"Message in a Bottle" (the Police), 歌詞和訳
Message in a Bottle は, 1979年9月7日リリース。筆者, 大学1年, 懐かしい。収録アルバム, LP をレンタルして, プレイヤーを持ってた奴のところで録音し, 自分はカセットで持っていたような気がする。いや, 自分は買ってもプレイヤー所有者の部屋か, あるいはプレイヤーがある田舎の実家に帰省した時にしか聴けないにもかかわらず, LP を買ったような気もする。もう 47年も前, 大雑把に言えば 半世紀ほど前の話だ。記憶が不確かなことがあっても仕方あるまい(笑)。とにかく当時よく聴いた。今も聴く時がある。
Sting 作のこの曲は, The Police のアルバム 2作目, 1979年10月5日リリースの Reggatta de Blanc(いかにもフランス語のフレーズのようでいて, しかし "Blanc" は「白」を意味するフランス語ながら, "Reggatta"* はフランス語にも英語にもない言葉, 要するにこのアルバムの原題は "White Reggae"「白いレゲエ」の意を込めた言葉遊びの造語, 括弧長い!)からの先行シングル。
* "Reggatta" ならぬ "Regatta" なら, ボート・レースの「レガッタ」で, こちらはイタリア語由来らしい。そういうわけで, The Police のアルバムのタイトル Reggatta de Blanc の邦題「白いレガッタ」は「白いボート・レース」みたいで, 何気に残念な邦題。
因みに Message in a Bottle の邦題は「孤独のメッセージ」。言いたいことは分かるが, でもやっぱ, 原題の方が断然いいね。そもそも "Message in a bottle" というのはかなり長い歴史を持つ通信手段のようで, この歌の歌詞にもつながるところがあるが(歌詞の方ではメタファーながら), 実際, 遭難の際の救助要請(distress message, 遭難通報)にも使われてきたというもの。とはいえ, 歌の邦題を「ボトルメール」(こんな日本語, 初めて知ったぜ)とかにしたら, 孤独や疎外感からかけ離れた語感のタイトルになる気がするし, 「瓶詰めの手紙」や「瓶入りの手紙」「漂流ビン」なども格好がつかない感じ。邦題は「メッセージ・イン・ア・ボトル」あるいは「メッセージ・イナ・ボトル」でよかったのでは?
ではでは, Message in a Bottle 歌詞和訳, それに付録をいっぱいつけて。
Message in a Bottle 歌詞和訳
"Message in a Bottle" from the Police's 1979 album Reggatta de Blanc 〜 歌詞和訳
難解な単語や小難しい言い回しはないが, しかしいざ日本語にしようとすると, 迷うところもある。で, この曲の Wikipedia や, しばしば参考にする歌詞原詞のサイトの下段 "About" の項や Q&Aコーナーの記述に目を通してから, 歌詞和訳の作業をした。
孤島, 無人島に取り残された漂流者の話として歌詞は始まるが, もちろんこれは 孤独や疎外感に苛まれる状態を表現するためのメタファー(暗喩)。
Message in a Bottle from the Police's 1979 album "Reggatta de Blanc" 🎶
英語原詞 https://genius.com/The-police-message-in-a-bottle-lyrics
全くの漂流者さ, 海で孤島に取り残されたんだ (*1)
またいつもと同じ孤独な日, ここには俺の他に誰もいない
こんな孤独は誰も耐えられないぜ
俺を救い出してくれ, 絶望の淵に沈む前に
世界に向けて SOS を送るんだ (*2)
世界に向けて SOS を送るんだ
誰か 受け取ってくれよ (*3)
誰か 受け取ってくれよ
誰か 受け取ってくれよ
ボトルに入れたメッセージを
ボトルに入れたメッセージを
一年が過ぎたよ, あの手紙を書いてから (*4)
最初から知っておくべきだったんだ
希望を持つことだけが 俺の精神をつなぎとめるって (*5)
愛は人生を立て直すことも, 心を打ち砕くこともできる
世界に向けて SOS を送るんだ
世界に向けて SOS を送るんだ
誰か 受け取ってくれよ
誰か 受け取ってくれよ
誰か 受け取ってくれよ
ボトルに入れたメッセージを
ボトルに入れたメッセージを
ボトルに入れたメッセージを
ボトルに入れたメッセージを
今朝 歩いて出かけた, そこで目にした光景は信じられないものだ
夥しい(おびただしい)数のボトルが 岸に打ち上げられていたんだ (6)
どうやら 孤独でいるのは俺だけじゃないらしい
夥しい数の人間たちが世界から見放され, 自分の居場所を探してるんだ (*7)
世界に向けて SOS を送るんだ
世界に向けて SOS を送るんだ
誰か 受け取ってくれよ
誰か 受け取ってくれよ
誰か 受け取ってくれよ
ボトルに入れたメッセージを
ボトルに入れたメッセージを
ボトルに入れたメッセージを
ボトルに入れたメッセージを
SOS を送ってる
SOS を送ってる
俺は SOS を送ってるんだ
俺は SOS を送ってるんだ
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる
SOS を送ってる ..
(Esso Blue を送ってる)(*8)
….. 🎶 ….. 🎶 ….. 🎶
訳注
*1 Just a castaway, an island lost at sea .. 「全くの漂流者さ, 海で孤島に取り残されたんだ」。
Just はここでは副詞で「まさに」「全く」, 「単に」「ただ(~だけ)」など。「全くの漂流者」, この日本語訳の中では「全く」が副詞, 「の」は連体助詞(連体助詞「の」は副詞を受けることもできる)。訳注なのに訳した後の日本語の文法解説してどうするんだ, It's Alright for You, いや違うね, 話を訳注に戻します ..
castaway は「漂流者」「漂流物」, 「(世間や仲間, 家族等から)見捨てられた人」「見放された人」。(be) lost at sea は「海で行方不明になる」「海上で迷子になる」。
Just a castaway, an island lost at sea は逐語訳的に訳すなら「ただの漂流者, 海に取り残された島」。これでは些かナンのこっちゃという感じ, 上の歌詞和訳の中では「全くの漂流者さ, 海で孤島に取り残されたんだ」とした。
*2 I'll send an SOS to the world .. SOS はモールス信号が由来で, 俗に言われる "Save Our Souls" は後付けのものだが, しかしこの歌の歌詞で, 歌詞における主人公だけでなく, 不特定の多くの人が孤独や孤立, 疎外感などからの救いを求めているというストーリーに触れると, SOS はそうか, "Save Our Souls" の略なのでは, と思いたくもなる。
The Sound Of Silence, SOS, Save Our Souls, まで想起するのは 俺だけなのか。疎外されてるなぁ, 孤独だ(笑)。
*3 I hope that someone gets my .. 「誰か 受け取ってくれよ」。やや意訳。
*4 A year has passed since I wrote my note .. note は "Message in a bottle" の「メッセージ」を指すわけだけど, この言葉 note は(短めの)「手紙」を意味する言葉でもある。
*5 Only hope can keep me together .. 「希望を持つことだけが 俺の精神をつなぎとめる」。"keep oneself together" で「気持ちをしっかりと保つ」ことを意味するフレーズになる。この歌詞では "keep myself together" ではないが, ここは上記のような解釈でよいのでは。日本語の言い回しは工夫の余地があるけれど。
*6 Hundred billion bottles washed up on the shore .. 「夥しい(おびただしい)数のボトルが 岸に打ち上げられていたんだ」。
Hundred billion をそのまま日本語にして「一千億」としても構わないだろう。しかし日本語だと「千」や「万」なら多少ともイメージしやすいのだが, この「一千億」は些か突飛な数の表現だ。もちろんその突飛さで, 夥しい(おびただしい)数に圧倒されていることが伝わるとも言えるのだが, ここは直截的な物言いの直訳をせず, Hundred billion bottles を「夥しい数のボトル」と訳(意訳)してみることにした。
washed up on the shore .. この "washed" は受動態としても能動態としても解釈できる。wash up on the shore, "wash a boat up on the shore" なら「(波などが)ボートを岸に打ち上げる」, "wash up on the shores of 〜" なら「~の海岸に流れ着く」。
*7 Hundred billion castaways looking for a home .. 「夥しい数の人間たちが世界から見放され, 自分の居場所を探してるんだ」。home は「家」「故郷」, ここでは「自分の居場所」という意味合いでしょう。
castaway は「漂流者」「漂流物」, あるいは「(世間や仲間, 家族等から)見捨てられた人」「見放された人」。
孤島, 無人島に取り残された漂流者の話として歌詞は始まるが, もちろんこれは 孤独や疎外感に苛まれる状態を表現するためのメタファー(暗喩)。
そういうわけで, [Verse 1] では「漂流者」と訳した castaway を, [Verse 3] では「世界から見放された人」と訳してみた。
Hundred billion castaways の Hundred billion は, *6 の Hundred billion bottles のそれと同様の解釈, 意訳。
*8 Sendin' out an Esso Blue .. 上の歌詞原詞サイトでは Esso Blue との記載がある。Esso Blue はイギリスを含む国で灯油のブランド名だったようで, イギリスでは1950年代から1970年代にかけてのテレビCMで, よく繰り返しの宣伝フレーズが流れていたらしい。
要するに, Sting が 曲の最後に言葉遊びを入れたものと思われる。確かに上掲リンクの音源でも, 最後の最後, 耳を澄ますと微かにそれが聞こえるようだ。
因みに, Sting のウェブサイトにおける歌詞コーナーでは, "Sendin' out an Esso Blue .." の記載は 無い。
Reggatta de Blanc, 全曲
パンクにもニュー・ウェイヴ(えらい大風呂敷的なジャンル名)にも通じ, 鋭利な刃物をイメージさせるような研ぎ澄まされたサウンド, それでいて荒々しさも十分に感じられる, この時代のポリス。後期とはまた違った魅力がある。この頃の方がいい, なんて思う時も(その時の気分次第!)。
ではでは, 音源いつまであるのか不明ながら, とりあえず, 懐かしの「白いレゲエ」。
Reggatta de Blanc, the second studio album by the Police, released on October 5, 1979 🎶
Side one
1. Message in a Bottle
2. Reggatta de Blanc
3. It's Alright for You
4. Bring On the Night
5. Deathwish
Side two
6. Walking on the Moon
7. On Any Other Day
8. The Bed's Too Big Without You
9. Contact
10. Does Everyone Stare
11. No Time This Time
付録
Just a castaway, an island lost at sea 〜 〜 〜 I am a rock, I am an island .. And a rock feels no pain. And an island never cries.
Sting 作の Message in a Bottle と island つながり, 「孤独」つながりの曲。
Paul Simon 作の I Am a Rock も 孤独や疎外感に苛まれる人物(若者)が歌われる曲だが, この歌の歌詞は最後まで孤独に留まる。
I Am a Rock from Paul Simon's 1965 solo album The Paul Simon Songbook ♫
…..
I am a rock
I am an island
And a rock can feel no pain
And an island never cries
I Am a Rock from Simon & Garfunkel's 1966 album Sounds of Silence ♫
…..
I am a rock
I am an island
And a rock feels no pain
And an island never cries
I'll send an SOS to the world 〜 〜 〜 Save Our Souls, SOS, Sound Of Silence 歌詞和訳
*2 I'll send an SOS to the world .. SOS はモールス信号が由来で, 俗に言われる "Save Our Souls" は後付けのものだが, しかしこの歌の歌詞で, 歌詞における主人公だけでなく, 不特定の多くの人が孤独や孤立, 疎外感などからの救いを求めているというストーリーに触れると, SOS はそうか, "Save Our Souls" の略なのでは, と思いたくもなる。
The Sound Of Silence, SOS, Save Our Souls, まで想起するのは 俺だけなのか。疎外されてるなぁ, 孤独だ(笑)。
The Sound of Silence (歌詞和訳) 〜 最初に聴いたのはLPだったのか, 「卒業」だったのか
話が, だいぶ飛んでいる。いや, それほどでも。
Hundred billion castaways looking for a home, 「夥しい数の人間たちが世界から見放され, 自分の居場所を探してるんだ」 〜 「居場所のない男」, "Nowhere Man" 歌詞和訳
Walked out this morning, don't believe what I saw
Hundred billion bottles washed up on the shore
Seems I'm not alone in being alone
Hundred billion castaways looking for a home
今朝 歩いて出かけた, そこで目にした光景は信じられないものだ
夥しい(おびただしい)数のボトルが 岸に打ち上げられていたんだ
どうやら 孤独でいるのは俺だけじゃないらしい
夥しい数の人間たちが世界から見放され, 自分の居場所を探してるんだ
こちらも, 実は, 希望のある歌, 「居場所のない男」Nowhere Man by the Beatles, written by John Lennon, 歌詞和訳
Nowhere Man 拙者による訳, 略して拙訳, 中身は良訳(自訳自賛), 良薬口に苦し, いやそれほど苦くはない, 希望がある歌なのだ, これは。
"Nowhere Man" 〜 "Road to Nowhere" 歌詞和訳
前節の John Lennon 作, the Beatles の Nowhere Man から, David Byrne 作, Talking Heads の Road to Nowhere へ。
もはや Sting 作の Message in a Bottle から離れ .. いや, 孤独や疎外感に苛まれる俺をここから「救い出してくれ」と思っていたら, 自分以外にも夥しい数の人間たちが世界から見放されていた, 孤独なのは俺だけじゃないと気づくことになる Message in a Bottle,
先の見えない未来に向かって「我々は行き先のない道の上にいる, 君もこっちに来いよ」「我々は行き先のない旅をしている, 君もこっちに来いよ」と歌う Road to Nowhere, 何処かでつながるような気はする。
考え過ぎか。いや, そうでもないでしょう, たぶん!
トーキング・ヘッズ Road to Nowhere 歌詞和訳
