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東京・輸入食材店ガイド 私的11選+2

    はじめに

    私は輸入食材店が好きだ。お店に入ったとたん、旅人の気分になる。用途がわからない食材、見慣れぬデザインのパッケージ。今あの人が慣れた手つきで3つ4つとカゴに入れたものはなんだろう?

    逆の立場の経験もある。海外のアジア食材店で「たらこスパゲッティの素」をまとめ買いしていたら、現地のご婦人がつられて買っていて笑ってしまった。ここは食欲とともに知的好奇心が刺激される場所なのだ。

    しかし最近、お気に入りのいくつかが閉店した。街で見かける外国人は増えているが、それとこれとは別のようだ。思えば、物流コストの高騰や経営管理ビザの厳格化が相当な影響を及ぼしているのかもしれない。

    そこで私は、変わりゆく東京、2026年の記録がてら、オススメの輸入食材店をまとめてみようと思った。入りやすさなどを加味した私的なセレクトだ。

    ヨーロッパ

    ザ・ブリティッシュショップ(イギリス)

    渋谷区渋谷1-14-9 渋谷駅から2分

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    お店は小さいがこだわりの品揃え。イギリスの空気感を再現すべく、あるべき商品は直輸入してでも仕入れる骨太な方針を感じる。物価の違いもあり、どうしても高価になってしまうものもあるが、ファンからすれば納得だろう。期待にしっかり応えていると思う。

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    他国の料理と比べ、単品ではなく組み合わせの中に美味しさを見出すイギリスの食文化は、不当に低い評価を受けがち。

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    今回購入したイギリス式ソーセージも抜群に美味しかった。ベイクドビーンズ(写真にある缶詰)やハッシュポテトと組み合わせれば、イングリッシュブレックファーストの完成だ。

    ミコンフィンランドショップ(フィンランド)

    葛飾区西新小岩 4-14-16 新小岩駅から10分

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    フィンランド料理店の一角で食材の販売もしている。本格的なシナモンロールに欠かせない粒の力ルダモンや名物のサルミアッキ、高い安全基準をクリアしたジャムなどごく少量の扱いながらどれも珍しく見応えがある。

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    今回はクノールが北欧で販売しているフィッシュスープの素を購入。ロヒケイット(サーモンのスープ)に使った。

    イータリー日本橋店(イタリア)

    日本橋三越本店新館 B1F 三越前駅から1分

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    イタリア発祥で世界展開をしている輸入食材店界の出世頭。以前は代官山や亀戸にあったが、今はここ日本橋三越などに5店舗のようだ。いつ来ても品揃えは圧巻。パスタはもちろん、本格カルボナーラに欠かせないグアンチャーレなど加工肉、乳製品のコーナーもすごい。

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    結局、この規模でできるのはイタリア食材だけだろうと痛感する。今回はオレッキエッテ、一口サイズのラザニアとアフリカのコーラナッツを使用した微炭酸コーラを購入。

    中南米

    キョウダイマーケット(中南米全般)

    品川区東五反田1-13-12 6F 五反田駅から2分

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    五反田にある南米の外交機関が集まったビルに入っている。スパイスや調味料、お菓子から生活用品まで販売している。テイクアウトできる食品はどれも美味しい。

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    さて、輸入食材店の楽しみ方はいろいろあるが、例えば、コーヒー大国ブラジルの一般家庭では、どんなコーヒーを飲んでいるんだろうと想像してみる。答えはこのお店にある。ブラジルでシェアNo.1のインスタントコーヒー「PILAO」の扱いがあるのだ。個人的には刺さらない味だったが、それを知ることが重要で楽しいのだ。

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    今回はペルーの黄唐辛子アヒアマリージョのペースト、ブラジルの国民食フェイジョアーダの缶詰、アルゼンチン発祥のチミチュリソースに使うスパイスを購入。

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    アヒアマリージョとペルー醤油(以前同店で購入)を使ってロモサルタードを作った。近年、グルメ的な評価が急上昇しているペルー。その名物のひとつ。

    東アジア

    華僑服務社(中国/台湾)

    新宿区百人町2-11-2 新大久保駅から1分

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    3フロアにまたがる巨大中華食材店。麺の種類だけでめまいがする凄まじい品揃え。巨大な冷凍コーナーもあれば、中国茶も豊富。その中から私のオススメは以下である。

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    まずは中国ハイテク農業の代表格、搾菜(ザーサイ)だ。現代ではこのパウチのパックが主流。日本で買ってもめちゃくちゃ安い。種類が多いが、まずはプレーンなタイプ=“清爽”がいい。ブランドなら「学生」「魚泉」、そして「烏江」でハズレなし。詳しくはこちらの記事に。

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    続いて、なぜか売っている板橋の四川料理店「香辣妹子」の自家製辣油だ。まずは麻婆豆腐にかけてみてほしい。

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    今回は茶葉蛋(チャーイエダン)の素を購入。台湾ではコンビニでも売っている味付け卵だ。殻を割ることでマーブル模様を作る。

    韓国広場プラス(韓国)

    新宿区百人町1-8-10 新大久保駅から4分

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    韓国食材店は昔から数も多く、身近に感じる輸入食材店かもしれない。しかし、近年の漬物に対する食品衛生法厳格化の影響で、道の駅などから手作り漬物が消えたタイミングで、手作りキムチを販売できるお店も激減した。そんな中、韓国広場は今でも自前の自家製キムチを売っている。製造元がイオタ(足立区)と書いてあるキムチがそれだ。中でもオススメは「白菜キムチ」と「手長タコ、イカ、チャンジャの3種盛り」である。

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    この記事のメインである輸入食材という面からも、私はこのお店の品揃えが好きだ。価格もライバル店よりやや安いものが多いと思う。

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    私はいつも、干し鱈を買う。それでプゴク(スープ)を作り、キムチと食べるのが至福だ。

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    ホヘト(韓国)

    新宿区百人町1-10-1 新大久保駅から4分

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    韓国の人気スナック菓子が揃うお店。お菓子に詳しくないのだが、見たことがないものばかりなので仕入れに工夫をしていそうだ。

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    ティニピンやサンリオのコラボ。写真を見返すだけでも楽しい。購入したのはこんな感じ。

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    左のチャパゲティ味のお菓子とか、気になる方も多いのでは?

    東南アジア/南アジア/中東

    やおしょー(アジア全般)

    墨田区錦糸1-6-8 錦糸町駅から5分

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    知らない人が見たら昔ながらの八百屋さん。じつはこの奥に神聖な空間が広がっている。

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    テンション上がる万国旗、ならぬアジア諸国の国旗。先程の野菜売り場は参道に過ぎず、本殿はこちらのアジア食材売り場である。

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    旧店舗時代も含め何度も来ているが、よくわからぬ食材ばかりで飽きない。

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    今回はインドネシアのインスタント調味料の大手「Bamboe ブランド」から、グライ(インドネシア風チキンカレー)をチョイスした。

    タイランド(タイ)

    墨田区錦糸3-7-5 錦糸町駅から5分

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    カジュアルなタイレストランと食材店がくっついた居心地のいいお店。カオマンガイに欠かせないタオチオなどの調味料、本格ガパオライスに必須のホーリーバジルなどのハーブが揃う。

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    この冷蔵コーナーでは、タイの小さいカニ、鴨の血、タガメなどが並ぶことも。買う予定はないが毎回チェックしてしまう。

    そう言えば、タイ料理には世界中のレストランで使われている定番の食器がある。「ブルー&ホワイト」と呼ばれるパイナップル柄のそれだ。こちらでも一部販売している。

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    この柄だ。今回はホーリーバジルを買ってガパオライスを盛り付けた。

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    あと、このエビがたっぷり練られたスナック菓子がかなり美味いのでぜひ。また1キロから買えるジャスミン米も便利でオススメ。

    アンビカショップ本店(インド)

    台東区蔵前3-19-2 蔵前駅から5分

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    日本でインド食品と言えばアンビカだ。全国の食材店へ卸をしているので有名だと思う。直営店はこちらと新大久保、あと西葛西のサニーモールというショッピングセンターに入居している。どの店舗も広く見やすい。

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    奥にあるのがオリジナル商品だ。日本で入手困難なスパイスも当たり前に揃っている。

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    すごいフォントでおすすめされているハーブやエスニック野菜も見逃せない。今回はカスリメティやメースなどディープなスパイスで香りを付けたビリヤニだ。

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    また、もしお菓子コーナーにParle G(パールG)があったら即ゲットをオススメする。イギリスから独立する際には愛国的アイコンにもなった国民的ビスケット。チャイに1秒漬けて食べてみて欲しい。

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    ダルビッシュ(イラン)

    中央区日本橋小伝馬町18-4 小伝馬町駅から5分

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    パフラヴィー朝時代の国旗がはためく店内。整然と並ぶイランと周辺国の食材を眺めていると、なにより平和であってほしいと思う。

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    私はイランほど香りにこだわる食文化は他にないと思う。ハーブを大量に使って香りを重ねたり、サフランを惜しみなく使ったり、食べて驚く料理が多い。

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    セイロン茶葉の大手AKBARがイランで販売しているこのアールグレイは本当に香りがよくてオススメ。

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    ほぼハーブの煮込み料理、イラン名物ゴルメサブズィのレトルト。お湯で15分温めるだけ。

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    また、人気のエジプト産デーツがこちらでも購入できる。やはり砂漠はドライフルーツに適しているのだろうか?レベルが違う美味しさだ。手作りの干し柿みたいな。

    番外編

    米海軍横須賀基地(アメリカ)

    神奈川県横須賀市 横須賀中央駅から徒歩15分

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    米海軍基地が年に1回、部分開放されるフレンドシップデーは、日本に輸入されない(できない?)アメリカ仕様のエナジードリンクやアイスキャンディ、お菓子などを購入するチャンスだ。

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    軍人さんの小さなブースが数十ヶ所あり、そこから買うのが基本。定番のTwinkiesを箱ごとゲット。アメリカ文化に興味がある人にはたまらないだろう。よく映画に出てくるやつだ。 

    キッチン・ガーデン(セレクトショップ)

    日比谷シャンテB1階 有楽町駅から5分

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    これぞ輸入食材店。広くはないけれど、ワクワクする品揃え。洋の東西を問わず良い品ばかり。セールコーナーも掘り出し物が多い。

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    こういうお店で買い物をしていると、よく食材が雑貨とか本とかCDとかに見えてくることがある。この缶詰、しばらく部屋に飾ってみたいなとか、知らないけどなんか良さそうだから試してみるかとか、出会うことで心が揺さぶられる瞬間がある。

    素敵なお店はまだまだあるが、今日はここまでにしよう。いつかまた変わった切り口で、輸入食材、輸入食材店について書けたらと思う。

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    自炊を入口に、気になる食の謎を追っています。『cookpad plus(クックパッド・プラス) 2026年秋号(扶桑社)』レシピ掲載。

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