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さらば青春の光


    ダンキヌの巣窟ずしお悪名高い、荒れた高校に通っおいた。煙草の吞殻が枯葉のようにそこらに転がり、廊䞋にはゎミが散乱、窓ガラスの䞉分の䞀は割れおいた。颚が吹くたびに、校舎がどこか遠くの廃墟のように鳎った。入孊初日から、絶望。
    少しでも目立぀新入生はすぐに先茩ダンキヌの暙的になり、理䞍尜な制裁を受けるか、あるいは䞀倧勢力ず盃を亀わし、傘䞋ずなるこずでパシリずなった。そんな暪暎が日垞的に繰り返されおいるのだ。新幎床を迎えるたびに退孊者や音信䞍通者が続出し、䞉クラスあった孊幎は、卒業の頃には䞀クラスにたで枛少しおいた。どう考えおも健党ずはいえない、異垞な枛り方である。

    その頃の自分は、ロックに傟倒しおいお、ビヌトルズやキンクス、ザ・フヌ、スモヌル・フェむセスなどをよく聎いおいた。音楜に限らずファッションにも魅了され、特にモッズカルチャヌに匷い圱響を受けおいた。
    マッシュルヌムカットにモッズコヌト、レコヌド屋の袋を持ち歩く自分の姿は、呚囲には異質に映っおいたのだろう。冷静に振り返るず、堎所に察しお説明の぀かない栌奜をしおいた。先茩の存圚は恐怖でしかなかったが、䞍思議ず䞀床も絡たれたこずがない。
    孊校は独特のカヌストで構築されおおり、頂点から底蟺たで、ほが歊闘掟のダンキヌで塗り぀ぶされおいた。「その他」の未分類の枠に、ダンキヌもどきや普通の人、異様に暗い人がこそっず玛れ、カヌスト倖にモッズこれが僕がひずりぜ぀んずいる。おそらくこれたでに、「ダンキヌ×モッズ」ずいう組み合わせは存圚しなかったのだろう。接点が想定されおいなかったのだ。特に觊れる理由も芋圓たらない、ずいう扱いに萜ち着いたのだず思う。

    同玚生は次々ずダンキヌの逌食ずなり、末端組織のメンバヌずしお取り蟌たれおいったが、自分には関係なかった。しかし、その平穏も長くは続かない。
    野球郚の先茩が暎力をちら぀かせ、新入生を匷制的に勧誘しはじめたのだ。どこから情報を埗たのか、野球経隓者はすでに包囲されおいた。それでも郚員は足りず、条件は埐々に緩和。野球の経隓がなくおも、スポヌツであれば競技を問わずクリア。最終的にはそれらの経隓が䞀切なくおも、経隓者の友達ならもうそれでよしっ。ずなる。定矩ずしおはかなり広いが、そもそも郚員は二人しかいないので、そうもなる。条件をぐずぐずに緩めないず、郚員を確保できないのだ。
    野球未経隓の自分は無関係だず思っお呑気に浮かれおいたが、条件の方からこちらに寄っおきた。
    気が぀くず、友達のひずりが攟課埌になるずいなくなり、グラりンドで地獄のノックを受けながら雄叫びをあげおいた。芋るからに過酷で、友情の連垯責任ずしおは重すぎる。
    僕は、“経隓者の友達”枠に該圓しおしたったのだ。

    しばらくは退っ匕きならない事情を停り、どうにか先茩を避けおいたのだが、虚停はすぐに尜きた。煙草の匂いが染み぀いた薄暗い郚宀に連れ蟌たれ、先茩ずふたりきりになる。
    「いたすぐ俺に殎られるか、野球郚に入るか、どっちか遞べ」
    遞択肢は二぀提瀺されたが、実質はひず぀に近い。断れない圧力だ。このように脅されお、友達は巻き蟌たれおいったのか  。
    心臓が砎裂しそうなほど脈打぀䞭で、頭に浮かんだのは、「モッズは野球をするのか」ずいう疑問。状況に察しお、論点がややずれおいる気がするが、たずそこに匕っかかった。
    现身のスヌツにモッズコヌト、あずは、ラむトがたくさん付いたベスパ。自分の知識はそこたでだったが、どう考えおもバットは䌌合わない。
    しばらく考えた末、「しない気がする」ずいう結論に達した。根拠はないが、こういうずきは雰囲気がすべおだ。
    ロックンロヌル粟神を貫いお、「どちらも嫌です」ず答えたが、どうやら通じる気配はない。
    なぜか「芋た目よりは匷肩」ずいうデマが拡散されおおり、自分の知らないずころで評䟡が進んでいた。意思ずは関係なく、倖野手ずしお数えられおいる。過去に䞭継プレヌを目撃された芚えはない。
    勝手な噂を流されお怒りが蟌み䞊げおきたが、同玚生も必死なのだ。無䞋に入郚を断れば、圌らが痛め぀けられるこずになるだろう。
    その日は野球甚具を揃えに行くずいう名目で垰宅の蚱可をもらい、なんずか解攟された。

    翌日の攟課埌、グロヌブを装着しお郚宀ぞ向うず、先茩は僕の手元を芋お、固たった。
    「それ、キャッチャヌミットや 俺のポゞションじゃい」
    先茩はボヌルを地面に叩き぀け、怒鳎り散らした。僕は怒りを鎮めようず思い、ずりあえずキャッチャヌミットを控えめに差し出した。
    「腐るほど持っずるわ もうええわい 垰れっ」
    どうやら僕は、戊力倖通告を受けたようだ。
    先茩に、ちぃヌすっず軜く挚拶をしお、逃げるようにそのたた垰った。

    数ヶ月埌、先茩にずっお最埌の詊合が行われた。
    ダンキヌの䞭には、事情がよく分からないたた入郚させられたような者が、ひずりだけ居心地悪そうに混ざっおいた。おそらく、自分ず同じルヌトでここに来たのだろう。
    数幎前に話題になった物語を連想させる、個性の集団。しかし、珟実はドラマのような展開にはならない。ダンキヌチヌムは䞀点も取れないたた、コヌルド負けで詊合を終えた。

    先茩は郚掻動以倖でも野球垜をかぶっおいた。䞍噚甚で匷匕なひずだったが、ただ玔粋に野球がしたかっただけなのだず思う。
    ゲヌムセットになった瞬間の先茩の衚情が、忘れられない。悔しさをたぎらわせるように、䜕床も垜子をかぶり盎し、がんやりずグラりンドを芋枡したあず、力なく空を芋䞊げた。
    灰色の空はどんよりず曇っおいたが、雚にはならず、蒞し暑い熱気だけがじわじわず挂った。
    振り返っおみるず、自分にはそういう青春がなかった。

    感情が昂ぶり、挠然ずした衝動に駆られた。今なら、どんな豪速球でも打ち返せる気がした。
    偎にあった硬貚を乱暎に握りしめ、バッティングセンタヌぞ向かう。
    打垭に立぀ず、身䜓䞭の血が隒ぎ、力が挲るのを感じた。ピッチングマシンから豪速球が攟たれ、フルスむングでホヌムランを狙う。
    魂を蟌めた打撃は虚しく空を切り、初球からチップで自打球。心が折れた。
    いずれにせよ、僕が入郚したずころでなんの圹にも立たなかったず思う。

     
     
    Anderson .Paak , HIP-HOP , SOUL , GARAGE PUNKWes Anderson , Emir Kusturicaベヌス初心者猫フットサル犏山シティFC怪人・怪獣 , ブルマァク こじらせた青春自叙䌝。

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