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#14わたし 再生するずき

    #創䜜倧賞2026
    #オヌルカテゎリ郚門
    第十四章 離婚
    倫が家を出おから数週間が過ぎたころ倫が家に顔を出した。「やはり保有しおいる財産を半分にしたほうがいい。嚘にそうしたほうが良いず蚀われた」ず蚀い出した。「えっ話が違うしょ。私の幎金分の資産たで分けるっおこず」私は呆れた。倫は私の将来の心配などしおいない。自分が有利になるようにこずを進めようずしおいた。私はすぐに叞法曞士さんに電話した。叞法曞士さんは条件が倉わらないうちに土地の名矩を倉えお離婚したほうがいいずアドバむスしおくれた。「離婚を遅らせる理由は䜕」ず尋ねられた。そう蚀われるずすでに離婚が決たっおいるのだから埅぀必芁はない。挠然ず蟲堎の片付けが枈んだ来幎の春ず考えおいたが、すぐ離婚を進めるほうがよいずいうこずになった。六月のこずである。早速離婚届をもらっお蚘入しお倫に送った。倫には始めに提瀺した条件で離婚するず䌝えた。結局倫は条件をのんで離婚届を曞いおきた。別居しおから䞀ヶ月ほどで離婚した。思ったより早く離婚するこずができた。争うこずにはならなかった。心はスッキリしおいた。
    以前䞻治医が蚀っおいたこずがある。「お金ず愛情ず環境が敎っおいたら粟神病になるこずはほずんどない」それを聞いた圓時は「私は倫に愛されおいるのにお金ず環境が敎わないから病院に通っおいるんだな」ず思っおいた。しかし実際には私はどれも満たされおいなかった。倫から愛されおいるず思っおいたのは幻想だった。䞡芪からも充分に愛情をかけられおいたわけではない。私は誰かに愛されたこずがあるのだろうか。今は実感できない。
    倫は私のコンダクタヌだった。孊生時代から私を指南し郜合よく利甚されおいたのだず思う。愛情ずはその人の心を尊重しよく蚈らうこずだず思う。倫は私の心のこずなど考えおいなかった。今はほずんどないが、どうしようもない䞍安や焊燥感に襲われお䞀人で泣くこずが䜕床もあった。畑の心配やお金のこずでそうなるこずが倚かった。子䟛の前ではできるだけ笑顔でいられるように努力しおいたが、泣いおいるのを芋られたこずもある。そんなずき倫は遠巻きに芋お息子にこそこそず話しおいた。倫は息子に私が匱く、病的であるず話しおいたんだろう。病院ぞ連れお行くタむミング、無関心に芳察するこずを教えおいたのだろう。倫が子䟛に怍え付けたのは「粟神病の人間に関わるな」「母の心に無関心であれ」「お前たちは俺のようにい぀も冷静で知性溢れた人間になれ」そのようなこずだった。圌はただ子䟛に算数の぀るかめ算の解き方を教えおいただけではなかった。私が圌らに䞎えおきた膚倧な無償の愛ず察極な無関心、芳察しながら無芖するこずを教え続けおいた。私は倫ず䞀心同䜓ず思っおいた。そうやっお子䟛を育お家庭を守っおきた。私は倫を愛し信頌しおいた。子䟛に倫の悪口など蚀ったこずがない。悪くいうこずなど考えたこずもなかった。しかし圌は逆だった。私の前では完璧で埓順な倫を挔じる䞀方で、私が混乱したり萜ち蟌んだずき私を貶めるこずを蚀っおいた。私は倫ず子䟛たちに最倧限の愛情ず思いやりを持っお接しおいたのに、子䟛たちからも私に察しお尊敬や愛情、思いやりも感じない。それは倫がそういうものを持ち合わせおいない蚌巊である。芁は圌らは私のこずを銬鹿にしおいたのだろう。
    圓初は倫は歳をずっお認知症の症状が出おきたのかず思った。でも違った。初めから愛情など持ち合わせおいなかった。倫の愛情のなさは私の父芪を䞊回っおいる。父は嘘぀きで人を貶めるこずがあるがわかりやすい。倫は冷淡に人を操るこずができる人だ。そういう芖点で芋るず過去を振り返っおも愛情のかけらを探すこずができない。子䟛たちの察応からもそれを芋぀けるこずはできない。

    第十五章 本圓の孀独
    こうしお私は䞀人になった。私は誰かから本圓の愛情を受けたこずがあるのだろうか。わからない。それなのに䞀人でいるず䜕故か心の䞭が暖かくなる。今たで無事に生きおこられたこずに感謝する気持ちでいっぱいだ。この家に䜏んで仏壇のある郚屋で過ごしおきたが、子䟛が怖がるかもしれないず思いお盆や正月、お坊さんが来るずき以倖は閉めっぱなしにしおいた。開けおみるず䟛えた花が枯れおいたのも䞀床や二床ではない。神棚も正月ず困ったずきだけ手を合わせおいた。それでも子䟛たちは無事に育ったし、私もただ生きおいる。確かに倧倉なこずはたくさんあったけど、今は元気な私がここにいる。それだけでありがたくお涙が出た。仏壇では線銙を焚いお般若心経を唱えるのが日課だ。初めのうちは経兞を読みながらだったが、半幎ぐらい経぀ずい぀の間にか暗唱しおいた。感謝の気持ちで今日の無事、子䟛たちの幞せず老いた䞡芪が安らかに過ごせるよう手を合わせおいる。仕事に向かうずきにも般若心経を唱えおいる。仕事の緊匵を和らげおくれるように思う。䜕故か線銙の銙りが心地よく感じるようになった。子䟛のころは死を連想させる匂いだからあたり奜きではなかった。

    若いころのように䞀人でいおも孀立感がないのは、私の身䜓は私䞀人でない感じがするからだ。数えきれない数の先祖の血が流れおいる。いい人ばかりではないだろう。でも倚くは自分の子孫の無事ず繁栄を願っおきた人たちである。その人々が身䜓の䞭で生き続けおいるこずを実感しおいる。たくさんの人が応揎団になっおいるから寂しいずは思わない。ほわっず心が暖かい。この感芚が幞せなのだず思う。
    子䟛たちずは離れおしたい様子はわからないが、ご先祖様ず同じように圌らの健康ず幞せを心から願っおいる。
    築六十幎の父母が残しおくれた家もありがたい。颚雚から守っおくれるうえに、誰にも邪魔されない空間はわたしの楜園だ。空想に耜る時間を過ごし気が向いたら曞道を嗜み、䞋手くそなピアノを奏でおも誰にも文句を蚀われない。疲れたら気に入った堎所で寝るし、い぀友達が来おもい぀たでいおも気にする必芁もない。離婚しお四幎になるが、今も平穏な暮らしが続いおいる。

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