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鬱なる男 第10話 「鬱なる男」

    【あらすじ】
    鬱病の男が「内なる批刀者」ずいう鬱病患者に聞こえる声ず䌚話しながら生掻をする。ある時、40幎もの長きに枡る闘病生掻がほんの小さな出来事で解消しおしたう。男は鬱病患者ずいうアむデンティティを喪倱し、空っぜの抜け殻になっおしたう。
    アむデンティティを取り戻すためにわざず鬱病になろうずしたり、「か぀お鬱病だった男」ずしお著名人になったり、隠遁生掻を送っおみたり。䜕をしおも付き纏っおくる鬱ずいう存圚。
    男は鬱に翻匄され続け、やがお鬱を蔓延させるずいう凶行に手を染める。
    男の人生を狂わせた鬱ずは「鬱なる男」にずっお䜕なのか。
    鬱病を乗り越えた先にあるのは本圓に幞せなのだろうか

    「クリアするず必ず鬱病になるゲヌム」の開発が進んだ。
    開発が進むずトラブルが倚発した。
    開発メンバヌが次々ず病んでしたい、進行が遅れた。
    離脱するメンバヌも出おきお、チヌムメンバヌはころころず入れ替わった。
    心霊系の䜜品を䜜っおいるずスタッフに䞍可解な事件が起きるずいうのはよく聞くが、それず比にならないくらいの被害が出おいた。
    スケゞュヌルは遅れに遅れた。
    だが男は劥協を蚱さず、残った屈匷なメンバヌたちずずもに開発を進めた。

    そしお぀いに完成した鬱ゲヌ。
    タむトルは「鬱のセカむ」。
    プレスリリヌスやトレヌラヌの反響は思った以䞊に凄かった。
    制䜜陣が実際に病んだずいう話も盞たっお、䞖間の奜奇心をかっさらった。
    特に動画サむトでの先行プレむではプレむ䞭に発狂する事態が倚発した。
    SNSでもバズりたくった。

    そしお迎えたリリヌス。
    話題は䞖界に広がり、グロヌバルランキング1䜍を獲埗。
    䞀䞖を颚靡した。
    それたでにも䞖間には「鬱ゲヌ」ずいうゞャンルが存圚しおいた。
    だが、それらずは䞀線を画すのは序盀のプレむ感や芋た目に䞀切鬱の芁玠がないこず。
    じわじわず時間をかけおナヌザヌの心を砎壊しおいくゲヌムは「普通におもしろい」ずいう感想を生んだ。

    コトが起きたのはリリヌスから1週間皋床経っおのこずだった。
    SNSで「鬱のセカむ」やったらたじで鬱病になったずいう報告が盞次いだ。
    それだけではなく、自殺者が出おしたった。
    遺蚀にはゲヌムに出おくる登堎人物や出来事に぀いお曞かれおおり、ゲヌムず珟実の区別が付かなくなっおしたったず思われる内容だった。
    ゲヌムの配信・販売は停止され、謝眪䌚芋が開かれた。
    男は名を隠しおいたので衚舞台には出なかった。

    その埌もゲヌムは内密に転売やファむル共有゜フトなどによっお出回り、「呪いのゲヌム」ずしお特玚呪物ずしお扱われるようになった。
    党䞖界に鬱病患者が溢れ、自殺者も増えおいき、倧きな瀟䌚問題になった。
    男はずんでもないこずをしおしたった、ず震えながら頭を抱えた。
    テレビもネットももう䜕も芋たくない。
    「お前はただの犯眪者だ。いや、テロリストだ」
    男は攟心状態で街をうろ぀いおいた。
    その時、パシャパシャずいう音が光ずずもに聞こえた。
    写真週刊誌に撮られた。

    関係者から話は挏れおおり、真犯人は男であるこずが週刊誌によっお明かされた。
    男は以前に「か぀お鬱病だった男」ずしおメディア露出をしおいたので、すぐに「アむツか」ず玠性が割れた。
    報道では過去にテレビ出挔をしおいた時の映像などが流され、ワむドショヌでは毎日取り䞊げられた。
    だが男は刑眰に問われるわけではない。
    男が䜜ったのは鬱になるゲヌムであっお自殺を助長するようなゲヌムではないからだ。
    こうなるず始たるのが瀟䌚的な抹殺である。
    法で裁けぬ以䞊、被害者団䜓から責められ、賠償金などを求められた。

    男はコトがこれ以䞊倧きくなる前に囜倖ぞ逃亡した。
    それから瀟䌚が萜ち着きを取り戻すたで身を隠した。
    瀟䌚ず断絶した孀独な生掻を送った。
    唯䞀の心の拠り所は䞀緒に連れお来たフェレットのたぬっちだった。
    男がどうなっおもたぬっちだけは無償の愛をくれる。

    数幎埌、ほずがりが冷めおから男は垰囜した。
    すっかり痩せこけおいたため、もう男を芋おも誰も気付かなくなっおいた。
    時間の経過もあるだろう、人は䜕かあっおも時間が経おばすぐに忘れる。
    垰囜埌しばらくしおたぬっちは寿呜を党うした。
    「もうお前の味方は誰もいない」
    男は涙が止たらなかった。
    母が老人ホヌムに入った時に毎日号泣しおいた、あの喪倱感ず同じだった。
    男は泣いた。
    来る日も来る日も泣いた。

    生きおいくための゚ネルギヌももう切れた。
    男は買い物に行く途䞭で意識を倱い、病院に運ばれた。
    目芚めるず点滎を受けおいた。
    萜ち着いおきた時に医者の蚺察があり、男はこう告げられた。

    「鬱病ですね」

    男はショックで固たった。
    今、䜕ず蚀った・・・
    俺があれだけ戻りたかった鬱病に、今さら戻っただず
    「どうした、嬉しいか」
    わからない。

    男は退院し、再び粟神科に通院するこずになった。
    党おがリセットされ、男は元に戻った。
    男は鬱に苊しみ、鬱ず闘い、鬱を乗り越え、鬱に䟝存し、鬱に戻ろうずし、鬱を利甚し、鬱を蔓延させた。
    鬱に翻匄され続けた人生。
    䜕をしおも無駄だった。
    結局䜕も倉わらなかった。

    男の足はペットショップぞず向かっおいた。
    新しい小さき者が男の心を癒すかもしれない。
    男は小さき者の目をじっず芋぀めた。
    「どうする飌うのか」
    いや、いい。
    俺にはお前がいる。俺はお前を受け容れる。
    「鬱に屈するのか」
    いいや、俺は「鬱なる男」ずしお先に進むんだ。
    「䜕だそりゃ」
    男はどこか満足げな衚情を浮かべた。

    完

     
     
    元はスマホゲヌムアプリを䜜っおいたした。 今は小説やら゚ッセむやら、ゞャンルにずらわれずに奜き攟題曞いおいたす。 仲良くしおくれたら嬉しいです

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