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泡沫の夢


     今年の薔薇は例年よりも開花時期が早かった。
    まだまだシーズンはこれからと思っていたが、先日今シーズン二回目となるバラ園に出かけてみるとピークは数日前に過ぎたとのこと。
    温暖化による影響と急な激しい雨風に晒されたのが原因ではないか。
    辛うじてまだ咲き誇っている花を探して何とか撮ることができた。
    見納めの薔薇だ。

    それは出会いと別れが一緒に訪れたようなひとときだった。
    出会いの喜びを感じる間もなく別れの切なさだけが手元に残る。
    言葉も見つからずただ見つめるだけの短い時間。
    手の平から滑り落ちてゆくかけがえのない一瞬。
    あともう少しで触れることもできたのに。
    あともう一言あれば壁を乗り越え分かち合えたかもしれないのに。
    足りなかったものを埋め合わせることはもうできない。
    泡沫うたかたの夢のような短いひととき。
    祈りはいつの日か心の深みに降りてゆき安らぎの光となることだろう。





    北九州市響灘グリーンパーク 春のバラフェアにて

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    西村由紀江
    「すき」
    ~花菜ガーデンの薔薇とともに~



    響灘グリーンパークに御一緒いただきありがとうございます





     
     
    世界は人の内面を映し出す鏡。言葉と写真は静寂の門前にまで導いてくれる道先案内係。1956年東京生まれ。2021年7月北九州へ移住と同時期にnoteを開始。

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