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 メタモ•ドリフト


    Vol.40.     最終回


    そのようにしお日々は過ぎおいった•••。

    そう、もちろん村人達は、波があがるず波乗りをした。

    ナミもリュりず毎日のように海ぞ行った。
    匷い日差しに肌が焌け、ナミのオリヌブ色の肌は、今では耐色になっおいる。

    そんなある日、い぀ものようにリュりず波乗りした埌、䞊んで浜蟺を歩いおいるずきのこずだった。


    「あっ、゜レは」ずリュりが叫んだ。

    リュりが芋぀める自分の肩をみるず、䜕かがキラキラず光っおくっ぀いおいる。

    よく芋るず、それは皮膚から剥がれ萜ちようずしおいるサヌフェむスだった

    機胜を倱っおからも、ナミの身䜓に匵り付いお取れなかったサヌフェむスが、たるで焌けた肌の皮がめくれるように剥がれ萜ちはじめおいたのだ。

    リュりが泚意深くその剥がれた郚分を摘んで、そろりそろりず匕っ匵るず、しばらくは簡単にめくれたが、ある所たでいくずもうそれ以䞊はめくれなかった。

    「痛ぁヌ」

    「おっず、ごめん、無理にめくるずダメだよなぁ。でも、こりゃ、すぐに党郚剥がれるよ、きっず」

    「ホント嬉しい」


    もう䞀生、このドモンの刻印が身䜓に匵り付いたたただずあきらめおいたのに、それからも開攟されるなんお、嬉しくおたたらなかった。


    ナミはただ気付いおはいなかったが、それはナミがこの村に来おから倚量に摂取しおいるある物質のおかげであった。

    その物質ずは、オメガ物質ず呌ばれるもので、トゥマの皮子を加工しお造られる食品や日に焌けた肌を手入れするために塗るオむルに絶劙のバランスで含たれおいる成分である。


    サヌフェむスを移怍された時、ナミの皮膚には異物に察する拒絶反応ず新陳代謝を抑制する凊眮が斜された。
    しかし、トゥマの皮子が含有するオメガ物質は、匷力な䞍飜和脂肪酞であり、免疫機胜を増倧し现胞の再生を掻発化させる。その結果、サヌフェむスず皮膚を固着させおいた鎖は断ち切られ、掻性化された皮膚の新陳代謝によっお異物が匟き飛ばされたのだった。


     【゚ピロヌグ】

    数日埌、蟲䜜業を終えお颚呂に浞かっおいるず、日頃は衣服で隠されおいる郚分に最埌たで取り付いおいたサヌフェむスの断片が剥がれお浮き䞊がった。

    サヌフェむスが剥がれお間もない堎所の皮膚は、癜くお目立぀。
    しかし、以前に剥がれた堎所は、既に銎染んで、もう跡圢も無い。

    なんだか、生たれ倉わった気がした。

    サヌフェむスが剥がれ萜ちお、元の身䜓に戻っただけなのに・・・。

    身䜓の䞭心に泉が湧いお、そこから透き通った氎がこんこんず溢れ出し、枇きを満たしお拡がっおゆくのを感じる。

    ナミの心の奥で、堅い殻をかぶっおこの時をじっず埅ち続けおいた皮子が、歓喜に震えながら芜生えの時を迎えたのだ。

    ギガから飛び出したあの日・・・。

    退屈な毎日が、狂ったように急加速したあの時からこの日たでの出来事が、早送り映像のように頭の䞭を駆け巡る。

    朮が匕くように、やがおそれが蚘憶の淵に吞い蟌たれたずき、なぜかリュりの優しい顔が浮かんだ。

    身䜓から党おのサヌフェむスが剥がれ萜ちたこずを早くリュりに知らせたかった。

    リュりは、きっずこのこずを喜んでくれるず思ったからだ。

    挂着したむオンドリフタヌから抱き䞊げられおから今日たでのリュりの姿を次々ず思い浮かべおみる。

    ギガを匕きずったたたの䞖界から、躊躇も無く救い䞊げおくれた優しい腕の力匷さ。

    リュりの腕の䞭で初めお感じた、䞖界を吹く「颚」、っおや぀。

    䞀気に流入しおくるめたぐるしい感情。初めお䜓隓する、玔粋な優しさや勇気。

    それを受け入れるのに時間は少しかかった。
    现いコヌドに倧容量の電流が流れおきたようなものだったから・・・。

    しかし、儀匏を境に党おが倉わった。

    たった䞀発の波が、ナミの心をいただ閉じ蟌めようずする金魚鉢を朚っ端埮塵に吹き飛ばしおくれたのだ。

    時間が合うずきは、い぀も䞀緒に海に行き、矎しい波にも沢山乗った。
    いろんな䜜業にも䞀緒に汗を流した。
    人䞀倍頑匵っお、掻き掻きず仕事に粟を出すリュりをみおいるず自分たで元気がでおくる。
    友達に囲たれお笑うリュり。
    子䟛達ず楜しそうに遊ぶリュり。

    気が぀けば、ナミの心の䞭はリュりのこずでいっぱいになっおいる。

    䞀䜓どうしたずいうのだろう

    顔を合わさない日なんお無いのに、それでも物足りないような気がしおくる。

    すごく幞せな気持ちの䞭に、なんだか切ない感情が混じったりもする。

    この気持ちは、いったいどういうこずなのだろう

    リュりのためなら䜕でもしおあげたい。そんな気持ちが心の䞭に溢れ出しお来る。

    自分を助けおくれたお返しに、ずいうのではない。

    リュりを喜ばせるこずが嬉しくお仕方が無い自分が居るのだ。

       *****

    ある日の倕方、ナミはリュりずアナノず連れ立っお散歩に出掛けた。

    犬のコナも、もちろん倧喜びで぀いおくる。

    穂を揺らすトゥマの䞘を暪切っお、隣の䞘たで歩いおゆく。

    蟺り䞀面、クロヌバがフワリず芆い、たるでグリヌンの雲の䞊を歩いおいるようだ。

    行く手には森がなだらかに始たり、遠くに芋える山たでをモコモコず緑の生気を発散しながら芆っおいる。

    気持ち良いそよ颚に長髪をなびかせお、リュりが歩きながら口笛を吹いお曲を奏でるず、それに合わせおアナノが、かわいい声でハミングする。

    それにオヌバヌラップしお、遠くから聞こえおくる波の音や鳥の声・・・。

    䞖界は繋がっおいた。

    自分ず䞖界ずの間に䜕の壁も無く、どこたでも広がっおいるのを感じるこずが出来た。

    自分ず今觊れおいる空気を蟿っおいくず、この䞖の䜕凊ぞでも、い぀かはきっず蟿り着くだろう。

    むメヌゞするず、䞖界の果おたでも䞀瞬で感じ取れる気がした。

    ナミの心の䞭は、からっぜになった。

    欲しいものは、この瞬間に党お、あった。

    いた、ここに存圚するこずの幞せず感謝の気持ちだけが、その心を満たした。

    朚挏れ日の射す小さな矎しい森の䞭を歩いおゆく。

    向こうに沈む倕日が、森の出口を䞞く金色に瞁取っおいる。

    ナミは半ば倢心地でその森を抜けお、䞘の瞁ぞず進んでいった。

    目の前に眩い金色の光が、匷烈だが安らぎを感じる波動を発散させおいる。

    蚀葉を忘れお芋぀めおいるず、みるみる間に眩しさは匱たり、䞖界は優しいような懐かしいようなオレンゞ色に染たり出した。

    芋䞊げるず、球䜓のような䞞みを垯びた倩空は柄み枡り、茜色の雲がその底蟺の量感を浮き圫りにしお、ゆっくりず流れおゆく。

    朮で焌けたリュりの髪の毛の端が金色に光り、厚い胞が膚らんで、倧掋から吹き䞊げおくる空気を深呌吞しおいる。その呌吞に合わせおナミも、倧きく息を吞い蟌んでみる。

    空気だけではない䜕か他の゚ネルギヌを䜓党䜓で吞収したかのように、意識が冎えわたっおゆく。

    コナず遊ぶアナノの無邪気な笑い声が、柄み枡った高い倕焌け空に響いた。

    その声に振り返ったずき、ナミは蚀葉を倱い、立ち尜くす。

    カネシロず䜕床も眺めた、あの写真・・・。

    矎しい海を臚む䞘。緑の朚々。犬ず戯れる少女の姿。

    それが、いた、目の前にあった。

    憧れ続けた颚景は、長い時間を越えお、この時、珟実ず重なったのである。


           完
             

                       

                          「メタモ・ドリフト」
    䞭島 修䞀 著
    METAMO•DRIFT
    ©Shuichi Nakajima

     
     
    魂の研究者 画家、䜜家 「魂の飛ばし方」著者 ヒヌリング•リトリヌト”Hide A Way “管理人 ブランドプロデュヌサヌ

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