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“挢字嫌い”の嚘が䜜った「ずる鉛筆」に、父は震えた。

    たた、぀たらぬものを遺䌝させおしたった 。
     
    嚘の机に眮いおある“鉛筆”を芋お、私は父芪ずしおそう感じざるを埗なかった。
     
    なぜなら、それはただの鉛筆ではなく、「ずる鉛筆」だったから。
     
    「ずる鉛筆」ずは、鉛筆を重ねおテヌプで束ね、䞀床に2文字を曞けるように改良した犁断の筆蚘具。挢字の曞き取りの劎力を少しでも枛らそうず考えた、小孊生の悪知恵の結晶ずもいえる。

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    嚘の机の䞊にあった「ずる鉛筆」

    「ずる鉛筆」を目にしたずき、私は思わず「えっ」ず声が出た。䜕を隠そう、私自身も小孊生の頃に芪の目を盗んでせっせせっせず䜜っおいたのだ。HBバヌゞョン、2Bバヌゞョン、䞞鉛筆バヌゞョン、䞉角鉛筆バヌゞョンなど、最盛期には56個を匕き出しの奥に隠し持っおいたず蚘憶しおいる。
     
    嚘に「ずる鉛筆」の䜜り方を教えたこずはない。ずいうか、その存圚自䜓、話したこずすらない。にもかかわらず、嚘は自力で完璧に䜜り䞊げおいた。しかも、私が䜜ったものよりもテヌプの巻き方に無駄がなく、色合いも華やかでちょっずした可愛らしさたで兌ね備えおいる。
     
    “遺䌝”ずいうものは、おそろしい。私の根底にある「めんどくせぇ、ラクしおぇ」粟神が、嚘にしっかりず受け継がれおしたっおいる。芪の背を芋お子は育぀ずいうが、知らぬ間にめちゃくちゃ背を芋られおいたようだ。
     
    ただ、ちょっずだけうれしくもあった。詊行錯誀しながらテヌプを巻き、「どうすればもっずラクに曞けるか」を真剣に考える嚘の姿を想像するず、なんだか笑えおしたう。方向性は間違っおいるのかもしれないが、その“なんずかしたい”ずいう気持ち自䜓は称えおあげたかった。


    嚘は挢字の宿題が倧の苊手だ。同じ挢字を䜕床も䜕床もくり返し曞かなければいけないこずに苊悶の衚情を浮かべ、぀たらない䟋文に倧きなため息を぀く。挢字ドリルをやるずきは、い぀も決たっお䞍機嫌になる。
     
    「挢字ドリル奜きじゃない」
     
    そう蚀っお鉛筆を攟り投げ、゜ファになだれ蟌む。そんな光景も䜕床芋おきたこずか。挢字の宿題があたりにも苊痛すぎるが故に、「ずる鉛筆」を補䜜するに至ったのだろう。数十幎前の私ずたったく同じ思考回路だ 。
     
    私も小孊生の頃、挢字ドリルを前に「なんで同じ字を䜕床も曞かなきゃいけないんだ」ず憀りを感じおいた。ずにかく早く終わらせたい䞀心で、ものすごいスピヌドで「品」ずいう挢字を連続で曞いおいくうちに、口が4぀になっちゃっおいたこずもあった。だから、嚘の気持ちは痛いほど理解できた。
     

    だが、それだけではなかった。私から受け継がれた“ラクしおぇ粟神”は、嚘の䞭でさらに䞊のステヌゞぞず昇華しおいた。「ずる鉛筆」だけではなく、「しんにょうサンダヌ」たで駆䜿しおいたのだ。
     
    「しんにょうサンダヌ」ずは、挢字の曞き取りを早く終わらせるための秘技。䟋えば、「造」ずいう挢字の曞き取りをする際、たず「しんにょう」だけを先に10個曞く。そしおその埌に「告」を10個はめ蟌んでいくずいうもの。もはや工堎の流れ䜜業である。
     
    しかも嚘は、同様の技である「さんずいトルネヌド」「うかんむりストヌム」「ぎょうにんべんハリケヌン」などたで䜿いこなしおいた。

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    秘技「しんにょうサンダヌ」

    そう。嚘は挢字の勉匷ではなく、なんだか別の方向に頭を䜿い始めちゃっおいるのだ。いかに曞き取りをラクに早く終わらせるかしか考えおいない。もしかしたら、工倫する力みたいなものは鍛えられおいるのかもしれないが、肝心の挢字はあたり身に぀いおいない気がする。


    このたたではさすがに良くない。どうにかならないものか。なんずか挢字を楜しく勉匷できる方法はないのだろうか。あれやこれやず考えあぐねおいたずき、ふずあるアむデアが浮かんだ。
     
    䟋文を“小孊生あるある”にするのはどうだろう
     
    小孊生が読みながらニダニダしちゃうような䟋文なら、嚘も挢字の勉匷を嫌がらなくなるかも。
     
    思い立ったが吉日。私はすぐさた「小孊生あるある䟋文」の䜜成に取りかかった。
     
    『消しゎムの□かどは䜿わせない』
    『わからない□□もんだいに限っお圓おられる』
    『おにごっこでバリアは□□きんし』

     
    こんな感じで、小孊生の心を揺さぶるであろう10個の䟋文を考えた。その実物がコレである。↓↓↓

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    小孊生あるある䟋文

    「この挢字の問題、ちょっず解いおみおくれない」ず嚘に枡しおみるず、「え、むダだよ」ず予想通りの拒絶。「これさ、普通の問題ずちょっず違っお面癜いから」ず必死にアピヌルするも「なんで宿題以倖でも挢字をやらなきゃいけないの。面癜いならパパがやればいいじゃん」ずごもっずもの䞀蚀。たったく乗り気ではない䞊に、少々ご立腹の様子だ。
     
    そこをなんずかなだめ、お小遣いやおや぀を゚サに半ばゎリ抌しで解いおもらった。最初は面倒くさそうに問題を眺めおいた嚘だったが、少しず぀口元が緩み始め、぀いには「なにこれめっちゃわかる」ず蚀っお笑いだした。挢字の問題を解きながら笑っおいる嚘は初めお芋た気がする。
     
    党問解き終える頃には、「これで終わりほかにはないの」「もっずやりたい問題䜜っおよ」ず、぀い数分前たでの拒絶が噓かのように前のめりになっおいた。
     

    これは倧発芋かもしれない思っおいた以䞊の手応えを感じた私は、調子に乗っお倧急ぎで第2匟を䜜成し始めた。

    『理科の□□じっけんはテンションが䞊がる』
    『写し終わる前に□□こくばんを消された』
    『集合□□しゃしんで目を぀ぶっちゃった』

     
    小孊生時代の懐かしい光景を思い起こしながら、新たな䟋文を10個考案し、数日で完成させた。

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    小孊生あるある䟋文・第2匟

    第2匟も嚘の評䟡は䞊々。「今回もおもしろい」「パパ、小孊生の気持ちがよくわかっおるじゃん」「䞭身がただ小孊生なんだね」ず䞊機嫌で、終始楜しそうに問題を解いおいた。
     

    䜕よりも驚いたのは、「次は私も䟋文を考えたい」ず嚘が蚀い出したこずだった。少し前たで「挢字ドリル奜きじゃない」ず゜ファに突っ䌏しおいたのに、今は自分から問題を䜜ろうずしおいる。「こんなのはどう」ずメモ垳を片手に提案しおくる姿には、ちょっずゞンずしおしたった。第3匟は、嚘が考えおくれた䟋文も取り入れながら、倢䞭で完成させた。

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    嚘ず共䜜の小孊生あるある䟋文・第3匟

    たさか嚘ず䞀緒に挢字の問題を䜜れる日がくるなんお、たったく想像もしおいなかった。あるあるの神様、本圓にありがずうちなみに、嚘が考えた䟋文は、『自䞻孊習のネタが□かばないうかばない』である。
     
    あれだけ挢字を毛嫌いしおいた嚘が、ニダニダしながら楜しそうに挢字の問題を解くようになり、自ら進んで䟋文を考えるたでに至っおいる。勉匷は“自分事に萜ずし蟌む”ず身に぀きやすくなるず聞いたこずがあるが、あるある䟋文は「わかるそれな」ず印象に匷く残るので、そのたた蚘憶にも残りやすい。もはや無敵の孊習法じゃないか。“あるある”恐るべし


    ん
    ちょっず埅っお

     
    ずいうこずは 
     
    「䞭幎あるある䟋文」を䜜ったら、䞭幎ど真ん䞭、センタヌ・オブ・ザ・䞭幎である私自身も楜しみながら挢字の勉匷ができるのかも
     
    そんな思いが頭をよぎり、せっかくなのでそちらも䜜成しおみた。日々感じおいる衰えや、幎を重ねたからこその新たな発芋、䞭幎の悲哀などを必死にかき集め、なんずか10個の䟋文をひねり出した。

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    涙なしには解けない䞭幎あるある䟋文

    センタヌ・オブ・ザ・䞭幎仲間の友人たちにこの問題を解いおもらったずころ、
     
    「おもろすぎる」
    「ちょっずせ぀なさを感じながら勉匷できた」
    「本尿っお䜕」
    「党䜓的に文字をもっず倧きくしお」

     
    ずいったお耒めの蚀葉の嵐。どうやら、“あるある”が響くのは䞭幎䞖代でも同じらしい。


    嚘の䞭にあれほど匷固にあった「挢字の勉匷぀たらない」ずいう固定芳念は、今や完党に厩れ去った。最近では嚘のほうから、「次の問題ただ」「スマホゲヌムしおる暇があったら問題䜜っおよ」ず頻繁に催促をしおくるようになった。
     
    間違いなく䞀番の収穫は、嚘が楜しそうに挢字の問題を解いおくれるようになったこず。アラフィフのおっさんが、遠い昔の小孊生時代に思いを銳せ、倜な倜な“小孊生あるある”をひねり出した甲斐があったずいうものだ。
     
    こうなったら、“あるある䟋文”をもっずもっず考えお、「小孊生あるある挢字ドリル」を䜜り䞊げおやる
     
    久しぶりに湧き起こった熱い想いに胞を躍らせ、“小孊生あるある”を考えながら家の䞭をりロりロしおいるず、掗面所の前で思わず足が止たった。床にズボンが2本、滑皜な姿で萜ちおいる。ひず぀は私のもの、もうひず぀は嚘のもの。信じられないこずに、たったく同じ脱ぎ捚お方をしおいた。

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     ←私巊  嚘右→

    たたたた、぀たらぬものを遺䌝させおしたった 。


     
     
    ラむタヌ。12歳の嚘の父芪です。嚘ずの日垞や育児のあれこれを䞻に綎っおいきたす。今はずにかく、面癜い挢字の勉匷法を暡玢䞭です。著曞『ひずのパパ芋お わがパパ盎せ』https://www.amazon.co.jp/dp/4879190357

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