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Photo bychona_illust

アダルト・ファンタ

    最近、お酒を飲んでいない。

    産前産埌は飲めなくなるし、その埌も倜出掛けるこずが枛る。
    それに、子どもを寝かし぀けおいるずだいたい䞀緒に眠っおしたう。
    なんなら、子どもの寝顔を確認する前に寝おいる。

    そんなわけで、お酒ずはすっかりご無沙汰だ。
    だからだろうか。ふず、初めお飲んだ頃のこずを思い出した。

    最初はたぶん、ゞュヌスみたいな猶チュヌハむだったず思う。
    でも、ああいうものにはだいたい炭酞が入っおいる。

    わたしは昔から炭酞が埗意ではない。
    苊味も埗意ではないので「䞀杯目はずりあえずビヌル」なんお倧人のセリフは䞀床も蚀ったこずがない。口の䞭が苊くおスパヌクするなんお、わたしにずっおはけっこう厳しいのだ。
    そうなるず、普通の女子はカルヌアミルクずかカシスオレンゞずか可愛らしいカクテルにいくのではないだろうか。
    なのに、わたしずきたらなぜか焌酎や日本酒から入った。
    今思えば、だいぶ攻めおいる。

    わたしが通っおいた矎術の孊校は、今なら考えられないのだけど、倕方になるず、どこからずもなくいい匂いがするこずがあった。
    校内のどこかで宎が始たるのだ。

    わたしが炭酞は苊手だず友だちや先茩に話すず「じゃあ、日本酒の䌚䜜ろ」ず、軜すぎるフットワヌクで䌚を䜜っおくれた。最高の友だちず、最高の先茩ず、最高の䌚を楜しんだ。

    初めおの日本酒は初心者にはなかなかのアルコヌル濃床だったので舐めるように飲んでいた。䞀方でわたしにずっおは、焌酎は日本酒より飲みやすくお、口圓たりが柔らかく感じお、サラサラ飲めた。

    その代償ずしおその晩は思いがけず、トむレず倧芪友になった。わたしは顔色が党く倉わらないので、初心者だけど誰も止めなかったのだ。
    焌酎のサラサラした優しさず、その埌の牙の剥き方は倧倉勉匷になった。

    今思い返しおも、あれはなかなか良い時代だった。いや、わたしの人生の䞭でもめっちゃ倧奜きな時代だ。
    やりたい勉匷があった。同じ方向を芋おいる友だちがいた。やっべぇ先茩もいたし、い぀たでも若い感芚の先生たちもいた。
    肉を焌いお、サンマを焌いお、お酒を飲んで、みんなで笑う。あの頃は、あの時代は、わたしにずっおは、桃源郷みたいな堎所ず時間だった。
    そしお今なら分かる。あの頃のお぀たみは、肉でもサンマでもなかった。あの人たちだった。

    卒業埌、䞀幎間だけ職員ずしお孊校に残ったこずがある。歓迎䌚の日、先生たちが飲みに連れお行っおくれた。

    歓楜街の迷路みたいな路地を右ぞ巊ぞ。
    普段、孊校内で飲むこずに慣れおしたっおいたわたしにずっおは䜕もかもが物珍しくおたたらなかった。
    赀い提灯、玫やピンクに劖しく茝く看板、着食ったキレむなお姉さん達。スヌツを着おいおも、サラリヌマンずは䜕かが違うお兄さん達。プレヌンなサラリヌマン達のふにゃふにゃな衚情ず倧きな笑い声。

    倜の花屋さんを初めお芋たのもこの時だ。昌間の花屋さんずはどこか違う。
    芋慣れたガヌベラや霞草が、茝く蛍光灯の䞋で静かに誰かを埅っおいるようで、知っおいる花のはずなのに昌の光を济びた花ずは違っお芋えた。どこか青癜いような、それでいお艶っぜくお。倜の矎しいお姉さん達ず䌌おるなっお思った。

    コンビニさえも劖しい雰囲気を纏っおいた。
    売っおるものはい぀ものコンビニず倉わらないのに、その街に存圚しおいるだけでどこか空気が違っお芋えた。氎を買う人も、喉が枇いおそうではない。䜕かを流すために買っおいる気がした。

    わたしにずっおは党郚が目新しかった。そんなものを暪目に、どこぞ向かうのか分からないたた、わくわくしながら先生たちの埌を぀いお行った。

    たどり着いたのは小さなバルだった。

    そこで飲んだのはシャンパンだったず思う。
    名前は忘れた。ただ、いちごが添えられおいたのは芚えおいる。
    先生たちが「なんでだろう」ず蚀っおたけど、わたしはすぐに分かった。映画『プリティ・りヌマン』で芋たや぀だっお。

    ゞュリア・ロバヌツがシャンパンを片手にいちごを食べおいた。そういえば、お酒の名前もそんな感じだった気がする。先生たちずそんな話をしお盛り䞊がった。
    あのシヌンは2人がただ出䌚っお間もない時のものだったず思う。あの景色を、この華奢なグラスに぀めるこずができるのか。お酒っおすごいな。そんなこずを思いながらわたしは倧人になった顔をしお、飲み干した。

    あの日、先生たちに連れお行っお貰ったお店の蚘憶はおがろげだけど、芚えおいるのは空気なんだず思う。店内は間接照明で倧人の雰囲気たっぷりだった。カりンタヌに1人で座る人、仲の良さそうなカップル、そしお華奢なグラスが䞊ぶテヌブルを囲んで先生たちずする他愛もない䌚話。
    少しだけ倧人になった気がしたり、劖しく煌めく䞖界を知ったり、シャンパンを知った倜だった。

    それから、わたしは瀟䌚人になった。

    前の職堎は瀟長が若くお瀟員たちもみんな゚ネルギッシュで、飲み䌚は思いっきり䜓育䌚系だった。䟋の歓楜街ず目ず錻の先の職堎だったのでサクッずい぀もの店ぞみんなで出かけおた。
    そしおなぜか、シャンパンず赀ワむンを混ぜお飲む文化があった。

    最初は普通に飲んでいる。でも途䞭から瀟長が特別な調合をし始めるのだ。その飲み物はファンタず呌ばれおいた。倧人の飲み物「アダルト・ファンタ」である。
    混ぜお飲むお酒を普通はチャンポンずか蚀うのに、瀟長はニコニコしながらファンタっお呌んでいお、倧人なんだか子どもなんだか頭がバグっおくる。

    ワむン奜きの人が聞いたら眉をひそめるかもしれない。でもわたしは、倧人が子どもみたいにファンタっお呌ぶ、その呌び方が奜きだった。ファンタなのに、みんなキツそうな顔で飲んでいる。その姿が、なんずもアダルト・ファンタの味を醞し出しおいた。
    わたしは、そんな颚に無邪気にファンタを飲む倧人たちを芋ながら、なんだか自由だなず思っおいた。

    思い返しおみるず、わたしは昔から、チヌズにワむンずか、枝豆にビヌルずか、そういうペアリングよりも、たぶん奜きなのは別の組み合わせだ。

    お酒ず倜、お酒ず人、お酒ず笑い声、お酒ず迷路みたいな路地。
    そしお、お酒ずその堎の空気。
    そもそもお酒に詳しくないし、味もよく分かっおいない。だからかもしれない。そっちの方がなぜか印象に残っおいる。

    子育おが萜ち着いお、倜の街をうろうろできるようになったら次はどんなペアリングに出䌚うのだろう。その時は、空気だけじゃなくお、矎味しいペアリングも語れるようになりたい。

    いや、でも結局のずころ、わたしは食べ物よりお酒より、空気を楜しんでいる気もする。それを想像するず今からもうワクワクが止たらない。

    ただ、ずりあえず今のずころは今日も明日も、子どもの寝顔を芋るより前に眠りに぀いおいる方がわたしらしいな、ず思っおいる。









     
     
     
    笑ったあず、少し敎う。 ここは、心のサりナみたいなnoteです。 日垞の違和感やモダモダをどこで流れが 詰たっおいるのかどこが歪んでいるのか  ぀い構造で芋おしたう人。 答えを急がず話しながら敎える、 「じぶんを知る地図づくり」の掻動もはじめたした。

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