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「技術コンサル型営業」の実践法-新規案件は訪問前に決まっている-特許を読み、製造プロセスを推定し、技術者とつながる


はじめに

この記事は、特に電子材料・機能性化学品などのBtoB高機能材料を扱う営業・技術者向けです。
私はこれまで大手化学メーカーにおいて、技術サービス担当として、顧客要求を製品へ落とし込むための構造企画・配合企画、開発プロジェクトのマネジメントに携わってきた。
また、営業部門への技術支援や、顧客との共同開発、デザインイン推進に向けた技術協議にも、実務の最前線で関わってきた。
その経験を通じて、強く感じていることがある。
それは、
「良い材料だから採用されるわけではない」
ということだ。
営業担当者は、どうしても自社製品の性能を説明したくなる。

  • 耐熱性が高い

  • 接着性が良い

  • 分散性に優れる

  • 低誘電特性がある

  • 導電性が高い

  • 環境対応が可能である

もちろん、これらは大切な情報である。
しかし、顧客が本当に知りたいのは、単に「性能が良いかどうか」ではない。
顧客が本当に気にしているのは、

  • 自社の製造プロセスで使えるのか

  • 現在の設備で使えるのか

  • 既存材料から置き換えられるのか

  • 品質保証上のリスクはないのか

  • 顧客製品の競争力向上につながるのか

  • 開発リソースを割くだけの価値があるのか

である。
営業側がいくら、
この材料を使えば性能が上がります
と説明しても、顧客側からすれば、
それで、うちの工程に入るのか?
それで、うちの製品にどんなメリットがあるのか?
その評価に開発リソースを割く意味はあるのか?
という話になる。
ここを理解しないまま製品説明をしても、新規案件にはなかなかつながらない。
私は、技術と営業の両方に関わる中で、新規案件の多くは訪問した瞬間に決まるのではなく、
訪問前の調査と仮説構築の段階で、かなり勝負が決まっている
と考えるようになった。
本記事では、私が新規顧客開拓や既存顧客の新規用途開拓で実践している、

  • 顧客製品の調査

  • 用途市場の理解

  • 特許解析

  • 製造プロセス推定

  • 技術課題の見極め

  • 自社製品の適用可能性判断

  • 発明者・技術者へのアプローチ

  • 面談獲得

  • データ要求への対応

  • 自社技術部門のリソース判断

までの一連の流れを整理してみたい。


免責事項・注意書き

本記事は、筆者のこれまでの実務経験に基づき、特殊化学品・電子材料・機能性材料分野における技術営業、顧客開拓、特許情報の活用方法について整理したものです。

記載している内容は、特定の企業、製品、技術、特許権、営業手法についての評価・推奨・保証を目的としたものではありません。また、記事内で触れている特許・論文・公開情報の活用方法は、あくまで営業活動や技術仮説構築における情報収集・思考整理の一例です。

実際に顧客企業へ連絡を行う場合や、特許情報・技術情報を活用する場合には、各社のコンプライアンス規程、秘密保持契約、知的財産権、競争法、社内ルール等を十分に確認した上で、適切にご判断ください。

また、本記事で紹介する方法を実践した場合でも、案件化、商談化、採用、売上増加などの成果を保証するものではありません。業界、製品、顧客企業、技術テーマ、自社のリソース状況によって、適用可否や成果は大きく異なります。

本記事の内容を参考にした営業活動、技術提案、顧客接触、社内外での意思決定については、読者ご自身の責任において実施いただきますようお願いいたします。


1. 新規案件開拓は「製品紹介」から始めない

 
 
化学業界で技術コンサル型営業を実践してきました。 化学・素材企業の技術・事業・企業戦略を、技術とビジネスの両面から分析。 ポリマー、接着剤、電池・半導体材料などを題材に、「なぜこの技術が必要なのか」「誰にどんな価値を生むのか」「どう事業につながるのか」を深掘りします。

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