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日本に住みたいと思ったきっかけは、まさかの「ファミチキ」でしたThe Unexpected Reason She Wanted to Live in Japan: Famichiki

    授業で、日本に来たきっかけについて話していたときのことです。

    ある学生が、日本に遊びに来たときの話をしてくれました。

    そのときに食べたのが、
    ファミチキ。

    そして、食べた瞬間に思ったそうです。
    「こんなにおいしいものがあるなら、日本に住みたい!」

    えっ。
    日本に住みたいと思ったきっかけが、ファミチキ?
    ……と言いながら、実は私、

    最初、「ファミチキ」が何のことか分かりませんでした。

    私は普段、コンビニのチキンをほとんど食べないんです。

    学生たちは当然のように「ファミチキ」と言う。

    でも私は、
    「ファミチキって何?」
    という状態。

    日本人の私が、日本に来た学生たちから日本のコンビニ商品を教えてもらうことになりました。

    しかも、この学生はファミチキだけを食べたわけではありません。

    ほかのコンビニのチキンも、いろいろ食べ比べたそうです。

    そのうえで、
    「私はファミチキが一番!」
    とのこと。

    すると、この話を聞いていたほかの学生たちまで、
    「ファミチキ❣️」
    と声を上げました。

    えっ、みんな知ってるの?

    しかも、かなり好きらしい。

    教室が一気にファミチキの話で盛り上がりました。

    そして私は、みんなの話を聞きながら、
    「へえ……そんなに人気なんだ」
    と教えてもらう側です。

    そういえば以前も、「一番くじ」の話になったとき、私は最初それが何なのか分かりませんでした。

    日本語を教えている日本人教師なのに、
    学生のほうが日本の今の文化をよく知っている。

    そんなことが、教室では結構あります。

    日本に留学した理由と聞くと、
    「日本語を勉強したかった」
    「日本文化に興味があった」
    「アニメが好きだった」
    など、いろいろな理由を想像します。

    でも、この学生にとって、日本への入口の一つになったのは、

    コンビニのチキンでした。

    有名な観光地でもない。
    伝統文化でもない。
    私自身は食べたこともほとんどなく、名前さえよく知らなかったもの。

    それを海外から来た学生が、
    「こんなにおいしいものがあるなら、日本に住みたい!」
    と思うほど気に入っている。

    おもしろいなと思いました。

    私たち日本人にとっては、身近すぎて気づかないものがあります。

    でも、海外から来た人の目を通すと、
    「そこがそんなに魅力的なの?」
    というものが、突然特別に見えてきます。

    前回は、日本のアイスクリームを片っ端から食べた学生の話。

    今回は、ファミチキ。

    学生たちと話していると、
    「日本の魅力って、私が知っている日本だけじゃないんだな」
    と気づかされます。

    日本語を教えているはずなのに、
    日本の食べ物も、
    日本の流行も、
    日本の楽しみ方も、
    学生に教えてもらうことばかり。

    でも、私はそれがとてもおもしろい。

    先生だから何でも知っていなければならない、とは思いません。

    「それ何?」
    と聞けば、今度は学生がうれしそうに教えてくれます!

    そこからまた会話が始まります。

    学生に日本語を教えながら、学生から日本を教えてもらう。

    これも、日本語教師のおもしろさなのだと思います。

    それにしても——
    日本に住みたいと思わせたファミチキ。

    学生たちがあれだけ盛り上がるなら、
    私も一度ちゃんと食べてみた方がいいのかもしれません。

    みなさんも、外国の人から「えっ、それ知らなかった!」という日本のことを教えてもらった経験はありますか?

     
     
     
    ことばを通して、世界とつながる。 本・朗読・日本語・日本文化、日々の経験や気づきを綴っています。 大学講師|研究者(日本語音声学)|朗読家|翻訳家|茶道|書道|墨画

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