昼ご飯を御馳走し、研究室に代々伝わる統計解析のソフトをインストールしてもらい(インストールさえ怖くて出来なかった)、使い方と解釈の手ほどきを受けました。

    だいたいの使い方は分かりました。
    意味は全く分かりません。
    それでも、進歩です。

    参考書を片手に毎日いじってみると
    「あ~、これがP値ね」
    「有意差、出た」
    すこしずつ形になって来たのです。
    それでもどうしても分からないところは、院生や先生に聞きまくり、失敗を重ねながら何とか論文化出来る段階まで持って行くことが出来ました。

    しかし、ここで、緊急事態が発生。
    歯が欠けた・・・
    劣化か虫歯か、歯医者さんに行くと
    『これね、虫歯じゃないですよ。食いしばりです。心当たりありますか?』と歯医者さんから衝撃の一言が。
    『心当たり?あります、あります』
    その後、注意していると、寝ている時も歯を食いしばっていることが判明。
    全く自覚はありませんでした。
    治療費は、セラミックの被せ物にしたので7万円也~。

    夏前にはいよいよ中間発表です。
    準備を重ね、パワポの資料を何度も作り直し、プレゼンに臨みました。
    心掛けていたのは、早口にならないようにゆっくりと分かりやすく話すこと。
    プレゼン資料を今見返すと、恥ずかしい限りのお粗末さですが、中間発表はまだまだ時間があるねという雰囲気だったせいか、クリア。

    学会も含めてですが、プレゼン後の質疑応答が鬼門になるわけですよね。
    特に修士課程の院生は私も含め皆苦労していました。
    ・全く答えられず立ち往生してしまう
    ・トンチンカンな答えをしてしまう
    中には涙目になってしまう学生さんも。

    これは学生側の未熟さの問題もありますが、そもそも教員側の質問のクオリティが低く、何を聞きたいのか分かりにくい、質問自体がトンチンカンといったケースも見られました。
    教員はプロです。
    院生といえども学生はアマです。
    願わくば、分かりやすい質問で、且つ問題の本質を突くような質の高い問いを教員にはして欲しい。
    そのようなセンスのある質問が出来る教員は、全体の2~3割ぐらいだったのかなと感じました。
    専門分野ではないプレゼンに対し的確な質問は難しいかもしれませんが、それでももうちょっとね、先生頑張ってとアラ還は思いましたよ。
    学生側から教授に『あなたの質問、的外れですよ』なんて口が裂けても言えないですから。

    さて何とか中間発表を終わらせると、今度は学内での文化祭的な発表と学会発表が待ち構えています。
    スライドを学会用に作り直したりしながら、同時に論文も書き始めました。
    実は1年生の時から、書けるところはメモ的にちょとずつ書き溜めていたのです。
    とにかく何をするにもパソコンを使うので、若い人が5分で出来ることが2時間掛かるんですから。

    この頃、もう一つ問題が。
    時々息苦しくなり、今までどうやって呼吸をしていたのか思い出せず、意識して呼吸をしようと思っても上手く出来ないのです。
    しばらくすると落ち着いてくるので病院へは行きませんでしたが、これってもしかするとドラマなんかでよく見る「過呼吸」ってやつ?
    『は~、くわばらくわばら』
    アラ還の身体は悲鳴をあげていたのです。
    同時期に社会人の同期は、会社で倒れて医務室に運ばれたそうです。
    仕事と研究の両立は簡単じゃありません。

    それでも「捨てる神あれば拾う神あり」
    意外にも学会での発表は楽しかった。
    アラ還、高揚しました。
    多くの研究者の方が、私のつたない発表を真剣に聞いて下さり、その後の質問も同じ専門分野の数人の先生から頂き、しかも的外れではない。
    言葉のキャッチボールが出来た感じで、リラックスして答えることが出来ました。
    その後お一人の先生とメールでやり取りするなど、アカデミアの世界に少しだけ触れられた気がして感激しました。

    2年次の12月、内容はともあれ何とか論文を書き上げ、まず主査である指導教授に見てもらい、修正を繰り返す。
    その後です。
    問題は。

    私の行った大学院は、修士課程では主査が1人、副査が2人つきます。
    主査の先生は入学時から伴走して頂いていたので、特に問題なく通りましたが、副査の先生とはゼミを受講した際に進捗状況は見て頂いていたものの、突っ込んだ話し合いはしていませんでした。
    勿論研究計画書は入学時から提出していましたし、副査の先生も「味方」になってご指導頂けるものと思い込んでいました。
    甘かった・・・
    副査の先生は、「味方」ではなく「一番の敵」だった。
    伏兵だったか!
    論文をけちょんけちょんにけなされ、実験を最初からやり直しするしかないようなことを言われたのです。
    今からやり直せるわけはない。

    ここで、アラ還猛烈に火が付いた。
    そこから2週間で出来る限りの修正をし分析方法を変え再提出。
    これまで生きてきてこれほど集中して勉強したことは無かったわ。
    アラ還の勢いに圧倒されたのか、何とか副査のチェックも通り提出出来ました。
    最初は怒りに燃えていましたが、冷静に考えてみると成長するとても良い機会を頂けたのだと今では感謝しています。
    研究者になるのであれば、アカハラギリギリの厳しい先生に教えを乞うべきかなとも思いました。

    最終発表も滞りなく終わり、2年間にわたる私の大学院生活は幕を閉じました。

    と、ここで終わるアラ還ではありません。
    ガッチリ元を取りますよ。
    実はひそかに就活をしており、大学で後期の実習の講師と、専門学校での非常勤講師の職をゲットしていたのです。
    講師業は、年をとっても出来るかなと以前から興味があり、学位も頂いたことだしチャレンジしてみることにしたのです。

    第四章 総括編

    シニアになってまでも大学院へ入って良かったか?

    良かったです。
    一片の後悔もありません。
    大学院修了は、私の勲章になり今でも燦然と輝いています。
    時折自信を無くしそうになる時も、いや、私は2年間頑張った、耐えたぞ、あれだけ沢山の論文を読んだし、今でもアップデートを重ねている。
    以前よりは格段に自信が付いたし、仕事上での説得力も増してきています。
    修士の学位は、国家資格に十分相当します。
    これで、私なりの目的は達成しました。

    私は、誰でも何歳でも学びたい気持ちがあれば、進学するべきだと思っています。
    もし、本当は高校に、大学に、大学院に行きたかったという気持ちをくすぶらせているのであれば、是非「生きているうち」に実現させて下さい。
    60過ぎてわかります。
    人生は必ず終わりが来ると。

    大学院は私の場合たった2年でしたが、いったい大学までの教育は何だったんだと思うほど、人生で初めて能動的に「学んだ」と言える2年でした。
    特に、批判的思考を叩きこまれたこと、物事を体系的に処理することは、その後大いに仕事に役立っています。

    シニアの皆さん、社会人の皆さん。
    自分の人生だもの。
    周りが何と言おうと、やりたいことをやりましょう。
    後は全て自己責任。

    そして、やりたいことをやろうとしている人を応援しましょう。
    その人が
    妻であり、夫であり
    母であり、父であり
    娘であり、息子であり
    親友であり、ライバルであっても。

    応援は力になります。
    私もたくさんの人達に応援してもらい助けられ大学院を修了することが出来ました。

    応援された人は、今度は応援してくれた人が一歩踏みだそうとしている時、きっと応援してくれます。

    「何事も学ぶに遅すぎることはなし」
    ただ、研究は体力勝負なところもありますので、1歳でも若い方が身のためです。
    歯が欠けますから。。。











    #創作大賞2026

     
     
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