ヘッドモグラのモグ谷さん一話 古本屋
僕は物心ついたときから何者かになりたいと強く思っていた、漫画の修行シーンが好きでよくナルトやワンピース、ヒロアカなどの修行シーンを見返して自分も強くなった気でいた
でも、自分は臆病で弱虫
そして自分だけの道を辿ることができない人間なんだと気づきながらダラダラと生きていた
そんなある日、僕はモグ谷さんと出会った
モグ谷さんはヘッドモグラというモグラだそうで
僕の頭に乗っかり色んな事を教えてくれる
今日は2人で、いや1人と1匹で古本屋に出かけることにした
サンダルが地面に擦れる音を聞きながら
道路の端に生えた樹木の葉が風で揺れるのを
眺めながら歩いてゆく
モグ谷さんが頭にいるので少し見えずらく感じるなんてことは意外にもなかった
寧ろモグ谷さんは鋭い視点で僕が気づかなかったことを言葉にしてくれる
モグ谷さん「あの雀はお腹いっぱいそうにしているな、土からミミズを見つけて食べたんだろう」
僕「なんでそんなの分かるの、お腹の膨らみ具合とか?」
モグ谷さん「嘴を木の枝に擦りつけているだろう
あれは食事をした後にティッシュで口を拭くのと同じさ、嘴をキレイにしているんだよ」
僕「へぇ〜、ほんとだなんか満足そうに片足曲げてるし満腹で満たされているのかもしれない」
1人だと何気なく歩く街並みもモグ谷さんがいると春に彩りを与える桜みたいに僕の世界を咲かせてくれる
そんなこんなで歩いていると古本屋に到着した
眼鏡をかけた店主が新聞を凝視している
髪の毛は犬が散らかした部屋のような感じで
電気の明かりを少し反射していた
奥に漫画本がずらっと整頓されてある棚があり
右側には雑誌や新聞紙が縦に置かれてあった
僕とモグ谷さんは小説コーナーと書かれてある棚のところで足を止めた
僕「こんなに本があると何を買えばいいのかわからないよ」
モグ谷さん「本っていうのは、その時自分が欲している物が輝いてみえるもんなんだよ、題名を読んでなんかこれ面白そう!って思ったのを買って読んでみればいい」
僕「モグ谷さんと出会い初めの頃、本を強制的に読まされてた時は文字が頭に入ってこなくて
集中力もすぐに途切れてたけど、おかげでたくさんの本を読むようになって本がない人生なんて考えられなくなったよ。ん〜欲している本かぁ」
モグ谷さん「わしが君の頭に住みついたのは
魅力やセンスと言われるようなものが君にあると思ったからだ、たくさんの本に触れればそのうち君も何かしらの創作者になりうるぞ」
といいながらモグ谷さんは僕の前髪をクワガタの角みたいにガシガシして笑った
僕「よし気になった本全部買っちゃう」
レジ店員「13点で2500円でございます」
古本屋は安いから100円で一つの物語に触れることができる、とても嬉しい☺️
モグ谷さんは木の葉 柚子のグラビア特集を
こっそりとカゴに入れていてそれも僕が払った
木の葉 柚子のグラビア特集は700円もした
モグ谷さん「おぉ、こりゃ豊富な乳をしておるわいえーな木の葉ちゃんに会ってみたいな」
僕「色んな小説に触れて心の閉まっている扉を
一つ一つ開けてゆけ」と言ったのはモグ谷さんじゃないか!なんだよグラビア特集って!
モグ谷さん「いいんだよ、この世でエロが一番ステキなイベントなんだ。君も好きだろエロ、
エロはユーモアの源なんじゃだから鱈腹エロいことを考えることは想像力も上がっていいんじゃよ」
モグ谷さんは木の葉 柚子に見惚れながらそれっぽいことを喋っていた、正しくは胸に見惚れていた
玄関で靴下も脱ぎ洗面台で手を洗ってから
本を床に転がしていく、コトコトコトと本が重なり合う音がして今日はよく眠れそうだと思う
さくらももこの「もものかんづめ」を開いて
たまに笑い声が溢れたりした
モグ谷さんは畳の部屋で干し芋を頬張り
テレビのお笑い芸人をみてゲラゲラと笑いながら
「おかしな奴らだ、ほんとかっこいい」と呟きながら地面を軽く掘っていた