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田舎者が東京駅の歩き方を見出す

    東京駅はマスゲームみたいだ。人々は目的地へ止まることなく颯爽と歩き、不思議とぶつかることもなく行き交う。私のような慣れない者が構内で迷い立ち止まると、集団演技の連帯感が崩れ、すぐ後方で歩いていたビジネスマン達のフォーメーションを邪魔してしまい、白い目で見られ、東京駅構内では出来の悪い者として扱われる。それはともかく、良い意味で東京駅のマスゲームは美しいと感じる。

    東京駅は多くの路線が交わっており、それに伴い多くの案内板が設置されている。さらに、親切に地面にも特定の路線へ導いてくれる案内が記されているのだが、ラッシュ時は特に人の密度が高いため、この足元の案内に気付けない時もある。

    半年以上前から時々東京駅を利用する身になったが、今でも慣れない所に行こうとすると迷ってしまう。現時点では、特定の線路へ乗り換えをする時のルートしか攻略できていない。そこで、せめて攻略できたルートだけでも、私はマスゲームの一員となるべくフォーメーションを崩さない歩き方を自然と見出すことができた。

    まず、周りの人を観察する。出張ではなく、普段から東京駅を利用しているであろうビジネスマンを探す。そして、その人のすぐ後ろを同じスピードで歩き付いていく。出来ればそのビジネスマンはなるべく体の大きな人が良い。そうすれば他の利用客の肩やスーツケースにぶつかる可能性が限りなく低くなり、ノンストレスで構内を歩くことが出来る。もし私を先導してくれたビジネスマンの行く先が別路線であれば、脳内でそっとお礼を言い、すぐさま乗り換えをする。こんなに多くの人がいるのだから、乗り換えは容易い。

    東京駅は非常に大きな駅であり、あらゆる人々が行き交うのにも関わらず、肌感覚だが構内の利用客同士のトラブルも相対的にあまりないように感じるのは、協調性や集団行動を重要視してきた日本の賜物の一つではないかと感じる。そしてマスゲームの優秀な一員になろうと構内を歩こうとしている私もまた、日本教育の影響をまともに受けているのだなと実感した。それにしても、東京駅を攻略するにはまだまだ時間がかかりそうだ。


     
     
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