
十七文字の子ども達~駄菓子屋たかさんち(川柳編厳選17)
① 女子の涙
② なんとなく
③ 子コギャル
④ 願えば叶う
⑤ ギリギリチョコ
⑥ 進化
⑦ 味方
⑧ 風にも負けず
⑨ 夢
⑩ 正直
⑪ 衣替え
⑫ ツウの飲み方
⑬ 本当の優しさ
⑭ 子どもの優しさ
⑮ 初めてのお付き合い?
⑯ ありがとう
⑰ 十人十色の出会い
① 女子の涙
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早くにも 女子(おんな)の涙に 秋を知る
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『しくしく・・』
女子に泣かれた男子は????「...」
『仲良しだけで、楽しく遊びたかったのに・・』
【う~ん・・・中一の男子には、この乙女心は、理解できないよ・・】と、慰め、
【早く遊ばないと、せっかくの時間がなくなっちゃうよ・・】と、助言し、その場を丸く収めてあげました。
ほのぼのとしたグループ交際は、とても初々しいけど・・
女の涙は、何才(いくつ)でも武器になるのだなぁ・・
泣かれた男子は、戸惑うばかりで・・
早くも女心と秋の空を知ることになったようです。
② なんとなく
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閉店後 光りを頼りに 「なんとなく」
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掃除を終えて、戸締りをしようとした時、自転車に乗った人影が・・
【買うならいいよ!】
と、声をかけると、
「いや・・いい・・」との答え。
【えっ?じゃ、何しに来たの?】
「何となく・・光りに誘われて」
確かに夕暮れが早くなったので、辺りは、暗い・・
店の光りが目に付いたのでしょう。
【彼女はどうした?】
「今、いない。」
などと・・たわいも無い話をしていると、友達が現れ合流。
【じゃ!また・・ゆっくり買いに来てね!】
また、何となく・・誰かがやって来ることでしょう・・
③ 子コギャル
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春到来 芽が出て変化(へんげ) 子コギャルに
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【原宿でも行くの?】
『えっ?』
とても小学生には見えないファッション・・
乙女心に春が来て、おしゃれをしたくなるのでしょう・・
そこに、半そで半ズボン風の同級生の男子達登場。
「オェ~・・」
ちょっと大人びた女子達に、照れくささを隠し切れず、店の前をUターン。
それに気づいた子コギャル達は、
『待て~!』と、
自転車で逃げ去る男子達を捕まえて、おしゃれなファッションで、跳び蹴り?
大人の階段を先に上って行く女子に、取りあえず見掛けは、子どものままの男子は、恥ずかしさに戸惑い・・
実は、そんな男子が愛しくて、かわいい子コギャルに変化しているとは、きっと、気付いていないのでしょう・・
誰もがときめく春がまた、やって来ました♡
④ 願えば叶う
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神!きたぁ~! 念じて当てる my呪文?
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「3番のスーパーボールが欲しい!」
【じゃ、頑張って引いてね!】
「あ”あ”あ”あ”・・・・・あ”たれぇぇぇ・・神よ~・・$#Э@&☆???~がぁぁぁ!!あ~きたぁ~・・これだ!」
【気合入ってるね~】
「あっ!3番だ!やったぁ!」
【え”~?本当だ!凄い!1発で当てたね】
そして、それを見ていた子が
「じゃ・・僕も・・あ”たれぇぇぇ・・$#Э@&☆???~がぁぁぁ・・・4番来い来い!!!」
【怪しい呪文みたいだね?はい、引いて!】
「ぁぁぁぁぁああああ・・当たった!4番きたぁ~」
そう・・こんな不思議なことは、結構あるのです。
試しに、はずれ(小さいボール)を引いた子に
【どのスーパーボールが欲しいか、よく決めて、口に出してから引いた方がいいよ!】と、アドバイスをしてみたところ・・
「じゃ、なるべく大きいので、2番にしよう」と、決めて引いたとたん!
本当に2番が当たりました。
う~ん・・やはり・・願いというものは、叶うものなのでしょう・・
イメージイメージ・・心を込めて・・本気で願えばきっと・・純粋であればあるほど、本当に何でも叶うのかもしれません????
⑤ ギリギリチョコ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
淡い恋 ギリギリのチョコ 本命に
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【バレンタインディーどうするの?】
『あげるよ!』
【手作り?】
『もちろん!』
【何?友チョコ?男子にもあげるの?】
『うん・・』
【最近は、女の子同士の友チョコかと思ったけど・・好きな人にもあげるんだ?】
「うん・・でも、恥ずかしいから・・義理チョコのふりして、本命の人にもさり気なく渡すんだ・・」
淡い淡い恋は、ギリギリの選択を迫られ、ギリギリの勇気を振り絞って、義理を装い本命へ・・
さて、受け取る男子にこの微妙な思いが伝わるのでしょうか・・
⑥ 進化
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黒い髪 「仕事してるよ!」 未来(あす)光る
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「学校・・あんまり行ってない」
そんなこと聞いたのは、バイト姿も様になっていた1年ほど前・・
時折見かける格好は、茶髪にバイク・・
青春してるんだな・・
年末、街で出会うと
「学校辞めたよ!働いているんだ!」
髪は黒く、少し凛々しく思えました。
同年代より早く社会デビューした自信さえ感じました。
年を越すと共に、歳も越し、来年という未来が眩しいくらいに光って見えます。
⑦ 味方
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
澄んだ空 見方を変えれば 良い味方
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冷え込めば冷え込むほど、空が青く青く澄んでいくような気がします。
この間まで、
「あいつは・・もうやだな...」
なんて不満をこぼしていた友達を連れて、今度はその子に悩みを相談しています。
あんなに嫌っていたのに、良い所が判ったのでしょう・・
子ども達にはふとした瞬間というのが合って、
“フッ”と許せて、認め合い仲良くなるようです。
まだまだ心が柔軟なようで、色々な角度から見ることが出来るのでしょう。
特に悩んでいたり困っていたりする時は、限りなく澄んだ冬の空のように無心になると、本当の味方が現れるのかもしれません。
昨日の敵は今日の友・・?
⑧ 風にも負けず
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木枯らし(かぜ)にも負けず
笑顔の裏に 強さあり
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一見、ちょっかいを出す人間の方が強くて、ちょっかいを出される人の方が弱いような気がしますが・・
意外とそういうわけでも無いようです。
いつもニコニコ明るい子が、からかわれたりするので、時おり
【大丈夫?】と、声をかけたりします。
「うん!平気だよ!護身術覚えたし・・」
なるほど、冷たい風が吹けば吹くほど、芯をしっかりと暖め、強くなっているんだなぁ・・と感心します。
友人関係だけでなく、兄弟や家庭の問題で、辛い時期を迎えている子も少なくありません。
でも、木枯らしにも負けず、逆境の中、立ち向かう強さの輝きが、何倍もの笑顔になって、“何か”を吹き飛ばしています。
⑨ 夢
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つかの間の 晴れ間眩しく 夢語る
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“たかさん”]では、“今”だけでなく、“過去”も蓄積され、“未来”にも繋がっています。
梅雨の頃、2,3年ぶりに顔を出してくれた子が、すっかり青年になっていました。
とても忙しく、久しぶりに足を運んでくれました。
ここに来てくれていた頃から、熱中していたものがあり、毎日、その練習で大変そうでした。
もちろん、今でもそれを続けていて、特待生になる試験があり、難関をパスしたとのことで、報告も兼ねて、まだまだ永遠に続くレッスンの合間をぬって来てくれました。
同年代の子とは少し違った雰囲気を持っていて、まっすぐな目は世界を見つめています。
小さい頃からの夢を追って、たどり着くのは、とてもまれなこと。
これから先は、もっともっと大変だけど、やりがいがあると笑顔で語ってくれました。
つかの間の休息になってくれたのでしょうか・・
梅雨の空が少し明るくなって、店内に光が射してきました。
たくさんの子ども達の夢がたくさん叶いますように・・
毎日、毎日、楽しみにしています。
⑩ 正直
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正直に 支払い忘れて 二度来店
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子ども達は、意外と正直です。
もちろんすきあらば、少しでも安くお得な買い物をしたいと思うのは、それこそ大人と同じくらいしたたかなところはありますが・・
たかさんちでは、曜日や時間帯によって、とても混雑します。
特に遠足の前の日などは、どっとたくさんの子ども達や親子で大混雑。
しかも、泊りがけの行事だったりすると、おやつ代も300円とか400円とかアップします。
持って行きたいお菓子をかごに入れながら「え~と、後100円買えるから・・」などと、どの子もお菓子を選ぶのと決められた額の計算でテンパっています。
なので、こちらも次々と回転良くさばかなければなりません。
「これいくらかな・・?」
あまりにもたくさん買い過ぎて、計算が出来なくなった子など一緒に確認したりします。
そんな時、確認したことで安心してしまって、お金を払わずにお菓子だけ持って帰ってしまった子がいました。
こちらもごった返していたので、気づかなかったようです。
お店が空いた頃、慌てた様子で、
「さっき、お金払うの忘れてた!」と言って、血相変えて店に飛び込んで来ました。
手元のお金を見て、減っていないことに気づいて、驚いたようです。
他にも、
「お菓子が1つ余分に入っていた」と、返しに来た子もいます。
普段、「ただでお菓子頂戴!」なんていっている子も、
「おつりが多いよ」と、正直に言ってくれます。
これからも子ども達との信頼関係を大切にして行きたいと思います。
⑪ 衣替え
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
秋風に チャリからバイクへ 衣替え
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まだまだ暑い日は続いていますが、夏が過ぎて、秋風を感じるようになりました。
夕食後、散歩をしていると、バイク3台とすれ違いました。
よ~く見ると、なんだか見覚えのあるメンツ。
確か高校生・・
へぇ~・・この間までは、チャリで仲間とつるんでいたのに・・
バイクに乗るようになったんだ。
免許取るのに勉強したんだろうな・・
メットの横からこぼれた笑顔が印象的でした。
夏から秋へ、少年から青年へ衣替え。
季節は過ぎていくようです。
最後尾のバイクは二人乗り・・しっかり女の子を乗せていました。
⑫ ツウの飲み方
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「知らないの?」 ツウはケツ飲み 自慢げに
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子ども達は遊び心一杯!
買ったものを如何に楽しく食するか・・という感じで、普通には食べません。
ソース煎餅に絵を書いてみたり、麺にトッピングしたり・・
楽しんで楽しんで、食するのです。
人気のドリンク物も、飲み口がきちんとあるにもかかわらず、おしりから飲むのです。
これはコツがいるので、初心者はなかなかうまくいきません。
歯で微妙に小さな穴を開けて、少しずつ飲む手法です。
これは、確か何年も前から流行りだし、代々受け継がれていて、いつの間にか“ケツ飲み”と呼ばれるようになりました。
この飲み方を知っているのは“たかさんち”の常連の証でもあります。
そんなんで、ケツ飲みをしている子は、何だか自慢げになるようです。
⑬ 本当の優しさ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
弱点も 笑い飛ばせる 親友(なかま)達
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
いや~・・こんなにも言いたいこと言えるって、すごいな!
というグループがあります。
小学校時からと、中学時からの出会いの仲間です。
学校がバラバラになった高校生になっても、時々やってきます。
「お前!何言ってるの?」
「うるせぇ!だまってろよ!」
「それ取って!」
「やだね!」
こんな感じが日常会話です。
特に仲が悪くけんかしているわけではないのに、いつもこんな調子です。
お互いの欠点やウィークポイントなど、
「言われたくないよな・・」「普通傷つくよな・・」
と、思われることもお構いなし。
でも、不思議と“そんなこと気にするほどのことじゃないよ”という、彼らなりの思いやりに聞こえるのです。
幼馴染というのか、兄弟をも越えるくらいお互いのすべてを理解し合っている仲間・・
本当の優しさで繋がっている、本当の仲間達なのでしょう。
すべてを笑い飛ばしてしまうことが最高に気を使っていることなのかもしれません。
⑭ 子どもの優しさ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ベーゴマで 五円(ご縁)を結ぶ 異年齢
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常連の中学生が、遊びの名人らしく、ベーゴマを買ったけど遊び方が良く判らない小学生に、とっても親切に教えてくれました。
「ひもに5円玉を付けると回す時、引きやすいよ」と、自分の財布から5円を出し、ひもに結んであげました。
大きいお兄ちゃんにベーゴマを教えてもらって、5円まで付けてもらって、良かったね。
駄菓子屋での5円(ご縁)を大切に・・
今も昔も子どものやさしさは変わらない。
子どもは子ども同士、仲良くなるのに年齢は関係ない。
子どもの世界は、何も変わっていない・・
⑮ 初めてのお付き合い?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
新緑に 彼女を包んで 故郷(さと)帰り
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
5月のとある日、高校生が彼女を連れてやってきました。
たかさんちでは、良くある光景。
なぜか、高校生になると
「久しぶりか~」見たいな感じで、カップルでやってきます。
女子が彼氏を連れてくることもあるけれど、圧倒的に彼女を連れてくる
元常連君が多いです。
【この子は、良い子だよ!】
と、褒めてあげたり、昔のエピソードなど話してあげると、連れの彼女がとても嬉しそうな顔をします。
よく、好きな人に自分の育った故郷を紹介するような・・そんな感じで来てくれていると思います。
中には、小学校が一緒で、中学校が別で、また、高校で再開して付き合い始めたカップルもいます。
みんな、かわいい彼女、かっこいい彼氏を連れてくるので驚きです。
小学校の頃とか知っていると尚更不思議な感じです。
”たかさんち”は、子ども達の成長とともに“故郷”にもなっているんですね・・
⑯ ありがとう
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
受け取らず その優しさに 「ありがとう」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
4人組の男の子達が来ました。
ひとりが「これ、あげるよ!」と、他の3人に自分のお菓子を分けました。
2人は、喜んでそのお菓子をもらって食べました。
残りのひとりは、「ごめん、そのお菓子苦手なんだ」と遠慮しました。
「でも、“ありがとね”・・」
「えっ?何で?受け取らないのに?」
「そのお菓子を僕にくれるという気持ちが、うれしいから“ありがとう”」
その後も楽しそうに過ごしていました。
⑰ 十人十色の出会い
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
風鈴の 音色が変わる 出会いあり
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
“たかさんち”には、毎日代わる代わる
たくさんの子ども達(*親子・大人も)がやってきます。
お客さんが来るたびに、まるで、呼び鈴のように
入り口の風鈴が“チリリン・・”
風鈴の音色が、その時々によって違う音に
聞こえる気がして・・
やってくる子もそれぞれ個性があって・・
毎日、十人十色の出会いを感じています。
#創作大賞2026 #オールカテゴリ部門