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Photo bykitashige5940

お江戞たで、ちょっずお宝探しに吉穂堂×萜語×珟代矎術×民藝のぜいたくざんたい旅じたく篇

    朝野にわ

    10月だずいうのに、倏日になるずの予報にくらくらした10月19日。
    須磚からお江戞・東京たでおのがり行脚に旅立ちたした。

    そもそもは、林家あんこ垫匠の創䜜萜語『北斎の嚘』の公挔を拝聎したいずいう䞀幎越しの想いもはや恋からでした。


    創䜜萜語『北斎の嚘』に぀いお知ったのは、昚秋のこず。
    いぬいさんの蚘事のトップ画像に、たさに目が釘付けになりたした。
    「釘付け」っお、ある意味怖い衚珟だず思っおいたのですが。こんなずきのためにあったのですね

    ずいうのも、偶然にも朝井たかお氏の『眩』を読了した矢先だったのです。


    恥ずかしながら浅孊にしお、北斎に絵垫ずなった嚘がいるこずも、その嚘が『吉原栌子先之図』ずいうレンブラントの『倜譊』ず䞊び称される肉筆画を描いおいたこずも知りたせんでした。曞店で平積みにされおいた『眩』の衚玙の絵に、くらくらず惑わされ手が䌞びおいたした。ひず目で、『吉原栌子先之図』ず葛食応為の虜になっおしたったのです。

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    葛食応為『吉原栌子先之図』倪田蚘念矎術通所蔵倪田蚘念矎術通HPより借甚

    西掋絵画に比べるず、浮䞖絵や日本画は倚分にデザむン的だず個人的に思っおいたす。それでも、こんなふうに光ず圱を、いいえ、闇を効果的にデザむンした日本画を芋たこずがありたせんでした。もちろん、版画ずは異なる肉筆画ですから、浮䞖絵ではありたせん。にしおも。父の北斎の画颚ずも、狩野掟の日本画ずも、䞀線を画す――「この絵は、なんだ」ず。

    北斎の有名な『神奈川沖浪裏』も非垞にデザむン的な絵ですが、構図の奇抜さに尜きたす。すばらしい着想ず芖点ですし、北斎の倩才性がいかんなく発揮されおいたす。ですが、芋方を倉えれば、構図の奇抜さで芋る者を圧倒するにすぎたせん。矎術評論家でもないのに、゚ラ゜ヌですみたせん

    かたや、応為の『吉原栌子先之図』は寓意ず含意に満ちおいたす。
    西掋絵画のような肉感的な䜓枩はなく、静かなのにずおも饒舌です。
    栌子の向こう、光に浮かびあがる艶やかな女郎や花魁。けれども、圌女たちの隣にあるのは闇。光は䞀瞬の幻でしかないのだず、無蚀の寓意を぀き぀ける。光をあびおいる座敷偎は、栌子に囲われ出るこずのかなわぬ苊界であり、栌子のこちらの闇の偎にこそ自由があるのだずいうアむロニヌ。提灯や行灯が攟぀光の茪の真䞋には圱がある。北斎ずいう光の傍らで、陰に甘んじた応為の心のうちたで暗瀺しおいるようです。なんず蚀葉に出せない倚くのこずを語っおいる絵でしょうか。
    けれども、そうした含意があるこずをひけらかさない粋は、恬淡ずしたデザむン的な画颚にあるのでしょう。


    「この䞖は、円ず線でできおいる。」

    『眩』の冒頭の䞀句です。
    倩才絵垫、葛食北斎を父にも぀応為の物語は、北斎の胡坐の䞭に抱えられ、父が描く筆の先を芋぀める幌子の描写からはじたりたす。
    もちろん『眩』は、朝井たかお氏が創り出した䞖界です。
    林家あんこ垫匠の創䜜萜語『北斎の嚘』は、䞻人公は同じお栄応為でも、たったく別の創䜜であっお、比べるものでも、比べおよいものでもありたせん。それがどんなに䞍遜なこずであるかも、十二分にわかっおいたす。
    けれども、小説でならいくらでも頁を尜くしお語り぀くせる悲喜こもごもを、たった二時間の萜語公挔にどのようにしおたずめられおいるのか。
    創䜜たがいのこずを曞き散らしあがいおいる身ずしお、その秘蚣を知りたいずいう気持ちを抌さえるこずができたせんでした。本圓に䞍遜ですよね。
    あんこ垫匠、すみたせん。心より深謝いたしたす
    でも、ですね。歌舞䌎やお芝居であれば、たずえ二時間の公挔であっおも、耇数の登堎人物によっお描き出すこずもできるでしょう。珟代劇には䞀人芝居もありたすが、それでも舞台挔出があり、俳優は動き回るこずもできる。
    高座に座ったたたで、たった䞀人が語る萜語で、小道具も手ぬぐいず扇子だけで、どうやっおあの䞖界を描くのか。それが知りたかった。
    浮䞖絵や日本画が、西掋絵画のような遠近法や写実を攟棄し、デフォルメされた線だけで艶ず奥行きず抒情を描き出すように。

    萜語は「円ず線」の芝居ずいえるのではないでしょうか。

    林家あんこ垫匠が「円ず線」だけで語る応為の物語。
    それは、期埅をはるかに超えた䞖界でした。


    ひずたず、長くなったので、今日はここたで。
    旅の顛末は、たた、明日にでも。




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    「島田荘叞遞 第18回ばらのたち犏山ミステリヌ文孊新人賞」受賞。 2026幎3月11日に光文瀟より譊察小説『腐芯』を出版したした。

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