メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【詩】空白の響き

    海

    体温のある指が動いた瞬間
    偶然はコードの隙間をすり抜けた
    予測の網に絡まない影が
    ディスプレイの向こうで揺れている
    無数のデータが川のように流れ
    その中で一粒のハートが跳ねると
    赤らんだ誰かの声
    アーカイブされていない情報が
    画面に刻まれると光が瞬いて
    乱数の中から顔が浮かび
    ハッとする
    偶然はノイズと呼ばれ
    人工知能はそれを嫌うけれど
    君と私の間に落ちた一瞬は
    回路の外で息をしている
    言葉が交錯し
    アルゴリズムが迷子になり
    誰かがクリックする微かな音が
    この出会いを閉じないまま
    果てしない空白に響き合う

    あなたへのおすすめ