
番外編(第12.5話)『生まれきてくれて、ありがとう』
〜ひとりじゃない〜
夫と出会ってから20年以上になりますが、
夫から言われた言葉の中で、
1番嬉しかったのが、これでした。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
私事ですが、幼い頃から家庭環境に恵まれず、
親の愛も知らず、経済的困窮と、度重なる転校で、
いつもさみしい思いを抱えて育ちました。
大人になってからも、
がむしゃらに仕事をして
ようやく人並みに暮らせるかと思った頃、
難病を発症。一生治らないとお医者さんに言われました。
そんな私の、その苦しい経験が、
完璧に伏線回収された瞬間でした。
山へ移住する前に、難病を克服できたのも、
夫がいてくれたからだと思っています。
今回は、物語の途中に置いておきたかった、
番外編のような一話です。
これまでも、先の見えない不安の中で、
私たちは何度も立ち止まりました。
それでも、ひとりぼっちにはしない。
ふたりなら、何とかなる形を探していける。
今日を少しでも笑って終えられるようにしたい。
それがあの日、
私があらためて決めたことでした。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
「出会ってくれて、ありがとう」
その言葉をもらった私が、
今度は夫に返していきたい。
まだまだ大変なことは続くけれど、
私たちなりの形で、これからも進んでいきます。
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