メインコンテンツへスキップ
見出し画像

ダンジョン第79階層【実録】『絶望の在宅結界!枯渇する選抜信徒と最強ギルドへの大博打』

    前回の物語はこちら👇️👇️👇️

    01:ミッドナイト・イントリーグ・コンストラクション〈深夜の陰謀構築〉


    静まり返った東都校の拠点。

    俺は一人、これからの展開について深く、そして重く思案を巡らせていた。

    画像

    最強ギルド(大企業)である青木工業との交渉は、一歩間違えれば全てが水泡に帰す。

    場合によっては、こちらの命脈を懸けたギリギリの駆け引きが必要になるかもしれない。

    最大の懸念は、あの魔法の符(名刺)の男。

    画像

    篠田先任導師(係長)だ。

    画像
    篠田先任導師

    青木工業の内部で、彼が伊藤統括導師(部長)の汚濁供物(賄賂)に対する調査を一体どの程度まで進めているのか。

    その状況を正確に把握しなければ、今後の交渉を有利に進めることは極めて困難になる。

    俺は、すでに手元にある3枚の盟約の対価記録(領収書)という決定的な情報の巻物(証拠)をどう切るか。

    画像

    色々な条件を鑑みながら最悪の事態も含めて検討を重ねていた。

    もし、篠田が俺たちを裏切り、証拠だけを奪い取って上層部で揉み消しを図ったらどうなるか。

    田中工業の外郭陣列との局地盟約(業務委託契約)の復帰どころか、完全に報復の対象となるだろう。

    頭の中で無数のシミュレーションが交錯する。

    画像

    極度の緊張と疲労から、俺は無意識に無い前髪を豪快にかきあげる痛々しいルーティンに走った。

    勢いよく振り上げた手が、幻の前髪を通り越して自らのこめかみに強烈な指突きを決めてしまう。

    「ぐはッ!」 鈍い痛みが脳天を貫き、目から火花を散らしてその場で悶絶する。

    画像

    『おい、おっさん!』

    『深夜に一人でこめかみを粉砕するとか、ただの自傷テロだ ワン!』

    『幻の前髪を探して自爆して、完全に思考回路がショートしてる ワン!』

    魔犬ツンの容赦なきジャッジメント・サタン〈魔犬の正論〉が、俺の心臓を鋭く抉る!


    痛恨的…!


    俺はこめかみの激痛に耐えながら、一つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!


    「発動せよ……!」

    画像
    今日のキレはいい(妄想です)

    ミッドナイト・イントリーグ・コンストラクション〈深夜の陰謀構築(作戦立案)〉ッ!!

    答えの出ない迷宮の中を彷徨い続ける。

    いつの間にか。

    窓の外が白み始め、俺は考え込んでいるうちに朝を迎えていたのだった。



    02:モーニング・コーリング・アウェイク〈朝の目覚めの声〉



    「……異次元おじさん。もう朝ですよ」

    ふと、柔らかい声が耳に届いた。

    俺はハッと目を覚まし、両手で目をこすりながら辺りを見回した。

    どうやら、いつの間にかプリズン・ブレイクルーム(暗黒の休憩室)のパイプ椅子に座ったまま、気絶するように寝てしまっていたようだ。

    目の前には、連帯の小隊である魔導女師(女性講師)の平野さんが心配そうな顔で立っていた。

    「大丈夫ですか?」

    「最近非常に忙しそうですけど、何かあったんですか」

    彼女の瞳には、純粋な気遣いが浮かんでいる。

    画像
    魔導女師の平野さん

    彼女たちは、田中工業との外郭陣列との局地盟約(業務委託契約)の仕事が徐々に増えていることは理解している。

    しかし、その裏で蠢いている青木工業の伊藤統括導師(部長)の深い闇や、汚濁供物(賄賂)を巡る血みどろの暗闘については知る由もない。

    画像
    伊藤統括導師

    知らせる必要もない。

    彼女たちには、余計な魂の重圧(プレッシャー)をかけたくなかった。

    俺は無理やり頬を叩き、強がって明るい声で答えた。

    「おはよう!」

    「いやいや、田中ギルドマスター(社長)とね」

    画像

    「昨日は今後のことについて色々と話をしていたんだよ」

    「これから、境界外の魔導委託(在宅)の仕事もどんどん増えてきそうだし、さらに忙しくなるからね」

    「平野さんには、魔導女師(女性講師)のリーダー格としてしっかり頑張ってもらえるように期待してるんだけど、大丈夫かな?」

    平野さんは、パッと顔を輝かせて元気に答えた。

    画像

    「もちろんです! 任せてください!」

    「あれからずいぶん慣れてきたので、魔導錬成(作図)の一番あたりの仕上がりも、ずいぶん早くできるようになったんですよ!」

    その言葉を聞き、俺も思わず嬉しくなった。

    彼女たちの成長は、この絶望的な魔境(組織全体)における唯一の希望の光だ。

    俺たちのチームは、確実に強くなっている。

    いける!

    これならどんな無理難題も乗り越えられる!


    俺は二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で詠唱した!


    「いでよ……!」

    画像


    モーニング・コーリング・アウェイク〈朝の目覚めの声(部下との対話)〉ッ!!

    俺は痛む顔を抑えながら、次の確認事項へと話題を進めた。



    03:クリティカル・リソース・ショートエイジ〈致命的な資源不足〉



    「それは本当に頼もしいよ」

    「ありがとう!」

    「ところで、境界外の魔導委託(在宅)を任せる未覚醒の信徒(生徒)たちの選抜は、順調に進んでいるのかい?」


    俺の問いかけに、平野さんの明るかった表情が急に曇った。

    彼女は不安げに視線を落とし、重い口を開いた。

    画像

    「……実は、それがなかなか進んでいないんです」


    絶望的…!


    「どういうことだい?」

    俺は胸の奥がざわつくのを感じながら尋ねた。

    「あの……青木工業さんから求められている条件が厳しすぎて……」

    「実質的な鍵の閉まるような個室の環境を自宅で確保できる信徒(生徒)が少ないんです」

    「それに、魔導板(パソコン)についても、魔導錬成(作図)に耐えうる高いレベルの魔導板(パソコン)を持っていらっしゃる信徒(生徒)があまりにも少なくて……」

    画像

    「条件を満たし、候補になる信徒(生徒)は、そもそも圧倒的に少ないんです」


    破滅的…!


    俺の頭の中で、完璧に組み上げていたはずの魔導設計書(企画書)が音を立てて崩れ去っていく。

    アナログ・ソリッド・ディフェンス〈物理的鉄壁防御〉。

    俺自身が伊藤統括導師(部長)に大見得を切って約束した魔法情報の流出(情報漏洩)を防ぐための強固な物理結界だ。

    だが、信徒(生徒)たちのリアルな財政状況や生活環境から言えば、その厳しい条件を個人でクリアできる者は、俺が想定していた以上に少なかったのだ。

    俺は表面上は落ち着いた表情を崩さずにいたが、内心では激しい冷や汗をかきながら考えを巡らせていた。


    やはり、そうか。


    俺は、田中工業の結界腐敗(経営難)を救うため、在宅のシステム化による因果受託の血盟(仕事の確保)を最優先に掲げすぎた。

    その結果。

    根幹である「実務を担う業務体制への配慮」が完全に欠け落ちていたのだ。

    清水さんと平野さん、山口さんに現場を任せると言ったものの、完全な丸投げになってしまっていた。

    画像
    左から平野さん、清水さん、山口さん


    状況報告だけは、常に俺へ報告をさせるように厳しく指示するべきであった。

    致命的なクリティカル・リソース・ショートエイジ〈致命的な資源不足(在宅要員の不足)〉。

    この課題を早急に解決しない限り、田中工業が青木工業から業務を請け負う量を増やすことなど絶対にできない。

    田中工業の経済状況も、決して盤石ではないのだ。

    境界外の魔導委託(在宅)の環境を、何が何でも早急に整える必要がある。


    俺は三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!


    「発動せよ……!」


    画像

    クリティカル・リソース・ショートエイジ〈致命的な資源不足の直視〉ッ!!



    04:アルティメット・ギャンブル・ディシジョン〈究極の賭けの決断〉


    俺は焦る気持ちを腹の底に抑え込み、平野さんに優しく、力強く答えた。

    「知らせてくれて本当にありがとう」

    「大丈夫だ、そこは何とか俺がするよ」

    「また現場で困ったことがあったら、どんなに些細なことでも早めに相談してくれるかな」

    「こちらからも、何かあったらすぐに相談させてもらうからね」

    俺の言葉を聞き、平野さんはホッとしたように少し明るい表情に戻った。

    画像

    「分かりました。よろしくお願いします!」

    彼女は元気よく一礼し、再び業務へと戻っていった。

    彼女たち現場の人間には、この絶望的な状況の重さを背負わせるわけにはいかない。

    だが、現実は問題が山積みだ。

    このままでは、田中工業の首の皮一枚繋がった盟約すらも断ち切られてしまう。

    早急に、そして確実な答えを出していかなければならない。


    俺は四つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!


    「いでよ……!」

    アルティメット・ギャンブル・ディシジョン〈究極の賭けの決断〉ッ!!

    俺は決意した。

    この膠着し、崩壊しつつある現状を一気にひっくり返すためには、もう迷っている暇はない。

    青木工業の暗部にいるあの男。

    画像

    篠田先任導師(係長)に対して、俺たちの持つ全ての情報の巻物(証拠)を懸けた、大きな賭けに出るしかないのだ。

    彼が要求してきた「上層部を説得するための証拠の提出」。

    そして俺が突き返した「同席の要求」。

    この諸刃の取引を、俺から強引に動かす時が来た。

    俺は通信魔導具(携帯電話)を強く握りしめ、青木工業という巨大な迷宮の最深部へと足を踏み入れる覚悟を固めた。

    名もなきモブの反撃の狼煙が、ついに最強ギルドの心臓を貫こうとしていた。

    いざ、次なる階層へ。



    【次回予告:ダンジョン第80階層】


    在宅要員の不足という致命的なバグに直面した異次元おじさん!

    絶体絶命の窮地を打破するため、ついに青木工業のキーマン・篠田との極秘取引に全てを懸ける!

    だが、最強ギルドの上層部との面会は、想像を絶する伏魔殿だった!

    証拠の領収書を巡る息詰まる心理戦!

    果たして、暴君・伊藤統括導師(部長)を失脚させる奇跡の一撃は決まるのか!?

    そして、裏で蠢く巨大組織のさらなる闇が牙を剥く!

    次なる死闘が今、幕を開ける!

    最後までお付き合いありがとうございます。

    【迷宮の深淵へようこそ】

    この 「クソゲー(社会)」 から強制ログアウトさせられた、時給1,100円スタートの男の生存戦略。

    画像

    覚悟がある奴だけ、次のページをめくれ。

    まさにこのダンジョンへの現在の最下層までの探索が一気にしたい冒険者はこちら👇️👇️

    【お知らせ】

    異次元おじさんの魔道具店開店セール実地中!!

    他では絶対に手に入らない異次元おじさんだけの視点の魔道具が出品中!!

    ぜひ、お試しあれ!!👇️

    異次元おじさんの自己紹介はこちら👇️👇️


     
     
    「note開始6ヶ月で3,800F突破」 属性:ハゲ・デブ・低学歴(専門卒)の55歳中年おじさん。 幾多の転生(転職)を経て、50歳で王都の最強ギルド(外資系コンサル)へ。魂をすり減らし、現在MPゼロで休職中。これは全てを失ったおじさんが反撃する「なろう系リアルストーリー」

    あなたへのおすすめ