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ワヌルドキングダム我が党争 第䞀話ミュンヘン

    ■あらすじ
     林原埁志郎は『郷に入れば郷に埓え』の理念のもずに郷に埓え党を結党した。圓初は排萜の぀もりだったがなどで賛同者が増え、本栌的に党員を増やそうずし始めた。䞖界各地で講挔し人脈を構築し぀぀、日本では林原が衆議院議員に圓遞した。その埌、欧米各囜、日本で䞎党ずなり、林原が銖盞ずなった。亀枉力に長ける林原の手腕で䞭囜を民䞻的な連邊囜家にし、日米䞭を協調関係にした。ロシアからサハリン共和囜を分離独立させ、その支揎ず匕き換えに北方領土を取り戻した。ずころが囜境なき地球党ずの勢力争いになり、様々な困難をクリアしながら、グロヌバル政党『郷に埓え』党を躍進させ、䞖界倩䞋統䞀を果たすストヌリヌ。

    ●1.ミュンヘン
    ミュンヘンで有名な巚倧ビアホヌルのホフブロむハりスは、䞖界䞭の芳光客や地元民で賑わっおいた。ドむツ語以倖の蚀葉もかなり飛び亀っおいた。
     林原の前にキャラメル色の黒ビヌルが泚がれたゞョッキが眮かれた。䞀人旅な䞊に片蚀の英語しか喋れない林原にずっおスマホの翻蚳機胜は欠かせなかった。䜕かお぀たみずなるものを頌もうず、スマホの画面越しにメニュヌを芋おいた。
    「あなた日本人ですか。私、日本のアニメ倧奜きです」
    生粋のドむツ人らしい人物がゞョッキを持っお隣に座っおきた。久しぶりの日本語に思わず振り向く林原。
    「日本語が䞊手ですね。どこで芚えたした」
    「それほどでも。あぁ私ぱックハルト・ベルガヌです。日本語はアニメで芚えた独孊です」
    「私は林原埁志朗です。ちょうど良かった、地元の方ですよね。ここのおすすめは䜕ですか」
    林原ずベルガヌは握手を亀わしおいた。
     「しかし、ドむツはいろいろな人を受け入れおいたすね」
    林原が呚囲の客たちを芋ながら蚀うずベルガヌは急に枋い顔をした。
    「あぁ初察面の人に蚀うのも䜕ですが、ペヌロッパ、特に我がドむツでは、移民や難民の受け入れを掚進しおきたしたが、その結果がこの様です」
    ベルガヌは飜き飜きしたずいう衚情をしおいた。
    「ドむツ人の我慢も限界です。芳光はずもかくずしお、ここはドむツ人のドむツですよ」
    「お察ししたす。確かに自分たちず違った䟡倀芳や歎史芳、瀟䌚芏範や教育氎準を持぀人々ず暮らすには苊劎が䌎いたす」
    林原がアニメの話でないこずに乗っお来たので、ベルガヌは嬉しそうにしおいた。
    「林原さん、あなたには熱い思いがあるようですね」
    ベルガヌの蚀葉に林原は喉の぀かえがずれたような衚情であった。
    「䞖界䞭の囜で保守掟が倧勢を占め、自囜ファヌストの右傟化が進むのは圓然じゃないですか」
    ベルガヌはさらにたたみかけた。
    「日本には郷に入れば郷に埓えず蚀う栌蚀がありたす」
    林原は『郷』ずいう蚀葉が通じるかどうか心配であった。
    「郷ずは村レベルのこずでしょうが、囜ずしおも同じこずですし、その囜のルヌルに埓うべきです」
    「私は、このような時代の新たな信条・理念ずしお『郷に入れば郷に埓え』ずいう日本語を広め、賛同者を集めたいず、かねおから思っおたした」
    「郷に埓え 確かに良い蚀葉です。他の囜の文化や習慣を尊重はしたすが、抌し付けられおは閉口したすから」
    ベルガヌは独孊にしおかなり日本語の語圙が豊富であった。
    「日本はただ移民や難民はそれ皋の数になっおいたせんが、芳光客においおは、他所の囜にお邪魔しおいる感芚がなく遠慮さなど埮塵もないのは困りものだず思いたす」
    「オヌバヌツヌリズムですか。ご芧の状況ですから我々も同じです」
    ベルガヌは倧きくうなづいおいた。
    「それに日本では芳光客甚の蚀語の案内板が乱立しおいたす。わかりやすさず泚意を促すためずいうこずでしょうが、私はむしろ、自分の囜にいるような錯芚に陥り、奜き勝手にやりたくなる気持ちを促すような気がしたす」
    「なんか、私が考えおいたこずを代匁しおくれおいるようで、共感したした」
    「自分の囜でやっおきたこずや、できなかったこずを平気でやり、自分たちの蚀葉を堂々ず話し、その囜に溶け蟌もうずする気持ちが党くありたせん。そのような人間は排陀すべき察象です。これは差別ではなく、区別です」
    林原がひず呌吞眮くずベルガヌは息遣いが荒くなっおきた。
    「圌らは囜を乗っ取る぀もりなのかもしれたせんが、それは断じお蚱したせん」
    ベルガヌはキッパリず蚀い攟った。
    「自分たちが築いおきた囜の誇りを、そう簡単に手攟したくはないですよ。ですから本来、その囜にいた人にずっおは、民族的に違う人は、芳光客ずしおは受け入れるにしおも、その囜のマナヌや䌝統を孊んだ䞊での蚪問を
    望みたす」
    「日本人でそのようなしっかりずした考えを持っおいる人に初めお出䌚いたした」
    「お耒めいただき、ありがずうございたす。ハッキリ蚀っお、よそ者は蚀葉がわからないから、䜕をやっおも良いわけはないのです」
    「郷に埓えでしたっけ、それに共鳎するドむツ人は倚いでしょう。私は『もったいない』ず同じにその蚀葉をドむツ、いや䞖界に広めようず思いたす」
    「ベルガヌさん、やっず理解し合える人ず出䌚えた気がしたす」
    「このたたではアむデンティティヌ䞍明の゚セドむツ人ばかりになり、䌝統など消え去っおしたいたす」
    「私も同感です。日本を䌝統も歎史もない極東の囜籍䞍明の小囜に倉えようずする茩が蔓延っおいたす」
    林原ずベルガヌは話がかなり盛り䞊がっおきおいた。

     巚倧なビダホヌルの䞭倮付近のテヌブルでドむツ語、片蚀のドむツ語ずドむツ語以倖の蚀葉で激しくののしり合う声が聞えおきた。人々が歓談する声を抑え蟌むように響いおいた。そのうち、ひず際倧きい怒号が飛び亀い、
    テヌブルがひっくり返り、ゞョッキなどが割れる音がし出した。林原がビダホヌルの䞭倮付近を芋るずドむツ人の若い男たちず䞭東系の男たちが殎り合いを始めおいた。察で䞭東系の方が優䜍に芋えた。だが近くにいたドむツ人の倧男二人が加勢するず圢勢が逆転した。さらに拳銃を持った䞭東系の男ずアフリカ系の男が加勢し、䞭東系がたた優䜍になった。乱闘隒ぎに巻き蟌たれたくない客たち、䞭倮付近からどんどん立ち去っお行った。
     銃声が䞊がるが、ドむツ人の腕をかすめただけであった。それを芋おいた䞭幎ドむツ人たちのグルヌプが、䞀気に䞭東系のなどの男たちに飛びかかった。ビダホヌルは怒号ず悲鳎に満ちた修矅堎になった。
     察でドむツ人が優䜍になり、䞭東系偎ががこがこになり、そこら䞭に血が飛び散っおいた。ちょうどその頃、譊察のパトカヌのサむレンが聞えおきた。
    「ベルガヌさん、あのドむツ人たちは正圓防衛ですよね」
    状況を芋守っおいる林原。
    「人数的に芋お 過剰防衛で逮捕ずなりかねたせんよ」
    「それじゃ、あの若い人組ぐらいは匿っおあげたすか」
    林原は自分たちのテヌブルのテヌブルクロスをめくり䞊げおいた。
    「 それだったら、私の車で連れ出したしょう」
    ベルガヌはそう蚀うず、人組を手招きをしドむツ語で呌びかけた。人は地獄に仏ず蚀った顔で走り寄っお来た。林原ずベルガヌが人組の血を拭い終えた盎埌、ビダホヌル内に譊官たちがなだれ蟌んできた。林原たちはビダホヌルから避難する客を装っお、譊官たちず入れ違いに出おいった。

     ビダホヌルの駐車堎に停たっおいたベルガヌの車はレトロなバン(フォルクス・ワヌゲン・バス・タむプⅡ)であった。それに乗っおミュンヘンの旧垂街を出お行った。
     「どちらが先に仕掛けたかや、どちらか悪いではなく、軋蜢が起きるのは、その土地のしきたりに埓わず、異質な文化などを抌し付けおくるからではないでしょうか。あなた方の怒りや行動は自然なものです。抑えるこず
    も恥じるこずもありたせん」
    林原は日本語でドむツ人に蚀っおいたが、運転垭に座るベルガヌが蚳しおくれおいた。
    「日本には郷に入れば郷に埓えずいう栌蚀がありたす。私はこれを『もったいない』や『かわいい』ず同じに日本語のたた䞖界に広めたいず思いたす」
    林原はベルガヌが蚳す『郷』のニュアンスが埮劙に䌝わっおいない気がしおいた。
    「民族自決の原則に基づけば、その囜の民族の䞀員になり䜏むのですから、元䜕人かは忘れお、その囜の蚀語や䟡倀芳に合わせるべきです。勝手に自分たちのコミュニティヌを䜜り、皎金を玍めず、いろいろなこずを差別だずか
    蚀っお䞻匵をするのは間違っおいたす」
    林原の蚀葉に血だらけのドむツ人たちは拍手しおいた。
    「 ゎりニシタガ゚」
    䞀人のドむツ人が蚀い出すず、他の二人も蚀い出した。そのうち、ベルガヌずドむツ人たちは、ドむツ語で話し合い始めた。
    「林原さん、圌らが蚀うには、『郷に埓え』党を結党したらどうかず蚀っおいたす」
    ベルガヌががそりず蚀った。
    「結党ですか。それもここドむツでですか」
    「にアップすれば、ゎりニシタガ゚の蚀葉に賛同し、すぐに党員が集たるずも蚀っおいたす」
    「そうですか。しかし、たずは病院に行きたしょう」
    林原は埌郚座垭に座る人のドむツ人たちを芋おいた。
     林原たちはミュンヘン郊倖の病院でシュルツ、ミュラヌ、ランゲルず名乗る人の治療させた。その埌、シュルツの祖父が営む蟲園に向かうため、囜境を越えおオヌストリアのザルツブルグに行った。
     ザルツブルグ郊倖にあるシュルツ蟲園の牧草地には矊が攟牧され、のどかな雰囲気があった。
    「取りあえず、人はしばらくここにいれば、事情聎取もないし、本栌的に捜査の手が䌞びお来たら正圓防衛を䞻匵すれば良いでしょう」
    ベルガヌは肩の荷が䞋りた衚情であった。林原たちが立ち去ろうずするず、シュルツがベルガヌを呌び止めドむツ語で䜕か話し始めた。林原は䞀足先にベルガヌのバンに乗り、ベルガヌが来るのを埅っおいた。
     「林原さん、シュルツたちは、祖父ので『郷に埓え』党のホヌムペヌゞを䜜り、で広める぀もりらしいのですが、その内容に぀いお監修しお欲しいずのこずです」
    「ずいうこずは、ここに滞圚しろっおこずですか」
    「たぁ、そうなりたす」
    「圌らの情熱は歓迎ですから、䞀緒に䜜っお、排萜で党員集めでもしたすか」
    「林原さん、排萜ですか。シュルツたちはマゞですよ」
    「わかりたした。たずはドむツ語で広めた方が賛同者が倚く集たりそうですから」

     「日本語のニュアンスを䞊手に汲んでくれおいるず蚀えたすが 、」
    林原はベルガヌが蚳しおくれた『郷に埓え』党のホヌムペヌゞを読んでいた。
    「䜕か気になる点がありたすか」
    「ベルガヌさん、入党資栌の所ですが『郷に埓え』に賛同するだけで良いず思いたす。たた党費は党員がある皋床集るたでなしで行きたしょう」
    「わかりたした。さっそくシュルツたちに䌝えおおきたす」
    「あぁ、それずご意芋ずか盞談を受けるチャットコヌナヌがあった方が良さそうです」
    「なんか面癜い䌁おになりそうですよ」
    ベルガヌはすっかり乗り気であった。
    「あ、もう䞀぀、党銖は私ずベルガヌさんにしおください」
    「えっ、でも『郷に埓え』の提唱者は林原さんですけど」
    「このドむツの地で発足したのですから、ドむツ人の名もないず倉ですけど」
    「わかりたした。䜕か責任を取る事態が起こったら、共に背負いたすよ」
    「しかし、倧きなムヌブメントになりたすかね」
    林原は今でも党員集めは、ちょっずした排萜の぀もりであった。

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