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그날, 한국 (あの日の韓国) -6月旅- 【第五回】後日譚

     本編では詳しく書かなかったが、文章にしておきたいと思ったことを、後日譚ということにして書き残しておこうと思う。

    ・スマートパス(ICN SMART PASS)
     まずは仁川スマートパスについて。仁川空港での時短技の一つがこれで、私自身SESとごちゃごちゃになっていた。SESは入国審査の際に力を発揮すると思われるが、そんなに混んでなければ普通に並んでも苦ではないと思う。
     それよりすごく便利だと感じたのがスマートパスだ。初日に登録断念していたが、最終日に朝オンラインチェックインしたら搭乗券の登録ができていたので使えたのだ。
     今回は第二ターミナルだったが、保安検査場の入り口に長蛇の列ができていた。「え?これ並ぶの?」とーっても嫌だったので、Geminiに聞くと、2C、2D、1Cゲートがスマートパス専用だと教えてくれた。私は10年以上ディズニーランドに行っていないので、今のシステムはよく知らないのだが、「運用開始時のファストパス」くらいの威力がある。長蛇の列を尻目にプーさんのハニーハントに乗ったあの日。優・越・感。
    仁川空港使う方は、「スマートパス」利用してみて下さい。

    ・両替
     日本円をどれくらい持つか。いくら両替するか。どこで両替するか。いろいろ迷うところであり。海外旅行が25年ぶりだった私も迷いました。前回は弾丸旅行だったので、移動と食事と最小限必要になりそうな額を両替した。しかも羽田で両替してしまったのだ。韓国は電車決済が充実しているのでT-moneyとWowpassカードを入手して入金し、ほぼ現金を使うことはなかった。
     今回は初めて市内で両替に挑戦。一番緊張していたが、なんてことはなかった。パスポートと現金を渡したら具合の良さそうな枚数にしてくれた。準備に急いでいる中で、一万円札のみしか持たなかったのだが、5000円札や1000円札も持った方がいいんだな。きっと常識なんだろうな。
     一月のアンコンの時はクレカも使ったのだが、クレカは簡単だが、いくら使ったか分からなくなってしまう。日本に帰ってから確認とかしないし(→いや、するべき)。 今回は「予算」とした日本円を財布にねじ込んで、「これ以上は使わない」と決めた。「クレカ」と書いてあったらWowpassが使える。ISSACトーストとMEGAコーヒーのキオスクでも昌徳宮でも使えた。
     今回2日目の夜にGeminiと相談しながら、Wowpassに日本円をつっこんで、ウォンを現金で引き出すという手法を取った(手数料かかる)。そうしないと電車に乗れない状況だったからだ。今振り返ると朝イチは徒歩だったし両替所が開くのを待っても良かった。
     私の場合、秋にはまた韓国に来るし、ウォンが余るのは構わない。残りはT-moneyとWowpassに入金して、次回の空港から市内までの移動の準備は完了だ。私はT-moneyとWowpassを別々に持っている。なぜかと言うと、かわいいT-moneyカードが欲しかったから。でも買ったコンビニが小さくて選べなくてハルモニが出してくれたのは宮殿の絵のものだった。それもかっこいいから気に入っている。
     T-moneyカードとか気候同行カードとかいろいろあって迷うと思うが、コレクションとして持っても良いし、使い勝手を考えても良いし、好きなものを使うのが良いのではないだろうか。

    *一点だけ、昌徳宮の自販機で飲み物を買った時、電子決済が分からなかった。現金持ってたので買えたが、やはり現金はあった方が良い。

    ・帰天(귀천)
    仁寺洞にあるカフェ「帰天」。
    「帰天」とは、韓国の有名な詩人チョン・サンビョンの代表作のタイトルで、このお店は先生の妻モク・スンオクさんが経営する店であったが、奥様もお亡くなりになっているそうだ。
     帰国後調べたところ、仁寺洞にある私が訪れたクィチョンは2号店だった。姪御さんが運営していると書いてあるので、私がお会いした「ママさん」は、姪御さんだったのかもしれない。
    KONESTの「帰天2号店」のページに、詩、「帰天」の日本語訳が紹介されていたので、ここに紹介したい。
    https://www.konest.com/contents/gourmet_mise_detail.html?id=10923

    帰天 チョン・サンビョン

    私は天に帰るだろう。
    朝の光が触れれば消えて無くなる
    霞とともに手を取りあって、

    私は天に帰るだろう。
    夕日とともにただ二人で
    山の麓で遊んでいるところに雲が手招きしたら、

    私は天に帰るだろう。
    美しいこの世の散歩が終わる日、
    天に帰り、美しかったよと言うだろう……

    ・日本×韓国
     帰宅した私に、娘が気を遣いながら聞いたことが、「日本人と言うことで、嫌な目に遭わなかった?」ということだった。私が嫌な気持ちになるかと思い、出発前には聞かなかったようだが、心配してくれていたようだ。
     第二回にも書いたが、6/6は顕忠日だった。光化門で集会もあったが、この集会は数日前にあった選挙に関するものであったようだし、「日本人」と言うことで嫌な目に遭うことはなかった。日本人も観光にきた外国人のひとりという認識なのではないだろうか。
     韓国の中における嫌日感情というのは、日本の嫌韓感情と大きく変わらないように思う。あくまで私の印象だが。ひどく言う人もいるし、ニュートラルな気持ちの人もいる。「そう言う人(キツく言う人)もいるよね」という感じ。ただ「より大きな声を出した人の勝ち」というSNSの世界では、極端な意見ばかりが目に付く構図になってしまう。だから全韓国が日本を嫌っている気がするのだ。
     このトピックに限らず、SNSから多くの情報を得ようとしている毎日のなかでは、偏った情報ばかり目に入る仕組みになっているので、常に注意しているところである。

     ここで折々のことばで紹介された柳美里さんの言葉を紹介したい。

     『レッテルは人と人の関係を……一方向に固定するが、顔と顔を合わせる行為は、それを揺さぶり、崩す力を持っている。』

    『レッテル貼りによる差別から顔と顔の対等な関係に立ち返るため、そこに一瞬生まれる揺らぎを言葉に定着させるのが小説家の仕事だと作家は言う。』
    と続く。これは今年の4月2日の記事だが、これは長年私の中にあったわだかまりをすっと溶かしてくれる文章だった。

     研究室で韓国からの留学生と共に過ごした時期があったが、彼らはとても誠実で優しい人たちだった。「日本」と「韓国」の関係についてニュースを見たり、とやかく言っているSNSを見ると彼らのことを思い出す。わざわざ日本にまで来て勉強しようとする人たちが日本を嫌いなわけがない。それなのに日本人、韓国人というくくりで見ると、なぜかギクシャクした関係になってしまう。それが悲しい。
     日本の文化が好きな韓国人、韓国の文化が好きな日本人が、互いを尊重し、つながり合うことで、いつかこのつまらないレッテルが剥がされる日が来ると良い。それがどんなに難しいことか、今まで生きてきた私には十分過ぎるほど分かっている。
     だが私は信じたいのだ。美しい景色を見て美しいと感じ、大切な人に届けたいと思う心が、私たちの中に同じように存在しているということを。そしてその心が、私たちを結びつけてくれるということを。


     
     
    小さなハッピーを探して暮らしています。私の幸せが巡り巡って大切な人のハッピーになるといいなぁ…

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