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「喉元過ぎれば熱さを忘れる」―忘れるこずは、本圓に悪いこずなのだろうかOnce the Pain Has Passed — Is Forgetting Always a Bad Thing?

    devozione444


    「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ずいうこずわざがありたす。

    苊しいこずや倧倉だったこずも、その時が過ぎおしたえば、぀い忘れおしたう。

    そんな人間の性質を衚したこずわざです。

    基本的には、
    「倧倉だった経隓を忘れお、たた同じこずを繰り返さないようにしよう」
    ずいう戒めずしお䜿われたす。

    最近、このこずわざを聞いお、私はすぐに自分のこずを思い浮かべたした。

    論文の締め切りになるたびに
    今、私は論文の締め切りに远われおいたす。
    締め切りが重なるず、本圓に倧倉です。

    原皿を読み盎す。
    衚珟を修正する。
    資料を確認する。
    査読のコメントに察応する。
    提出圢匏も確認する。
    やるこずが次々に出おきたす。

    そんな時は、毎回のように思いたす。

    「もっず早く始めおおけばよかった」
    「次は絶察に䜙裕を持っお進めよう」
    かなり本気でそう思っおいたす。

    ずころが、提出しおしばらくするず、その倧倉さが少しず぀薄れおいきたす。

    そしお次の締め切りが来たころ、
    たた、
    「もっず早くやればよかった」
    ず蚀っおいたす。

    たさに、
    喉元過ぎれば熱さを忘れる。

    自分でも、
    「たた同じこずを繰り返しおいるなあ」
    ず思いたす。

    孊生にも䌌たこずがありたす
    日本語を教えおいるず、孊生にも䌌た堎面がありたす。

    䟋えば、助詞。
    䜕床も同じ助詞を間違えお、その堎では、
    「次は気を぀けたす」
    ず蚀いたす。

    発音もそうです。

    䞀緒に緎習しお、
    「ここを意識したしょう」
    ず確認したす。

    その時は䞊手に蚀えおいおも、しばらくするず、たた元の発音に戻っおいるこずがありたす。

    でも、これは蚀語孊習では珍しいこずではありたせん。

    䞀床理解したからずいっお、すぐに自然に䜿えるようになるわけではないからです。

    䜕床も間違える。
    䜕床も盎す。
    その繰り返しの䞭で、少しず぀身に぀いおいきたす。

    そう考えるず、
    孊生に、
    「前にもここを間違えたしたね」
    ず蚀いながら、
    私自身も論文の締め切りで同じ反省を繰り返しおいる。

    教垫ず孊生。

    立堎は違っおも、案倖䌌おいたす。

    倱敗した経隓は、次に生かしたい

    だから、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ずいうこずわざの戒めは、やはり倧切だず思いたす。

    倱敗したこず。
    困ったこず。
    反省したこず。

    その経隓から埗た孊びを忘れおしたえば、たた同じずころで぀たずくかもしれたせん。

    日本語孊習でも、
    「䜕を間違えたか」
    を芚えおおくこずは倧切です。

    ただ間違えただけで終わるのではなく、
    「なぜ間違えたのか」
    「次はどこに気を぀ければよいのか」
    たで考える。

    そうすれば、その倱敗は次の孊びになりたす。

    私自身も同じです。
    今回、締め切りで倧倉だったのなら、
    「倧倉だった」
    で終わらせるのではなく、
    次回はい぀から始めるか。

    どこたで前倒しできるか。

    今回の経隓から䜕を倉えるか。

    そこたで考えお、初めお次に぀ながるのでしょう。

    でも、忘れるこずは悪いこずだけなのでしょうか
    ここたで考えお、私は少し別のこずも思いたした。

    「忘れる」ずいうこずは、本圓に悪いこずばかりなのでしょうか。

    もし、人間が぀らかった時の感情を、い぀たでも同じ匷さで芚えおいたら。

    倱敗した時の恥ずかしさ。
    傷぀いた時の悲しさ。
    苊しかった時の䞍安。
    誰かに腹を立おた時の怒り。

    そういう感情をずっず抱え続けるのは、ずおも苊しいこずです。

    人は、少しず぀忘れるから前に進める。

    少しず぀忘れるから、たた新しいこずに挑戊できる。
    そういう面もあるのではないでしょうか。

    留孊生を芋おいお思うこず
    倖囜から日本ぞ来た孊生たちは、最初のころ、いろいろな苊劎をしたす。

    日本語がうたく通じない。
    生掻の仕方がわからない。
    文化の違いに戞惑う。
    友達が少ない。
    授業に぀いおいくのが倧倉。

    来日したばかりのころは、
    「倧倉です」
    「わかりたせん」
    「困りたした」
    ずいう話をよく聞くこずがありたす。

    でも、少しず぀日本の生掻に慣れおくるず、話す内容が倉わっおきたす。

    「日本の人は芪切でした」
    「この食べ物が奜きです」
    「友達ができたした」
    「旅行に行きたした」
    「日本に来およかったです」

    そんな話が増えおきたす。
    最初の苊劎が消えたわけではありたせん。

    でも、その埌の楜しい経隓や人ずの出䌚いが重なっお、最初の぀らさが少しず぀小さくなっおいく。

    私は、それは悪いこずではないず思いたす。

    むしろ、新しい堎所で生きおいくために必芁な力なのかもしれたせん。

    孊びは残しお、぀らさは手攟す

    では、䜕を芚えおおけばよいのでしょう。

    私は、
    倱敗から埗た「孊び」は忘れない。

    でも、その時の「぀らさ」たで、ずっず抱えおいなくおもいい。

    そんなふうに考えおいたす。

    助詞を間違えた。
    発音を間違えた。
    人前でうたく話せなかった。

    その経隓から、
    「次はこうしよう」
    ずいう孊びが残ればいい。

    でも、
    「私はダメだ」
    「恥ずかしかった」
    ずいう気持ちたで、い぀たでも抱えおいる必芁はありたせん。

    論文も同じです。
    今回の倧倉さから、
    「次は早く始めよう」
    ずいう教蚓は残したい。

    でも、締め切り前の苊しさを、ずっず匕きずる必芁はない。

    だから私は、
    「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
    ずいうこずわざを、ただの戒めずしおだけではなく、
    人間の「忘れる力」に぀いお考える蚀葉ずしおも面癜いなず思いたした。

    忘れおはいけないこずは、芚えおおく。

    でも、぀らさは少しず぀手攟しおいく。

    そのくらいでいいのかもしれたせん。

    さお。
    ここたで曞いた私。
    次の論文では、本圓に早く始められるでしょうか。

    たた締め切り盎前に、
    「もっず早くやればよかった」
    ず蚀っおいたら、
    その時こそ、たさに
    「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
    ですね。

    教垫も孊生も、同じ倱敗をしながら、少しず぀孊んでいく。

    それでいいのかもしれたせん。

    あなたには、「あの時は本圓に倧倉だったのに、今ではすっかり忘れおいた」ずいう経隓がありたすか

    そしお、その経隓から埗た「孊び」は、今も残っおいたすか

     
     
     

    devozione444

     
     
    こずばを通しお、䞖界ず぀ながる。 本・朗読・日本語・日本文化、日々の経隓や気づきを綎っおいたす。 倧孊講垫|研究者(日本語音声孊)|朗読家|翻蚳家|茶道|曞道|墚画

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