メインコンテンツへスキップ
見出し画像

飲み会で話す「仕事の話のトークデッキ」を作ってみた~自分用のデッキ作成法も公開~

    こんにちは。組み込みエンジニア/マネージャーのダンです。

    突然ですが、皆さんは職場の飲み会が苦手でしょうか?

    飲み会で、どこまで仕事の話をするべきかよくわからなくて、中々切り出せない。ただプライベートの話で盛り上がれるほど仲が深いわけでもない。いつも、隅でニコニコしているだけで終わるだけなので、最近は職場の飲み会にあまり行かなくなりました——そういう方も多いのではないかと思います。

    ところが、まったく逆のパターンで悩む人間もいます。

    私がそれです。私は飲み会での仕事の話が好きで、むしろしゃべりすぎてしまうことがあります。

    あるとき、部署内の打ち上げで同僚と飲んでいたら、気づけば特定の上司の悪口で2時間盛り上がってしまいました。その場は全員で笑いながら喋っていたので、ものすごく楽しかった。ただ問題は翌朝です。

    その上司と普通に打ち合わせをしなければいけない。昨日あんなに悪口を言っていたのに、「おはようございます」と普通に挨拶して、普通に議論して、普通に仕事を進める。心のどこかに「昨日言いすぎたかも…」というもやもやした感覚を抱えたままです。

    「何も話せなくて後悔するパターン」と「話しすぎて後悔するパターン」。

    一見逆に見えて、根っこは同じ問題だと思っています。それは「職場の飲み会で、どんな話をするべきかわかっていない」ということです。

    だから今回は、「職場の飲み会ではどんな仕事の話をすべきか」をトークデッキという形で本気で整理してみました。この記事を読み終わったら、自分の職場専用のトークデッキができているはずです。


    そもそも、飲み会で仕事の話ってするべき?

    整理の前に一つだけ触れておきます。

    「せっかく飲みに来たのに仕事の話はしたくない」という人もいれば、「職場の人と飲むんだから結局仕事の話になる」という人もいます。意見は分かれますが、私自身は職場の飲み会で仕事の話をするのはアリだと思っています。

    理由はシンプルで、トークするテーマをちゃんと考えれば飲み会で「楽しみながら、仕事のスキルアップ」できるからです。逆に飲み会でしか伸ばせないスキルや考え方も実はあります。それは具体的に何なのかは、また後でご紹介します。

    ただ一方で、飲み会で「何の話をするか」をその場のノリだけで決めていると、だいたいよくない方向に転がります。冒頭の「翌朝の気まずさ」は、基本的にライブ感で話した結果です。だから今回は、話す前に整理できる「トークデッキ」を作ってみました。

    画像

    仕事トークは「4象限」に分類できる

    飲み会における仕事の話は、2つの軸で4象限に分けることができます。

    軸①:話の主語が「人」か「組織」か

    「人の話」は職場に関わる特定の誰かに関する話。上司、同僚、取引先の担当者などです。「組織の話」は会社の仕組みや仕事のやり方に関する話。業務フロー、意思決定プロセス、部署間のコミュニケーション構造などです。

    軸②:内容が「ポジティブ」か「ネガティブ」か

    ポジティブな評価・感謝・提言なのか、ネガティブの評価・不満・愚痴なのかですね。

    そしてこの2軸を掛け合わせると、次の4象限ができます。

    画像

    ここから、それぞれの特徴を解説していきます。


    【安全でコスパ最高】人のポジティブな話

    職場への影響として、手堅く安全で良いのが「人のポジティブな話」です。

    • 「〇〇さん、あの案件で本当に助かったよね」

    • 「××さん、最近めちゃくちゃ成長してると思うんだよな」

    • 「表に出てこないけど、裏でずっと支えてくれてるんだよ、あの人が」

    こういう話って、仕事中に職場の席で座った状態では意外と言いにくいんです。面と向かって言うのは恥ずかしかったり、「ゴマをすっているみたいで嫌だ」という照れがあったりして。でも飲み会という場では、お酒の力も少し借りながら自然と出てきやすいですね。

    誰も傷つかないし、場も温まるし、後々の職場関係にも良い影響しかない。 もしこういった話が第三者を通じて本人の耳に入ったりすれば、関係性がさらに良くなることもある。まさにコスパが非常に高いカードです。

    画像

    具体的な出し方としては、こういったものがあります。

    感謝カード:「あの時の〇〇さんの一言、本当に助かった」「裏でずっと支えてくれてたんだよね」。職場では面と向かって言いにくい感謝を、飲み会という場で自然に届けられます。

    成長発見カード:「最近の〇〇さん、変わったよな」「あの人、伸びてると思う」。飲み会なら横並びの雰囲気で言いやすい。本人に伝われば大きなモチベーションになることもあります。

    失敗共有カード:「実は私もあの時こういう失敗をして…」。自分が先にさらけ出すことで場がほぐれ、相手も「実はあの時俺も…」と話しやすくなります。一見ネガティブなトークですが、人に対して共感を生むこのトークは、実はポジティブに分類されます。飲み会の序盤、まだ場がかたいときに特に有効なカードです。


    【依存性高め・要注意】人のネガティブな話

    逆に、最も盛り上がるけれどリスクも高いのが「人のネガティブな話」です。

    • 「あの上司、本当にひどいよな」

    • 「あの人、仕事できないんだよ」

    • 「あの関係部署、無責任なことばかり言ってるよ」

    …正直、こんな話は、本当に楽しいです。

    共通の「悩み」が見つかって、一体感みたいなものが生まれる。「そうそう!!」という反応が返ってくると、どんどん盛り上がっていく。私自身もよくやっていました。冒頭の「翌朝に気まずかった飲み会」も、まさにこれです。

    ただ、このカードには「依存性」があります。 一度やると止まらなくなる。盛り上がるからついつい出し続けてしまう。そして翌朝、後悔が残る。さらに悪い場合は、自分が言ったことが誰かを経由して広まって、職場の関係がギクシャクしてしまうケースも起こります。

    飲み会で繰り返せば繰り返すほど、無意識のうちにその人に対する壁ができていくものです。次に一緒に仕事をするとき、「昨日こんなことを言ったな…」という感情が邪魔をして、純粋に仕事に向き合えなくなることもある。

    思っていても口に出さない方がいい。出すなら一言程度にとどめて、深堀りしない。 これくらいのコントロールができると、後々の仕事関係に傷をつけずに済みます。

    画像

    【実は最強カード】組織の話

    私が個人的に最も好きで、後々の職場関係にとっても最も価値があると思っているのが「組織の話」です。

    • 「書類の承認フロー、手作業が多すぎて非効率だよな」

    • 「あの会議、毎週やる必要ある?もっと頻度落とせるんじゃないか」

    • 「あのプロジェクト、うまくいったのはあの段階での情報共有があったからだよな」

    こういう話は、ポジティブ・ネガティブどちらから入っても議論に発展しやすいです。「そうだそうだ」と乗ってくる人もいれば、「でも全部デジタル化しても運用が追いつかないだろ」という反論が来ることもある。でも実は、この反論がいいんです。

    飲み会という場では「自分たちには直接の責任がない」という気楽さがある。その状態で仕事の構造について話すと、普通の会議では絶対出てこないような本音ベースのアイデアが生まれてきます。

    こういった議論を通じて、仕事への「主体性」みたいなものが生まれます。「俺たちの仕事について、俺たちで考えた」という感覚。仕事への向き合い方が、飲み会の議論を通じて少し変わることがある。

    これが冒頭でお話しした「飲み会でしかおこらないスキルアップ」です。

    このトークをうまく活用すれば、楽しみながら仕事のスキルアップを両立することができるでしょう。

    画像

    具体的なカードとしては、

    改善提言カード:
     「あのフロー、こうすれば効率的になると思うんだけど」
    再現性の話カード:
     
    「あのプロジェクトがうまくいった理由、こういうことだと思う」
    未来の話カード:
     
    「うちのチーム、将来こういう方向に行ったらいいと思う」

    などが出しやすいですね。 特に再現性の話は、翌日の仕事にそのまま使えるような話になることも、多いです。

    ただ、「場の空気を選ぶ」難しさもあります。みんなが仕事を忘れたい雰囲気のとき、いきなり組織論を語り出すと、場が凍ります。だから出せると判断したなら迷わず出す。これが4象限の中で一番、後々に価値が残るカードです。


    優先順位で整理するとこうなる

    ここまでをまとめると、飲み会での仕事トークには明確な優先順位があります。

    第1位:組織の話(ポジ・ネガどちらでも)
    → 場を選ぶが、後々の職場関係も仕事への主体性も両方良くなる

    第2位:人のポジティブな話
    → 誰も傷つかない。コスパが高い。飲み会だからこそ言いやすい

    第3位:人のネガティブな話
    → 盛り上がるが依存性がある。翌朝に気まずさが残るリスクがある

    盛り上がる順序は、このちょうど逆です。
    だから何も準備していないと、気づけばネガティブな人の話に流れてしまう。「なんでこういう展開になったんだろう」という飲み会が生まれる理由がここにあります。

    画像

    事前にトークデッキを整理しておくことで、「この場ではこのカードを出す」という判断がその場で素早くできるようになります。

    私がよくやるのは、まず序盤に「失敗共有カード」や「感謝カード」で場をほぐしながら、席が温まってきたら「組織・プロセスの話」に移っていくという流れです。相手の反応を見ながら、手持ちのカードを少しずつ出していく感じ。この流れができると、飲み会の後に「いい話できたな」という感覚が残ります。


    自分のカードを作る方法

    「そんなに話のネタがない」という方もいるかもしれません。
    ただ仕事をしていて、何も思わないという人はいないはずです。

    自分が普段の仕事の中で感じることを「批評」として書き出して、4象限に振り分けてみてください。ポジティブでもネガティブでも構いません。それだけで、自分がどのカードを持っているかが可視化されます。

    「最近の後輩が急に成長した気がする」
    → 人×ポジティブ(成長発見カード)

    「あの会議、毎回内容が同じで無駄だ」
    → 組織×ネガティブ(改善提言につながる)

    「あのプロジェクトは情報共有が機能したからうまくいった」
    → 組織×ポジティブ(再現性の話)

    「あの上司のあの発言、本当に理解できない…」
    → 人×ネガティブ ← ⚠️ 出すなら慎重に

    こうして自分のカードを整理しておくと、飲み会の席で「何を話そうか」と焦る必要がなくなります。「この場の空気なら、このカードが出せそうだ」という判断が、自然とできるようになってきます。

    画像

    もう一つ大事なことをお伝えすると、「ライブ感で決める」のと「場の空気を読む」のは別物です。手持ちのカードを事前に整理した上で、その場の雰囲気に応じてどれを出すかを選ぶ。これが「場の空気を読む」ということです。何も準備せずに流れに任せるのとは全く違います。

    準備があるから、その場の柔軟な対応ができる。飲み会前に5分、自分のカードを整理するだけで、その後の気持ちが全然違ってくるはずです。


    おわりに

    冒頭でも述べましたが、私は飲み会での仕事の話が本当に好きです。

    特に「この仕事ってこうあるべきだよね」という議論になると、本当に楽しい。周りにそこまで熱量がなくても、一人でも同じくらいで乗ってきてくれる人がいると、その人とずっと話し込んでしまうことがあります。もちろん、そういう空気じゃないときは全然話しません。飲み会はあくまで場の空気を見ながら、出せるカードを出していく。そのスタンスが大事です。

    「何をしゃべるか」を事前に整理しておくだけで、飲み会はただの消耗イベントではなく、「翌日の仕事関係も良くなる場」に変わっていきます。職場の飲み会が苦手な方も、しゃべりすぎてしまう方も、ぜひ自分なりのトークデッキを一枚作ってみてください。

    ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
    この記事が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。


    このnoteでは、エンジニア歴15年以上の私が、

    •  「明日から仕事がちょっとラクになるコツ」

    •  「もっと早く知りたかった、現場の失敗パターン」

    •  「現場で働く業界人の一次情報」

    をノウハウとして発信します。

    主に書いているテーマは、以下の4つです。

    1.  組み込みソフトウェアエンジニア向け

    2.  ソフトウェアエンジニア全般向け

    3.  一般的な仕事術・マネジメント・管理職

    4.  日々の気づきと雑感 (※たまにゆるく書いてます)

    内容は全て原体験がベースです。その中から仕事で使えそうなエッセンスだけを凝縮して、わかりやすくお届けしています。

    もし、こんなコンテンツにご興味あれば、『フォロー』いただけると大変うれしいです!

     
     
    組み込みソフト開発15年|エンジニア→マネージャー。 教科書ではなく、明日の仕事がちょっと楽になる実践知をお届けします。 内容:  エンジニア、マネジメント、仕事術、生成AI・DX、etc... ※書籍紹介はAmazonアソシエイト等のリンクを含みます。

    あなたへのおすすめ