
連作短編小説 「三分間のティールーム」 〈あらすじ〉
あらすじ
きれいに整いすぎた独身男・真鍋周二の朝は、正しい湯温と蒸らし時間だけでできている。ある日、隣人の水野が「紅茶って、どうやったらおいしくなります?」と訪ねてきたことから、彼の日常は少しずつ乱れはじめる。いれ方、選び方、産地、飲み方。紅茶を教えるたび、真鍋は大学時代に詩織から見抜かれた「ひとりのために何かを選ぶのが怖い」という弱さと向き合う。水野は不器用な先生の正しさを笑いながら受け取り、自分の生活へ持ち帰っていく。告白より先に、一杯の朝が変わる。正しさで人を遠ざけてきた男が、誰かの朝に残るものを選びなおす、大人の恋と生活の連作短編。