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美輪さんと私

    美輪明宏さんが6月20日に亡くなられた。このnoteでは親しみとリスペクトを込めて美輪さんと呼ぶ。美輪さんと私の祖父は同い年だ。祖父は、美輪さんのような高尚な思想や深い愛を語る人ではないけれど、ありがたいことにまだまだ元気にしている。

    美輪さんが亡くなられたニュースを聞いたとき、私は実際にお会いしたことも、直接お話を聞いたこともないのに、ひどく悲しかった。

    母は長年の美輪さんファンで、家には美輪さんの著書がたくさんあった。『紫の履歴書』や『天声美語』は、装丁やフォントが独特で、母の本棚の中でもひときわ目立っていた。

    子どもの頃の私は、母がなぜそこまで美輪さんに惹かれるのか、よくわからなかった。1990年代にはすでに美輪さんは円熟期にあり、母はその思想や生き方に魅力を感じていたのだと思う。

    当時の私にとっての美輪さんは、DHCのCMに出ている謎の女性であり、もののけ姫でモロの君の声を担当している金髪のおじさん(?)でもあった。

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    ゼロイチニイゼロサンサンサンのキュウレイロク🎶
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    モロの君は美輪さんの声じゃないと閉まらない。

    映画『黒蜥蜴』を母と観たこともある。不気味で妖しい作品だったが、美輪さんは男性であるはずなのに、不思議なほど妖艶で、美しい女性に見えた。

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    その後、LGBT的な価値観が広まり、女装タレントやジェンダーの境界を越える表現者も数多く現れた。美川憲一、マツコ・デラックス、ミッツ・マングローブなど、さまざまな存在がいる。

    けれど、美輪さんほど圧倒的な美貌、思想、そして歌や表現の才能を兼ね備えた人は、やはり唯一無二だったと思う。時代の流れもあるのだろうが、アイデンティティそのものよりも、どこかビジネスとして「LGBTらしさ」を演じているように見える人が増えた、と感じることもある。

    高校生の頃、携帯の待ち受け画像を頻繁に変えていた時期があった。ちょうどその頃、「美輪さんの黄色い待ち受けにすると彼氏ができる」「願いが叶う」と話題になり、美輪さんの画像が大流行した。実際に願いが叶ったかどうかは、もう覚えていない。

    NHK紅白歌合戦で『ヨイトマケの唄』を聴いたときは、本当に身震いした。

    「ヨイトマケ」とは、炭鉱などで採掘作業などの重労働に従事する労働者を指す言葉に由来するとされる。過酷な肉体労働であり、当時は差別の対象にもなったらしい。長崎出身の美輪さんは、軍艦島や筑豊炭鉱の歴史を身近に感じていたのだろう。

    自分が母になった今、私も「子どものために働かねばならない」立場になった。

    それでも、自分の中の未熟で幼い部分が、虫のようにざわめく。最近は、「自己実現」や「働きがい」ばかり考えていた。

    けれど、子どもたちにご飯を食べさせ、いずれ高校や大学へ進ませ、好きな道を選べるようにするためには、まず親が働かなければならない。

    もちろん、毎日やりがいに満ち、楽しく働けるなら、それはとても幸せなことだ。そんな働き方ができたら理想だと思う。

    それでも『ヨイトマケの唄』を聴くと、自分の幼稚さを思い知らされる。

    最近ハマっているゆとりくん(片石貴展)が、「これからは愛の時代」と言っていた。その言葉はいまひとつ実感として掴めなかったけれど、美輪さんもRed Chairの動画のなかで「愛はこの世の通行手形」と語っていた。

    私自身、毎日Instagram、ショート動画、YouTubeのような、瞬間的に脳を喜ばせるものに時間を使いがちだ。振り返れば、身近な人に愛を伝えること、誰かから受け取っている愛に気づいて、感謝することは、思った以上に少なかった。

    美輪さんが遺した言葉を思い返すたびに、愛とは観念ではなく、日々の小さな実践である。意識をしないと愛を忘れてしまう。愛を忘れた日々は、誰かを羨んだり妬むだけの、つまらない日々になってしまうのかもしれないと思った。

     
     
    ハマッコの時短ワーママです。 (当サイトは、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。)

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