
紫陽花の色、人の色
最近、関東が梅雨入りしたらしい。
じめじめとした季節がやってくると、決まって思い出す花がある。
梅雨の時期といえばなんだろう。
春は桜、夏は向日葵、秋は紅葉、冬は椿。
私にとって梅雨は、紫陽花の季節だ。
紫陽花には、赤みを帯びたものから青いものまで、さまざまな色のグラデーションがある。
この色彩は、その花が生きている場所によって変わる。
アルカリ性の土壌では赤みを残し、酸性の土壌では青色に染まる。
同じ紫陽花でも、根を張った場所のわずかな違いで、まったく別の印象を与える。
ふと、人間も似たようなものだと思う。
育った環境が、その人の色をつくる。
色の好みも、色の出方も、人によって違う。
赤色の紫陽花が好きな人。
紫色の紫陽花が好きな人。
私と同じように、青色の紫陽花に惹かれる人。
好きな色がある。
嫌いな色がある。
苦手な色がある。
なぜか落ち着く色もある。
紫陽花の色に違いはあっても、紫陽花が美しいことには変わりない。
人間だって、きっと同じなのだと思う。
色が違うからこそ、面白い。
全部を好きになれなくても、その違いを少し眺めていられる人間でいたい。
そんなことを、梅雨のたびに思う。