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Discovering the Real D.C. (Part 1)

    秋休みにWashington, D.C.に1泊2日の弾丸旅行に行ってきました。アメリカの政治の中心地であり、数多くの歴史的建造物や博物館が立ち並ぶこの地は、ぜひともアメリカ滞在中に訪れたい場所の一つでした。とても良い体験ができたので、みなさんにシェアしたいと思います。

    ご存じの方も多いと思いますが、簡単な基本情報から書きます。Washington, D.C.は通称で、正式名称はDistrict of Columbia(「コロンビア特別区」)といいます。いわゆる「州」ではなく、米国連邦政府の首都として特別に設置された「連邦直轄地」です。連邦首都として設置されたのは1790年で、1800年にPhiladelphiaから政府機能が移転しました。メリーランド州とバージニア州の間に位置しており、僕が滞在しているPhiladelphiaからはAmtrakという特急電車で2時間ほどです。

    ①連邦議会議事堂・議会図書館

    まず訪れたのは、U.S. Capitol(アメリカの「国会」であるCongressの議事堂)と付属しているLibrary of Congress(議会図書館)です。Amtrakの降車駅であるUnion Stationから徒歩20分ほどで到着します。

    議事堂の建物は想像以上に荘厳でした。敷地がとても広く、周囲に高い建物もないこともあって、「ドーン」と迫ってくるような迫力があります。建物の南側にあるのがが上院(Senate Wing)、北側にあるのが下院(House of Representatives Wing)です。外観上は同じ大きさでシンメトリーが保たれていますが、内部の議場は下院の方がかなり大きいらしいです。上院の議員数が100名であるのに対し、下院の議員数は435人で、下院の方がより大人数が入る設計が必要になるためです。

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    連邦議会議事堂(塔のてっぺんに立っているのは誰の像でしょう?)

    今回は時間の都合上、議事堂は外から眺めるだけでしたが、プロのガイドによる無料のツアーも開催されているようなので(事前予約制)、興味のある方は申し込んでみてください。

    次に訪れたのが議会図書館です。議会図書館は、一足先にD. C.を旅行していたクラスメイトがめちゃくちゃよかったとお勧めしてくれたので、とても楽しみにしていました。

    議会図書館を訪れるにあたっての注意点が2つあります。1つ目は、入館が事前予約制であることです。あらかじめオンライン上で無料のFree Timed Ticketを入手しておき、指定された時間に建物を訪れて、オンラインチケットをスタッフに提示することで入ることができます。

    2つ目は、液体物の持ち込みがかなり厳しいことです。自分は水分補給用にペットボトルの水を複数持っていたのですが、未開封のものを含めて持ち込み不可でした。仕方がないので、目の前の公園の芝生にペットボトルを隠しておき、建物見学後にこっそり回収しました(笑)。テロリストと間違われて通報されないか少し心配になりました。日焼け止めとかで引っかかっている人もいたので、結構セキュリティが厳しいな、という印象です。

    議会図書館の内装は圧巻でした。メインホールの床、階段、柱は大理石を基調とした厳かな雰囲気ですが、アーチ状の天井にはステンドグラスや多彩な装飾が施され、それらが見事に調和しています。窓も広くて開放的で、太陽光を積極的に取り込む構造になっており、光の当たり具合によって様々な表情を見せてくれます。議会図書館が創立されたのは、Philadelphiaから首都機能が移転した1800年です(その後、米英戦争で焼失した後に再建)。いわゆるイタリア・ルネッサンス様式の建物で、当時のヨーロッパの大規模な図書館(フランス国立図書館やウィーン国立図書館等)に対抗するという意図もあったようです。

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    議会図書館のメインホールの内観

    メインホールの壁面には、知識・言葉・文化等をテーマにした多くの「格言」が刻まれているので、自分のお気に入りの格言を探してみるのも面白いと思います。ちなみに、僕のお気に入りはこれです。

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    シンプルな格言が好き

    また、メインホールから階段を少し登ったところから見学できるMain Reading Room(主閲覧室)も必見です。司書デスクを中心とした円形の構造になっていて、周囲には研究机が放射状に設置されており、「知識の波が中心から外に拡がっていく」という意味が込められているそうです。また、それを取り囲むように並ぶ8体の彫像は、図書館で探求することができる8つの学問分野(哲学、法学、歴史、詩、科学、芸術、商業、宗教)をそれぞれ表現しています。先人が積み重ねてきた探求の偉大さと、学ぶことの意義を体感することができる空間です。

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    主閲覧室の内観(放射状に設置された研究机とそれを見下ろす銅像たち)

    上記の他、メインホールの両側にある部屋では期間限定のエキシビションも開催されていました。僕が行った時には、The Two Georgesという、ジョージ・ワシントンとイギリス国王のジョージ3世が同じ時代をどう生きたのかそれぞれの視点から描くというテーマの展示と、Collecting Memoryという、議会図書館のコレクションの中から歴史的文書、古地図、音楽スコア、人権運動記録等を抽出してアメリカの記憶を辿るというテーマの展示が開催されていました。Collecting Memoryには、日本の幕末期における鎖国から甲斐国への変遷に関する資料等もあり、興味深かったです。こういった展示もあるので飽きずに楽しめます。

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    THE TWO GEORGESの展示

    建物の内部をざっと眺めるだけであれば30分程度あれば足りますが、展示や内装をしっかり見たいという方であれば1、2時間は見積もっておくとよいと思います。

    ②合衆国最高裁判所

    議会図書館の隣にある神殿のような巨大な建物が、合衆国最高裁判所(Supreme Court of the United States)です。改装工事中で、残念ながら外観はイマイチでしたが、建物内部も無料で一般公開されているので見学してきました。連邦議会議事堂や議会図書館とは異なり、事前の予約は必要ありませんが、液体物の持ち込みは同様に厳しいので注意が必要です。

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    合衆国最高裁判所の外観(残念ながら工事中でしたが迫力満点です)

    日本の裁判所とは異なり、かなり「観光客向け」の仕様になっており、法律を知らない方でも十分に楽しめます。1階には最高裁判所の歴史や有名な事件を解説した展示、歴代の最高裁判所長官の肖像画等があります。2階に行くと、法廷を見学することができます。ギフトショップや食堂もありました。食堂ではなぜかPhiladelphia名物のチーズステーキが約10ドルで販売されており、小腹が空いていたので食べてみました。味はまあ、「10ドル」ってかんじです(笑)。

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    法廷に続く廊下も広くて厳かな雰囲気です

    ちなみに、食堂の目の前には、9人の裁判官の小さな銅像が飾ってあります。これは、Earl Warren裁判官が長官を務めていた時代(1953~1969)の9人の最高裁判事の銅像であり、この時代の最高裁をWarren Courtと呼びます。リベラルで積極的な憲法解釈を展開し、画期的な判決をいくつも生み出して、アメリカにおける法の支配の発展に大きな影響を残しました。例えば以下の事件が有名です。

    ☞Brown v. Board of Education(1954)
    Plessy v. Ferguson判決で確立されたSeparate but equal(「分離すれども平等」)の法理を覆し、公立学校での人種隔離措置は本質的に不平等であると判断して、公民権運動の追い風を生み出した判決。

    ☞Miranda v. Arizona(1966)
    いわゆる「ミランダ警告」を生み出した判決。「ミランダ警告」とは、警察官が、逮捕された被疑者に対して、取り調べを始める前に被疑者の権利(黙秘権や弁護人選任権)の告知をしなければならないという原則です。事前に「ミランダ警告」をせずになされた取り調べによる供述は、原則として証拠として使用することができなくなります。

    Warren Courtは他にも有名な判決をいくつも生み出しており、館内にある展示でその詳細を学ぶことができます。ちょうどサマースクールでアメリカの憲法史を学び終えたばかりだったので、Warren Courtの銅像を見つけたときは興奮しました。勉強したことが実社会で結びつくと楽しいですね。

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    Warren Courtの裁判官たちの銅像

    ③ホワイトハウス

    連邦議会、最高裁判所と見学したら、やはり最後に見なければならないのはホワイトハウスです。上記の2つからはやや離れたところにあり、西に向かってスミソニアン博物館群を抜けて、ワシントン記念塔の北側に行くと、ホワイトハウスがある大統領公園が見えてきます。大統領公園の東西の通路は封鎖されていましたが、北側のラファイエット広場から周りこむと、ホワイトハウスを正面から見ることができます。中には入れないので、外観を眺めるのみでした。テレビでよく見る「ホワイトハウス」のイメージ通りでしたが、思ったより小ぶりだな、という印象です。

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    基本的に遠目から眺めるだけです

    アメリカの立法・司法・行政というアメリカ合衆国の三権を一度に体感できる、とても濃密な経験でした。Part Ⅱでは、スミソニアン博物館群の感想を書きたいと思いますので、お楽しみに。

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