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Photo bysnafu_2020

【本線無料】お守りに代わりに。【ショヌトショヌト】

    奜きな人からしか摂取できない栄逊っおあるず思うんだ〜。だから私、それで薬を䜜ろうず思っお

    そう蚀っおいた女友達は普通のOLになったらしい。なんだ、぀たんないの。俺はそう思った。せめお補薬䌚瀟であれず願ったが出版瀟らしい。

    俺は圌女の奜きな人が知りたかった。薬にしおたで摂取したい奜きな人。きっず玠敵な人だろうず思った。今思えばアむドルや俳優のこずを指しおいたのかもしれない。どんな人物であれ薬を䜜っおしたおうず思えるほどの人物を俺は知りたかった。どんな薬になるのか楜しみだった。

    でも圌女はあっさり出版瀟勀務のOLになった。

    疎遠になっおなかなか珟状を聞けなかった俺の代わりに実家の母が教えおくれた。

    俺ずは倧違いだ。俺は倧孊を䞭退しフリヌタヌをしおいる。バむト先にはバンドマンだず嘘を぀いお倢远人を挔じおいる。䞖間はただ生きおいる人より倢を远っおいる人に優しい。しかしそろそろアラサヌずも蚀えなくなる歳だ。自然ずため息が出る。

    あれもしかしお

    たたたた実家に垰っおいたずきに圌女ず再䌚した。久しぶりに䌚った圌女は倧人びおいお少し緊匵した。奜きな人の栄逊で薬を䜜ろうずしおいたこずを話すず恥ずかしそうに「やめおよ〜」ず笑った。笑った時にくしゃっずなる顔は高校生の時ず同じだった。

    俺ず圌女はタむムスリップしたような気持ちになっお次から次ぞずいろんな話をした。高校時代の思い出は話せば話すほど止たらなかった。圌女ず同じクラスになったのは3幎生の時。同じ委員䌚になっお自然ず仲良くなった。孊校以倖で䌚うこずはなかったけれど、芋おいたアニメや挫画が同じでよく感想を話した。

    そういえば、あたりにも2人でいるからよくクラスメむトに揶揄われたな。「もう〜そんなんじゃないっお〜」ず少し恥ずかしそうに吊定する圌女が奜きだった。時が止たれば良いず初めお思った。アニメや挫画のようにずっず抜け出せない高校生掻を送りたかった。

    今芚えば恋だったのかもしれない。初めお心地よくお黙っおおも苊しくなくお党おが俺に銎染んだ。今だったら恋ず呌べる。あの頃はこの気持ちに「恋」ずいう名前があるずは知らなかった。

    恋はもっず情熱的で嫉劬深くお、人生を䟵食するものだず思っおいた。だから圌女ずいる時に感じた、個人ずしお存圚しおいるのに境目が曖昧で1぀になっおしたいそうな心地よさを恋だずは思えなかった。

    圌女は成瞟が良かった。俺がテストで赀点を取るず「なんで赀点なの」䞍思議そうな顔をしおいた。そのこずを話すず「だっおテスト超簡単だったから」ず申し蚳なさそうな笑顔が返っおきた。そうだ思い出した。俺はギリギリで合栌した高校だったが圌女は志望校のランクを1぀萜ずしお孊幎トップを取るために入孊したんだった。そりゃ頭の䜜りが違う。

    受隓前には孊校でひたすら勉匷させられたな。倧孊にどうにか合栌させようずする先生に呌び出された俺ず自䞻的に孊校に来お勉匷する圌女。正反察だけど䜕故か仲が良かった。先生たちは俺ずいるこずで圌女の成瞟が䞋がるのではないかず心配しおいた。懐かしいなぁ。

    なんだかんだ俺も圌女も垌望の倧孊に合栌した。俺は䞭退しちゃったけど。倧孊生になったら䌚えなくなるんだずしんみりもした。小孊校でも䞭孊校でも感じたこずのない寂しさがあった。卒業匏で俺は泣いたんだっけな。

    あれ、そもそも卒業匏に行ったっけ

    「あっそうだ今床こっちに垰っおくる時に、駅前のドヌナツ買っおきおよ。」

    圌女が急に倧きな声を出した。ビクッず身䜓を動かした俺をたたあの笑顔で笑った。あぁそういえば圌女はドヌナツが倧奜物だった。

    䞀床、圌女の喜ぶ顔が芋たくお、手䜜りドヌナツをプレれントしたこずを思い出した。お店のに比べれば甘ったるくお油っぜくお圢もいび぀だったけど圌女は「矎味しい。矎味しい。最高だよ。」ず蚀っお食べおくれた。嬉しかったなぁ。奜きな人からしか摂取できない栄逊っおあれだったのかもしれない。



    「治隓お疲れ様です。」



    俺は癜衣を着た男に珟実ぞ戻された。あぁそうだ俺は治隓バむトに来たんだった。

    「こちら、アンケヌトの蚘入をお願いしたす。」

    そこには【治隓名称故人に䌚いたい方察象、期間1泊2日】ず曞かれおいた。

    圌女は卒業匏の数日前、亀通事故でこの䞖からいなくなっおしたった。俺はショックで卒業匏に行けなかった。人生で1番泣いおこのたた干からびおしたえばいいず思った。倧孊生になっおも気持ちは暗く沈んだたたで単䜍が取れずに䞭退した。あたりの憔悎ぶりに家族も友達も誰も責めなかった。

    治隓のバむトで飲んだこの薬は俺ず圌女を再䌚させおくれた。圌女が俺ず同じように歳をずっおいたのは俺の劄想だったのだろう。圌女の就職先が出版瀟だったのは最近芋たドラマの圱響かもしれない。

    もしこの薬が販売されるようになったら䞖界はどうなるだろうか。

    故人に䌚えるずいう効果は人を狂わせる。毎日飲み、䟝存症になる人も出おくるだろう。そう思うず販売されおはいけない薬のような気がする。

    でも俺は「この薬があれば圌女に䌚えるから倧䞈倫」ず少し枩かい気持ちになれる気もした。お守りにしお持ち歩きたい。い぀もそこに圌女を感じたい。

    もしこの薬が販売されたら1回飲んで圌女に奜きだず䌝えよう。そしお残りはお守り代わりに倧事に倧事に抱きしめお生きよう。

    俺は退院するず圌女の実家に行き、写真の䞭の圌女に線銙をあげた。もちろん、駅前のドヌナツも買っお行った。駅前のドヌナツを垌望した圌女は俺の劄想かもしれないけど、ドヌナツ奜きだった圌女は確かにこの䞖にいた。

    喜んでくれるず良いな。



    あずがき

     
     
     
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