
サービスの磨き方 [第5回] 「を」ではなく「が」
「顧客満足」の師匠
前々回の記事で、日本のサービスサイエンスの第一人者である諏訪良武氏のことを(サービスサイエンスの)「師匠」と書きましたが、実はもう一人「顧客満足の師匠」が自分にはいます。
それが、白鴎大学元教授の佐藤知恭先生です。
自分がコンタクトセンター業界に入ってすぐのころ、佐藤先生は「顧客ロイヤルティ研究会~佐藤塾」を主宰し、後進の指導にあたっておられました。
当時「顧客満足」に関してアレコレ調べていた自分は、ある日たまたまその佐藤塾のホームページを見つけました。
なんとなく運命的な出会いを感じ早速連絡をとってみたものの、なんと定員に空きがなく、いつ入塾できるか分からないとのこと。
それでも「このチャンスは絶対に逃しちゃいかん!」という天の声が聞こえた(気がしたw)ので待ち続けること1年半、厳正な面接を経てやっと入塾を許されました。
この佐藤塾で学んだことや人脈が今に繋がり、こうして「note」に記事を書かせていただいてるのですから、人生何があるか分かりません。
ひとつ言えることは、粘りに粘って佐藤塾への入塾を果たした当時の自分を褒めてあげたいということですかね。
「を」ではなく「が」
で、その佐藤先生がよくおっしゃっていたのが
加賀くん、顧客満足は「を」ではなく「が」だよ
という禅問答のようなお言葉。
当然、顧客満足の「こ」の字もまだ分からない自分にとってはチンプンカンプンです。
正直、今でも佐藤先生の意図を正確に理解している自信はありませんが、自分なりの解釈を言葉にしてみます。
まずは「を」。
(企業=サービス提供者が)顧客「を」満足させる
・満足は企業側がコントロールできる
・良いサービス=必ず満足につながる
・マニュアルや品質基準を守れば十分
という前提で、主体は企業(サービス提供者)にあり、少し思い上がっている感じ。
つぎに「が」。
顧客(サービス利用者)「が」満足する
・満足を決めるのは顧客自身
・満足は顧客の期待・文脈・感情で決まる
・企業は「条件を整える」ことしかできない
という前提で、主体は顧客(サービス利用者)にあり、企業は顧客の期待に応えようとがんばる感じ。
これをまとめると、
サービス提供者は「顧客満足」を提供することなどできない。
提供できるのは顧客が満足できる“状況”だけであり、その状況を体験した顧客の中で生まれる“主観的な評価”が「顧客満足」である。
となりますが、もう少し嚙み砕きます。
サービス提供者が「顧客を満足させてやろう」などと考えてはいけない。
そう考えるのは思い上がりで、できることは顧客が満足してくれるかもしれない状況を整え、顧客が下す評価を受け入れることだけ。
この、「顧客が満足してくれるかもしれない状況」考えることがサービス設計であり、その方法論が「サービスサイエンス」だと思うのです。
次回からいよいよ「サービスサイエンス」について書いていきたいと思います。
[CSよもやま話]ポリンキーのCM(前回からの続き)
「そうですか…」とがっかりして電話を切った数日後、その同僚の元に荷物が届きました。
差出人は湖池屋となっています。
「なんだろ?」と思いながら開けてみると、中には箱一杯の湖池屋のお菓子と一本のVHSテープが。
「もしや!」と思って再生してみると流れてきたのは…
「ポリンキー、ポリンキー、三角形の秘密はね・・・」
そうなんと、同僚が放送予定を確認してまで録画しようとしていたポリンキーのCMだったんです!!
いやー、湖池屋さん、やることがニクい!!!
この出来事以来、「お菓子は湖池屋の商品しか買わない!」とその同僚は決めたとか。
25年以上前の話なので今どうなってるかは不明wですが、イイ話でしょ?
ここで重要なのは、湖池屋は恐らくこの同僚を「満足させてやろう」などとは微塵も考えていないということ。
ただ単に、自社製品を愛してくれているいち消費者に感謝を伝えて喜んでもらうためにはどうしたらいいかを考えた結果、このような対応になったのだと思います。
まさに
「を」ではなく「が」
ですよね。
顧客ロイヤルティの経営:CSを超えるサ-ビス・マネジメント
佐藤 知恭 (著)

あなたが創る顧客満足 - 基本のキホン
佐藤 知恭 (著)
