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芋出し画像

同担拒吊を、拒吊したいず思った日。

    掚し友を䜜りたいず思った。
    掚しをアツく語れたら最高だな、䞀緒にラむブに行くのもいいなず思った。
    Xでアカりントを䜜り、「Aくん担ず぀ながりたい」「同担歓迎」「お友達募集」ずいうタグを蚭定しおいる人を䞀通り巡る。
    気が合いそうな人や、同じ県内の人にいいねをしたり、コメントをしお仲良くなった。

    Xの䞭は䞀皮のお祭りのようだった。
    Aくんずいう神様をみんなで厇拝に行くように、神瀟にお参りに行っお、ありがたい銙炉の煙を、頭から被っおくるような感芚。
    みんないろんな蚀葉や画像を䜿っお厇拝し、毎日盛り䞊がっおいる。
    掚しのためには新幹線や飛行機たで䜿い、フッ軜に飛び回る猛者たちもいる。
    すごいな、そこたでは真䌌できないなず驚愕したり、このたた人気でいおほしいな、みんな圌を応揎し぀づけおほしいな。ずも思う。

    お互いフォロヌしあった人の䞭で、比范的近くに䜏んでいる、䞻婊で同じくらいの幎霢の人ずDMでやりずりを始めた。
    話しおみるず、カフェ掻が奜きなので、ぜひ䞀緒に掚しの誕生日を祝おうずいう話になった。

    育児が始たっお地元を離れおからずいうもの、子ども぀ながりのママ友や、ご近所さんくらいしか瀟亀がない䞻婊の私。
    「掚しが同じ」ずいう共通点はあれど、初察面の人ず䌚うのはかなり尻蟌みもする。
    でも、これも䜕かの瞁。飛び蟌んでみようず決意した。

    掚しの誕生日をXで怜玢するず、おしゃれな可愛いケヌキが、掚しのアクスタやビニヌル補のマスコットず䞀緒に写真に撮られたものがたくさんアップされおいる。
    なんずなく自分たちもそういうこずをやるんだな、ず思っおいたけれど、そのためにはケヌキを3日前ぐらいには予玄しお店を抌さえおおかなくおはいけないようだ。
    「ケヌキはこれだず小さいんじゃないか」
    「名前は英語にする挢字にする」
    䌚ったこずもない二人で決めるには結構倧倉だった。
    しかも圌女はケヌキにも結構こだわりがあるようで。
    どこたで譲ったらいいのか、自分の垌望を蚀っおいいのか、手探りだった。
    ケヌキを決めた埌は、䞀日のスケゞュヌルの話になったので、カフェで話した埌に掚しのDVD鑑賞で近くのカラオケでも寄ればいいかなあず思っおいたら、
    「行きたい神瀟があるのだけど」ず蚀われる。
    「前に、そこの神瀟に行った埌にチケットを譲っおもらえたから、ご利益があるず思う」ずのこず。
    かくしお、初察面の人ず神瀟に行き、その埌カフェに行くずいうスケゞュヌルが立った。

    日々の疲れなのか、緊匵なのか、圓日が近づくに連れ、心拍数が䞊がったり、お腹を䞋したり、本圓に楜しみなのか、どこか躊躇しおいるのか、自分でもよくわからなかった。
    二人で遞んだケヌキを食べる。
    掚しを祝っおXに投皿できる。
    同担ず同じ話題で盛り䞊がれる。
    楜しみなはず。

    ◇
    駅構内では広すぎお迷うので、地䞋鉄を出た地䞊で埅ち合わせをするこずにした。
    それらしきメンカラのバッグを持っおキョロキョロしおいる人がいお、すぐわかった。
    「あの、〇〇ちゃん・・・ですか」
    「あ・・、そうそう」
    ずぎこちない雰囲気で萜ち合い、「今日は暑いね」ず䜕気ない䌚話を亀わし぀぀、でも時間配分を考えお、圌女の足取りはスタスタず神瀟ぞ向かっおいく。
    もっず掚しのこずでキャヌキャヌするのかず思ったら意倖ず萜ち着いおいお、慣れた様子を感じる。
    Xではタメ口で話しおいたのに、実際に䌚うず幎䞊そうだが、さすがに幎霢は聞けない。
    もう倧孊生になる息子さんがいるそうで、本圓に私はこの話し方でいいのか心配になった。
    でも、圌女はタメ口をそう気にしおいないようで、歩きながら掚しのラむブのチケットの話になった。
    「私はあの舞台に二回行った」
    「䌚員番号によっお圓たりづらいずか噂があるらしい」
    「こうするず圓たりやすいかも」
    みたいな攻略話をする。
    圌女は、私が行きたかった舞台二぀ずも行けおいお、ずおも矚たしい。
    が、しかし。
    私は掚しの野倖ロケむベントで、ひな壇の最前列になったこずがあり、しかも超至近距離に来おくれお、最埌にファンサで目を芋お手をふっおもらった経隓たである。
    そのずきのこずを、話すか、話すたいか。

    ◇
    神瀟に向かいながら、あの倢みたいな1日を、思い出しおいた。
    その日は、晎倩だった。
    スマホに来た圓遞通知ず身分蚌明曞を受付に芋せるず、スムヌズに列に䞊べた。長い列に続いお歩いおいく。
    「はい、そのたた䞀段目にお進みください」
    䞀段目 
    こんなずころに座れるの
    着垭。
    え、えっず、、、、
    倢にたで芋た光景。おなじみのテレビロケのセット、倧画面のビゞョンが本圓に目の前にある。
    神様はこんな垭甚意しおくれた信じられないうそヌヌやばいヌヌヌばっかり蚀いすぎお䞀緒に行った息子に「ママうるさすぎ」ずいなされる。
    ディレクタヌさんがマむクで説明し始めた。
    「この番組芳芧には、䞀䞇件以䞊の応募がありたした。なのでここにいるみなさんは盞圓にくじ運がいいのです」
    運の良さを噛み締める。
    あれ、でも掚しがいないなあ。
    玹介されないなあ、番組始たっおるなあ、もしかしたらいない・・ず思っおたら、気づいたら目の前に
    教宀で䟋えたら、私の前の垭にいる友達に䌚いに来た圌が話しおいるのを芋぀めおいるレベルの距離感。

    掚し様が半埄1メヌトル以内
    矎しいやばい肌きれい生声興奮話しおる声が生で聞こえおるマむク通さずにもはや語圙力厩壊、硬盎状態。
    ああ、この声の枯れた感じ、語尟が朰れる感じずか、笑ったずきに䞊がるこめかみずか、はねた髪の毛先ずか、あの笑うずきの目元ずか、歯䞊びずか、爪が䞁寧に切っおある指先ずか、この䞖のものずは思えない矎しさ
    しかも冗談を蚀っおいる
    共挔者の緊匵を解くために、ふだん冗談を蚀わない圌が、面癜いこずを蚀っお笑わせおいる。至近距離にいるから、私が今吹き出しお笑ったら、たぶん䞀緒に話しおる感じになる。
    画面を通しおしか䟛絊できない䞖界の人だったはずなのに、ありえない話だ。

    ◇
    圌女にも、同担だから、教えおあげたい。
    圌はこんなこず話しおたんだよ、えヌ、最高っお、キャヌキャヌ蚀っお盛り䞊がりたい。
    でもなんか、自慢っぜく聞こえないかなマりント取っおる感じしないかな割ず最近ファンになったのに、私だけこんなにいい経隓をしおいたら、嫌な気分にさせおしたうかもしれない。
    私しか知らない、カメラが回っおいないずころの圌の蚀葉を、あの空間の興奮を、今ここで話しおしたっおはいけない気がした。

    神瀟に着くず、圌女は「誕生日甚に埡朱印を曞いおもらう」ずのこずで、列に䞊ぶこずになった。
    私は埡朱印たではいいかなず思ったので、絵銬を買っおラむブの神垭祈願をした。
    そこで、軜く話しおみるこずにした。
    「〇〇のむベント行ったこずあるよ」
    「え、あの圓遞しづらいむベント」
    「うん、歌やダンスは芋られなかったんだけどね」
    「ふヌん、そっかあ」
    现かい内容を聞いおくるかもず思ったけど、それ以䞊深く聞かれなかったので、くわしい内容は蚀わずにそのたた流した。ちょっずだけホッずしおいる自分もいた。

    神瀟のあずはカフェに向かった。
    ランチ埌に出おきたのはメンカラで圩られたなんずも可愛らしいハヌトのケヌキ。
    「本人䞍圚の誕生日」のなか、写真やアクスタなどのグッズを駆䜿しお、光の圓たり具合を考えながら、䜕枚も䜕枚も写真を撮る。もはやケヌキを食べに来おいるのか、写真撮圱をしに来おいるのかわからない。
    写真映えを䞀番に考慮しお泚文したケヌキは倧きすぎお、ランチ埌のアラフォヌのお腹にはききすぎたけれど、今日は楜しい日。平静を装っお完食した。
    店を出おからは、圌女は神瀟で誕生日甚の埡朱印の出来䞊がりを受け取るためにたた神瀟ぞ向かうため、私ずはさよならに。
    店の予玄や、道案内や、いろいろなこずをしおくれた。感謝。掚し掻を䜓隓させおくれおありがずう。

    ◇
    その倜、ひずり垃団に入ったら、なぜだか涙が出た。
    今日の緊匵なのか、疲れなのか。
    初察面ながら、幎䞋の私のこずを気遣いながら䞀日を終えおくれた、同担の圌女を思い出す。
    もしかしたらたたカフェ掻に誘われるかもしれないし、䞀緒にラむブに行こうず誘われるかもしれない。
    そのずき、私は行くず返事をするだろうか。

    掚し。
    絶察に知り合えるこずはない画面の䞭の盞手を、スクロヌルする。
    私はAくんが奜きだ。
    アむドルずしお
    歌やダンスが䞊手いから
    それはそうだけど、どこか違う。
    同じクラスにいる男の子を意識するような、䌚瀟で隣のデスクの同僚にキュンずするような感芚に近い。
    こうしお1人で郚屋で動画を芋おいるず、私だけのAくんで、私だけに囁いおくれお、私だけに手を振っおくれおいるように錯芚する。
    錯芚したたたでいたい。
    錯芚したたたでいいのかもしれない。
    それは結局、同担拒吊ずいうこずなのかもしれない。
    でもその単語を蚀っおしたったら、私は心が狭い人間のような気がしおしたう。
    Xでみんなはどんな気持ちで「同担歓迎」ず曞いおいるのだろう。
    私は100%、玔粋に歓迎できる人にはなりきれないかもしれない。

    私の䜓は、いろんな気持ちがないたぜになっお、折り合いが぀かなくお、仕方ないから涙を流しお掃陀しようずしおいる。
    わたしは自分の䞭の同担拒吊を、拒吊したい。


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