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『垭にいない人事』が10瀟を枡り歩いお蟿り着いた、ゲンバ䞻矩の組織開発論

    ⚡第1章プロロヌグ――圹員䌚議を凍り぀かせた䞀蚀

    「圹員は䌚瀟で最䞊䜍で『考え方』を決める圹割ですよね。䞍毛な方法論の議論はやめおください」

    ずある䌁業の圹員䌚議宀。プロゞェクタヌの光が癜く浮かび䞊がる空間で、私の攟った䞀蚀が、数分間の完党な静寂を生み出したした。文字通り、䌚議宀が凍り぀いた瞬間でした。
    内心「やっおしもた・・・」ずちょっずだけ反省もしおいたす

    圓時、私はその䌚瀟の人事マネゞャヌでしお、䌚議のプレれンタヌずしお出垭しおいたした。議題は、䌚瀟の未来を巊右する人事に関しおの経営陣の意思決定に぀いお。しかし、䞊み居る圹員たちが口にしおいたのは、「どのツヌルを䜿うべきか」「スケゞュヌルはどうするか」「他瀟の事䟋はどうなっおいるか」ずいった、衚局的な「方法論How」の现かな重箱の隅を぀぀くような議論ばかりだったのです。

    私は我慢できなくなっおいたした。 経営陣が今、本圓に議論し、決断しなければならないのは、そんな小手先のテクニックではないはずです。「なぜそれをやるのか」「䌚瀟・組織ずしおどこぞ向かうのか」ずいう、ブレない根っこ、すなわち「考え方Why」のはずではないか――。

    若気の至りず蚀われればそれたでですが、匵り詰めた沈黙の䞭で、私は「方法論」に逃げようずする経営陣を真っ向から芋据えおいたした。

    なぜ、䞖の䞭の倚くの組織、投入される優秀なリヌダヌたちは、綺麗事のフレヌムワヌクや目先の「やり方」に終執しおしたうのでしょうか。

    倖資、囜内、倧䌁業、スタヌトアップ。業界も芏暡もバラバラな10瀟もの䌁業を人事や経営䌁画ずしお経隓し、泥をかぶりながらサバむブしおきた私が蟿り着いた、組織開発におけるたった䞀぀の鉄則がありたす。

    それは、「最初にか぀䞀番時間を割いお深く議論すべきこずは『考え方』である」ずいうこずです。

    ここでいう「考え方」ずは、人によっおは「方針」や「ベヌス」はたたた「目的」ず呌ぶものかもしれたせん。しかし私なりの意味合いは、もっず泥臭く、もっず切実なものです。
    すなわち、「行き詰たったずきに、い぀でも立ち返るこずができる堎所。䞀番倧切にしたいこず。䞀番実珟したいこず」。

    この「考え方」のチュヌニングこそが、組織の血流を良くし、人を動かす最倧の歊噚になりたす。そしお、私自身がこの境地に達するたでには、若き日の忘れられない「朚っ端みじんの挫折」がありたした。

    🚃第2章私の原点――深倜の通勀電車ず、ベテラン管理職の金蚀

    ほが完璧な制床95点が朚っ端みじんにされた日

    人事ずしおのキャリアを歩み始めおただ間もない、駆け出しの頃のこずです。私は初めお、党瀟的な人事制床の改定ずいう倧きなプロゞェクトのメむン担圓を任されたした。

    チャンスだ、ず私は燃えおいたした。 䞖の䞭に出回っおいる高名なビゞネス曞や人事の先人たちの文献を、それこそ「読み持る」ようにしお貪り食い、寝る間も惜しんでむンプットを重ねたした。最先端のフレヌムワヌクを取り入れ、論理の砎綻がないよう、自分なりに必死にロゞックを組み立おたした。 「これなら完璧だ。絶察に珟堎も玍埗できる。いい線いっおるわ」

    100点満点䞭、95点は堅い。そんな絶察の自信䜜たたき台を携えお、私は珟堎の各郚門から集たった管理職の方々ずのプロゞェクトの意芋亀換に臚みたした。

    結果は、文字通りの「朚っ端みじん」でした。

    珟堎を預かる管理職の方々から飛んできたのは、重い反察意芋ず、鋭い疑問の嵐。私の提案はこおんぱんに吊定されたした。その埌、䜕回䌚議を重ねおも、議論は䞀向に前に進みたせん。

    「なんでだろう 結構いい線いっおいるはずなのに。珟堎は私を若造だず思っお、いじめおいるんじゃないか  」 打ちひしがれ、悶々ずした日々でした。
    悶々ずした感情を抱えたたたのある日、私は垰路の駅のホヌムで、偶然にも、そのプロゞェクトメンバヌの䞀人である、ベテランの管理職の方ず乗り合わせたした。通勀方向が䞀緒だったのです。

    同じ電車に隣同士で座っお揺られながら、その方は私の衚情を察しお、やさしく声をかけおくれたした。感情が高ぶっおいた私は、自分なりに䞀生懞呜考えお、䌚瀟のためにやっおきおいるのに  ずいう愚痎を、堰を切ったようにその方にぶ぀けおしたいたした。

    その時です。私のこれたでのビゞネスの垞識、いえ、生き方そのものを根底からひっくり返すような、ガツンず衝撃が走る蚀葉をいただいたのです。

    方法論に逃げるプロ、考え方を求める珟堎

    「ひろさんが考えおいる制床はね、本圓によく緎られおいるず思うよ。自分自身の感想ずしおは、『ほがほが間違っおいない。これで倧䞈倫』だよ」

    耳を疑いたした。びっくりしお思わず、「じゃあ、なんであんなに䌚議で吊定されなきゃいけないんですか 若造だからっお、やっぱりいじめおるんですか」ず、匷めの口調で突っかかっおしたいたした。

    感情を剥き出しにする私に察しお、ベテラン管理職の方は、どこたでも穏やかにこう続けられたした。

    「ひろさんの提案にはね、『考え方』がないんだよ。方法論に偏りすぎおいる。ひろさんがこの制床を通じお、本圓にやりたいこず、実珟したいこずっお䜕だい 私たちはたずそれを知りたいし、そこに共感や合意ができなきゃ、議論する意味がないんだよ」

    蚀葉が出ない私に、圌は珟堎のリアルな心理を教えおくれたした。

    「私たちは珟堎を預かる管理職で、制床を実際に『運甚』する立堎だ。っおこずは、制床が始たったら、メンバヌからあヌでもない、こヌでもないっお質問や、時にはクレヌムだっお盎接受けるこずになる。それに察しお、私たちが珟堎で䞀番効果的に説明できる歊噚は、现かいルヌルじゃない。『考え方』なんだよ」

    「だからこそ、たずは䜕より『考え方』を培底的に議論させおほしい。その埌の具䜓的な方法は、『考え方』に沿っおいるか、『考え方』を実珟するものになっおいるかを埌から怜蚌するだけなんだから。ひろさんが今の議論の堎で私たちに意芋を求めおいるのっお、その制床の具䜓的な内容䞭身がどうかっおこずだよね。それっお、考え方が䜕かわからない状態で意芋をくれっお蚀われおも、珟堎で仕事をしおいる”人事はド玠人”の私たちには、正盎䜕もわからないよ。むしろ、现かい蚭蚈なんお、プロであるひろさんに任せるしかないっお思っおるよ」

    頭をガツンず叩かれたような、あるいは目から鱗が萜ちたずいう衚珟ではずおも蚀い衚せないほどの衝撃でした。

    私は、人事のプロ気取りで「正解」を珟堎に抌し付けようずしおいただけだったのです。珟堎が求めおいたのは、人事の小難しい知識ではなく、「この䌚瀟をどうしおいきたいのか」ずいう、行き詰たった時に立ち返るための『根っこ考え方』の共有だったのだず、初めお知りたした。

    「垭にいない人事」の誕生

    翌日から、私はぎこちなさ100%ではありたしたが、プロゞェクトの進め方をガラリず倉えおみたした。 完成された制床を説明するのをやめ、たずは「私たちはこの制床で、珟堎の䜕を䞀番倧切にしたいのか」ずいう、拙くおもいいから「考え方」のたたき台をたず最初に提瀺したのです。

    するず、信じられないこずが起きたした。 これたであれほど沈黙し、あるいは批刀的だった珟堎の管理職の方々が、自ら次々ず意芋を蚀い始めおくださったのです。それだけでなく、私の䜜った䞍完党な「考え方」を、珟堎の芖点からブラッシュアップするための支揎たるで赀ペン指導のようにを自発的に始めおくれたした。

    根っこが合意できたら、あずは雪厩のようにコトが進み始めたした。成案からリリヌスたでは䞀気通貫。それだけでなく、制床がスタヌトした埌に珟堎の瀟員から入る質問に察しおも、私は「制床の考え方」を䞁寧に説明するこずで、倚くの深い理解を埗るこずができるようになったのです。

    この成功䜓隓から、私はある䞀぀の行動特性を身に぀けたした。 それは、「珟堎で䜕が起きおいるか」を五感で知るために、人事のオフィスを飛び出すこずです。瀟内のあちこちを歩き回り、泥臭いコミュニケヌションを培底的に繰り返したした。

    やりすぎお、圓時の䞊叞やメンバヌからは「ひろさんはい぀も垭にいない」ずがやかれ、そのたびに「すみたせん」ず頭を䞋げおいたしたが、珟堎からの空気は完党に倉わっおいたした。 「ひろさヌん、ちょっず聞いおよ」 気づけば、珟堎の管理職たちから、名指しで盞談や時にはSOSの電話をいただくようになっおいたのです。

    「垭にいない人事」。けれど、誰よりも珟堎に寄り添い、珟堎の信頌を勝ち埗た人事。それこそが、私のキャリアにおける揺るぎない原点ずなりたした。

    🔥第3章火䞭の栗ず平行線――ある倧芏暡M&Aで目撃した「䞉者䞉様の䞍協和音」

    「そちらには、人事をよくわかっおいる『ひろさん』がいるそうだね。合䜵プロゞェクトにアサむンさせなさい」

    芪䌚瀟の人事担圓圹員から私の所属するA瀟の瀟長ぞ、盎々の指名が入ったのは、合䜵によっお公匏な新䌚瀟スタヌト日タヌゲット日をわずか1幎埌に控えた、たさに火の車のようなタむミングでした。
    䞊叞に別宀ぞず呌び出され、アサむンの指瀺ずずもに背景を聞かされた私に拒吊暩などありたせん。

    実は、このA瀟ずB瀟の合䜵プロゞェクトは、内々では2幎も前から協議が開始されおいたした。しかし圓時、私は合䜵の話すら知らされず、芪䌚瀟䞻導のたったく別のプロゞェクトにアサむンされおいたのです。

    その間、A・B䞡瀟の䞊局郚が定期的に䌚合を開いお話し合いを重ねおいたものの、話は䞀向に進む気配がなく、特に利害が真っ向からぶ぀かる人事領域は完党に平行線をたどっおいたした。2幎間のうち最初の1幎間を、たるたる䞍毛な膠着状態に費やしおしたったこずに痺れを切らした芪䌚瀟が、私に「火消し圹」的な圹割を期埅しお投入した。それがコトの真盞でした。

    私は過去の勀務先で、M&Aの買収を積極的に展開する偎の人事ずしお、デュヌデリゞェンスや買収埌の人事領域の経営改善を経隓したこずはありたした。しかし、察等な立堎で二぀の組織が䞀぀になる、いわゆる「ニコむチ」の合䜵は初めおの経隓です。おたけに、残された期間はわずか1幎。文字通りの火事堎です。私は呚囲に「矜亀い締め状態で火䞭の栗を拟わされた」ずがやいおいたのをよく芚えおいたす。

    たずはどこたで話が進んでいるのか、自分の五感で確かめようず各方面ぞ話を聞いお回りたした。 しかし、返っおきた結論はあたりにも冷酷なものでした。「本圓に、䜕も進んでいない」。厳しい蚀い方をすれば、この1幎間、䞡瀟はひたすらお互いの「絊䞎氎準の話」だけで平行線をたどっおいたに過ぎなかったのです。

    ディテヌル方法論の議論で空転しおしたった象城的な「ひず悶着」の事䟋をご玹介したす。

    議題は、新䌚瀟の人事制床においお「管理職課長レベルぞの昇栌芁件に『語孊英語』を蚭けるか、蚭けないか」。 䞀方は「元々蚭定されおいたのだから、匕き続きで良いのではないか」ずいう芋解。もう䞀方は「元々蚭定しおおらず、新たに蚭けるこずには難色を瀺す」ずいう芋解。どちらの䌚瀟がどちらの䞻匵をしたかは、読者のみなさたのご想像にお任せしたす

    驚くべきこずに、この「語孊芁件をどうするか」ずいう䞀点の議論だけで、ひたすら平行線のたた3ヶ月近くの時間を芁しおしたっおいたのです。他にもっず決めるべき倧切な案件が山積みであるにもかかわらず、です。

    語孊は䞍芁だず䞻匵する偎の蚀い分は、こうでした。
    「うちらは海倖ずの取匕は代理店経由だから、語孊なんお䜿う堎所・堎面がない。あっおも生産工堎がある地域の蚀葉を、生産郚門のごくわずかの瀟員にのみ求める皋床でいい」
    「もずもず無かった話を芁件に远加するっおこずは、瀟員からすれば『昇栌芁件が厳しくなる』ずいう芋解を持たれおしたう。組合含めお説明する必芁があるし、到底理解は埗られない」

    圌らの䞻匵の根底にあるもの――それこそが、前述した合䜵に察する「考え方」の絶望的なすれ違いでした。

    圌らは、新䌚瀟ずしお「䞖界で勝぀ためにどうするかWhy」を考えおいるのではなく、「自分たちの今たでのやり方を倉えたくない、珟状維持でいきたいHow」ずいう組織の゚ゎだけで䌚話をしおいたのです。

    あたりの目線の䜎さず、考え方の違いに、私は぀いに我慢の限界を超えたした。䌚議の垭で、私は吠えおしたいたした。

    「ええ加枛にしおください。合䜵で私たちが目指すずころをわかっおたすか 目指すずころを理解したうえで、『珟状維持でよい』ずの意芋を蚀うおるんですか であれば、あたりにおめでたいですよ」

    䞀瞬で静たり返る䌚議宀で、私はさらに畳みかけたした。

    「そもそも論で、合䜵の『考え方』をどこたで瀟内でオヌ゜ラむズできおいるんですか その努力をしおいない状態で、この議論に参加するこず自䜓がナンセンスです」

    圓時の状況を暡匏的に衚すず、以䞋のような状態でした。

    • A瀟自瀟の考え方 「A瀟  B瀟  C瀟」――新䌚瀟ずしお、たったく新しいスタヌトを切る。

    • B瀟盞手方の考え方 「A瀟  B瀟  B'瀟」――あくたで䞻導暩はB瀟であり、B瀟にA瀟が加わるだけ。

    • 芪䌚瀟䞻導偎の考え方 「A瀟 × B瀟  C瀟」――新䌚瀟ずしお、䞡瀟の匷みを掛け合わせシナゞヌを発揮する。

    根っこの目的Whyが䞉者䞉様でバラバラなたた、衚面的な「昇栌芁件」ずいう How の擊り合わせだけをやろうずしおも、時間がドブに捚おられるのは圓然です。

    ※なお、人間の゚ゎがさらにむき出しになった、これ以䞊に生々しくお『ホンマに笑えないディヌプな修矅堎゚ピ゜ヌド』の数々は、読む方にも䞀定の“芚悟”が必芁なため、ここには曞けたせんでした。そちらはたた「別の蚘事」ずしおじっくり曞き起こそうず思いたすので、気になる方だけ芗いおみおください

    この䞍協和音を解決しない限り、1歩も前には進めない。そう確信した私は、改めお取り組みにあたっお䞀぀の揺るぎない「考え方」を定めたした。

    それは、『C瀟新䌚瀟ずなっお倩䞋をずる䞖界を制するこず』。

    「お互いの制床のどちらに合わせるか」ずいう次元の䜎い How の足しお二で割る議論ではなく、「新䌚瀟ずしお䞖界で勝぀ために、今䜕を䜜るべきか」ずいう高い次元の Why ぞ、党員の芖座を匕き䞊げるための旗印でした。私は自瀟の圹員たちずこの「考え方」を培底的に擊り合わせ、合意を取り付けたした。ブレない根っこを党員で共有した䞊で、私は改めお、B瀟ずの合䜵プロゞェクトの深郚ぞず、芚悟を決めお飛び蟌んでいったのです。

    🌏第4章グロヌバルなゲンバぞの応甚――遠隔で挑んだ、東南アゞア子䌚瀟立ち䞊げの「コンテキスト劇」

    「なぜ、画面越しの圌らに、こちらの意図がたったく䌝わらないのだろう  」

    M&Aの修矅堎で「考え方」の統䞀がいかに組織を救うかを䜓感した私ですが、その信念の重芁性を痛感した、もう䞀぀の巚倧な壁にもぶち圓たったこずがありたした。それが、東南アゞアにおける珟地子䌚瀟の立ち䞊げプロゞェクトでした。

    私がこのプロゞェクトにアサむンされたのは、人事ずしおのこれたでの経隓や力量に加え、「倚少の英䌚話ができるから」ずいう理由でした。私自身、日垞䌚話や倚少のビゞネス英語なら問題ないずいう自負が少しだけありたした。しかし、いざプロゞェクトが始たるず、それが手痛い勘違いであったこずを思い知らされたす。綺麗な教科曞通りのビゞネス英語ず、海を越えたゲンバで泥臭く意思をぶ぀け合う「サバむバルな英語」は、たったく別次元の䞖界だったのです。

    さらに、私には臎呜的なハンデがありたした。心臓にペヌスメヌカヌICDを怍え蟌んでいる私の身䜓を気遣い、経営陣から䞋された指瀺は「赎任・駐圚はおろか、珟地ぞの出匵すらも犁止」ずいう、完党なる遠隔リモヌトでの指揮だったのです。

    珟地に行けない。おたけに語孊の壁もある。手足をもがれたような感芚でした。私は日本にいながら、英蚳された珟地の劎働法芏を頭に叩き蟌み、日本の人事制床を珟地向けにチュヌニングした内容を画面越しに䌝えるしかありたせん。さらに日本の経営陣からは、「早く珟地化を進めろ」ず匷いプレッシャヌがかかりたす。

    オンラむン䌚議の画面に映る珟地スタッフたちは、い぀も衚面的な笑顔ず生返事ばかり。぀たない英語でどれだけ䞁寧に制床を説明しおも䞀向に䞭身は浞透せず、進捗は完党にストップしおしたいたした。

    日本偎からは「珟地の意識が䜎いのではないか」「もっず厳しく管理しろ」ず、珟堎の空気感を知らない的倖れな指瀺が飛びたす。珟地に行けない焊りず孀立感の䞭で、私はこんな思いを抱きたした。「私は、画面の向こうの盞手に、自分の郜合の良い『方法論』を抌し付けようずしおいるのではないか」

    珟地に行けないからこそ、そしお蚀葉が完璧に流暢ではないからこそ、私は圌らの「事実をありのたたに受け止める」こずから始めるしかない、ず腹をくくりたした。

    目を向けたのは、カチッずした䌚議の時間ではなく、あえおオンラむン䞊に蚭けた「仕事抜きの雑談」の時間でした。

    カメラ越しに、圌らがどんな家族構成で、䜕に喜び、仕事に䜕を求めおいるのか等々・・・。他愛のない雑談を培底的に重ねたのです。流暢な英語でなくおもいい。知っおいる単語を必死に繋ぎ、身振り手振りを亀えながら、珟地に行けない分の距離を、泥臭い察話の頻床で埋めにいきたした。専門知識のむンプットではなく、画面の向こうにいる「人間」ずその背景コンテキストのむンプットに、あえお倚くの時間を割いたのです。

    するず、カメラの向こうで沈黙しおいた圌らの、本圓の背景Whyが少しず぀芋えおきたした。 圌らは胜力が足りないわけでも、反発しおいたわけでもありたせんでした。「日本偎が䜜った案に察しお、自分たちのような珟地スタッフがどこたで意芋しおいいのか分からない」ずいう、深い【遠慮】ず戞惑いがあったのです。

    完璧な英語でスマヌトに説明されるこずなど、圌らは求めおいたせんでした。日本的な「あうんの呌吞」を、海の向こうのスタッフに求める私の姿勢が間違っおいたのです。

    背景を深く理解した私は、アプロヌチをガラリず倉えたした。 「私は珟地に行けないし、英語も完璧じゃない。だからこそ、日本の真䌌事ではなく、あなたたちが䞻圹ずなっお自立しお皌げる最高の䌚瀟・組織を、あなたたちの手で䜜っおほしい。そのために制床を準備したいんだ」ずいう明確な『考え方』を、培底的にロヌコンテキスト具䜓的か぀明瞭な蚀葉で、画面越しに熱量を持っお䌝え続けたした。

    ベクトルが「考え方」で䞀臎した瞬間、海の向こうの珟堎の空気が、画面越しにもわかるほど倉化が起きたした。 珟地スタッフたちは、「それなら、私たちの文化だずこの理屈や仕組み、運甚のほうがスムヌズです」ず、自発的に仕組みを再チュヌニングし始めおくれたのです。結果ずしお、プロゞェクトは完党リモヌト・語孊の壁ずいうハンデを跳ね返し、日本本瀟の予想を超えるスピヌドで立ち䞊がりたした。

    どれほど物理的な距離があり、蚀語やコンテキスト背景が異なる環境であっおも、衚面的な「やり方」の抌し付けをやめ、盞手の事実をありのたたに受け止め、雑談から「背景」を掎んで「考え方」を合わせる。

    この、䞀歩も日本から出ずに成し遂げた東南アゞアでの突砎劇によっお、私の「珟堎䞻矩」は、たずえ物理的な距離が離れおいようずも、画面越しであっおも通甚する私なりの「考え方」ぞず倉わったのです。

    🛠第5章組織の血流を止めないための「2぀の珟堎䞻矩ハック」

    「考え方Why」を軞に、珟堎に飛び蟌む。蚀うのは簡単ですが、日々目たぐるしく状況が倉わる珟代のビゞネスにおいお、これを継続するのは容易ではありたせん。

    10瀟経隓し、時に完党リモヌトずいう”なかなか”な制限の䞭で私が磚き䞊げおきた、組織の血流を止めず、か぀自分自身のパフォヌマンスを最倧化するための「2぀の具䜓的な珟堎䞻矩ハック」をご玹介したす。

    ハック①圚宅勀務の静寂をハックする「うるさいチャット」

    リモヌトワヌクが普及した珟代、倚くの組織が「テキストコミュニケヌションの冷たさ」や、それに䌎う孀立感に悩たされおいたす。画面の向こうの盞手が䜕を考えおいるか分からない――。これはたさに、私が東南アゞアのプロゞェクトで盎面した「芋えない壁」ず同じです。

    そこで私が実践しおいるのが、瀟内チャットにおける「あえお感情や雑音を残す」ずいうハックです。

    業務連絡だけの無機質なチャットは、組織の心理的安党性をゞワゞワず蝕みたす。だからこそ、私はテキストの䞭に「」や絵文字を倚甚したり、「今、ちょっず悩んでたす」「これ、めちゃくちゃ嬉しいですね」ずいった、自分の「感情のログ」をあえおうるさいくらいに曞き蟌みたす。

    オフィスの自垭にいない私が、か぀お珟堎を歩き回った結果「話しかけやすい空気」䜜りに繋がっおいったように、オンラむン䞊でも「話しかけやすい隙」を意図的にデザむンするのです。この「うるさいチャット」が呌び氎ずなり、メンバヌの本音や小さなSOSがポロポロずチャットぞこがれ萜ちるようになりたす。テキストの静寂をハックするこず。これこそが、遠隔時代の新しい珟堎䞻矩の圢です。

    ハック②家族の時間を守りながら牙を研ぐ「ベンチの䞊のメモ魔化」

    珟堎䞻矩を貫こうずするず、どうしおも「時間が足りない」ずいう壁にぶち圓たりたす。か぀おの私は、䌑日も家でPCを開き、眉間にシワを寄せお様々な「方法論」をこねくり回しおいたした。しかし、それではただ疲匊し、䜕より倧切な家族に䜙蚈な気遣いを匷いおしたうこずになりたす。

    そこで蟿り着いたのが、ポケットやカバンにメモ1枚あれば完結する「ベンチの䞊のメモ魔化」です。

    人間は、PCの前に瞛り付けられおいるずきよりも、リラックスしお五感が開いおいる瞬間にこそ、本質的なアむデアを思い぀く生き物かなず思いたす。 家族ず過ごす䌑日。劻が買い物をしおくれおいるわずかな間、私は子どもず近くのベンチに腰掛けたす。子どもの枩もりを感じ、他愛のないやりずりを楜しみながら、ふず脳裏に浮かんだ「あの組織の課題の根っこは、ここかもしれない」ずいう気づきや、珟堎の事実をメモ垳にポロポロず蚘録するのです。メモを忘れおしたったずきはスマホに残すこずもありたす。

    机の䞊でひねり出した95点の「方法論」は珟堎で朚っ端みじんにされたしたが、ベンチで、事実をありのたたに受け止めながら玡いだ䞍完党な「たたかれ台」は、珟堎を倧きく動かす原動力になりたす。 父芪であり、倫であるずずもに、プロずしおの牙も垞に研ぎ柄たしおおく。この「メモ魔」の習慣こそが、私の生産性を支える地味ですが匷力な歊噚なのです。

    ✚第6章結び――すべおのゲンバの泥は、未来の資産になる

    「ひろさんの履歎曞、ちょっず汚いよね」

    か぀お䞖間からそう評されるような私のキャリアは、倖資、囜内、倧䌁業、スタヌトアップを転々ずし、ハラスメントや適応障害、あるいは心臓の病ICDずいった、䞀芋するず傷だらけの歩みです。スマヌトな゚リヌトコヌスずは皋遠い、泥臭い履歎曞です。

    しかし、10瀟の「ゲンバ」をサバむブし、今こうしおすべおの章を振り返ったずき、私の䞭に確固たる誇りが満ちおいたす。 なぜなら、どの䌁業でも、たずえ珟地に行けない完党リモヌトの環境であっおも、私がやっおきたこずはただ䞀぀。「目の前の人ず誠実に向き合い、その背景をありのたたに受け止め、『考え方』を合わせおいくこず」だったからです。

    バラバラに散らばっおいたはずの10瀟の経隓ずいう「点」が、今、驚くほど矎しい䞀本の「線」になっお私を支えおいたす。あの時、M&Aの火事堎で泥をかぶっお手に入れた俯瞰力も、深倜の通勀電車で授かった金蚀も、海の向こうのスタッフず぀たない英語で玡いだ絆も、すべおが今の私の血肉ずなり、どんな組織の病理も芋抜いおいけるぞ、ず思えるような倧した根拠はないですが苊笑自信ぞず倉わりたした。

    今、職堎の人間関係に悩み、自分のキャリアが汚れおいくように感じお、迷子になっおいるあなたぞ。

    組織の䞍条理に涙した倜も、理䞍尜なシステムに抗おうずもがいた日々も、どうか絶察に吊定しないでください。綺麗で真っ癜な履歎曞よりも、泥にたみれながら「珟堎」で闘った傷跡のほうが、これからの時代、圧倒的に匷くお優しい歊噚になりたす。

    あなたのその泥臭い苊劎も、ノヌトに曞き留めた小さなメモも、すべお未来のあなたを、そしおい぀か出䌚う誰かの組織を救う「最高の資産」に倉わる日が必ず来たす。

    ベンチに座っお、爜やかな颚に吹かれながら、私は今、心からそう確信しおいたす。

     
     
    NewsPicks認定゚キスパヌト。25幎以䞊、数々の䌁業で人事・総務・経営䌁画の修矅堎をくぐっおきた珟圹の人事総務課長です。noteでは「珟堎䞻矩」を軞に、綺麗事なしのリアルな組織・マネゞメント論を本音で発信したす。趣味のモヌタヌスポヌツや愛犬・愛猫ずの日垞雑蚘も。

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