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リハビリはゲーム感覚で!30. 5: しびんチャレンジ実況中継≪ 脳梗塞(脳卒中)の前向き闘病記≫

    休憩話⑩:しびんチャレンジ実況中継


    実況「皆さん、こんばんは!さあ本日のメインイベント、しびんチャレンジのお時間です。」

    実況「本日は、0勝4敗で迎えた5戦目の模様をお届けします。
    実況は和泉大輝、解説も和泉大輝です。」


    解説「開幕から連敗で、もう後がありませんからね。次に負けると、やっぱりしびんは無理となってしまう心配もありますし、頑張ってほしいところです。」
    実況「そうですね、何とか勝利の味を味わってほしい!日本中が応援しています。
    選手は今のところ4連敗中ですが、解説の和泉さんは、これまでの戦いをどうご覧になりましたか?」
    解説「私の記憶に1番残っているのは、ナースコールを押した瞬間になぜか尿意が止まった一戦ですね。」

    実況「あれは見事に引っ込みました。」



    解説「看護師を呼ばずに粘って漏れてしまった展開もありました。」

    実況「来る前に崩れた試合もあります。」

    解説「ええ、到着前決壊。実に惜しかった。」



    実況「本日はどういう展開になるのか?」




    解説「おっと、これは・・現在、すでに選手の尿意は限界値じゃないですか?」

    実況「なんと、これはいきなり危険水域だーー!あーっと、いきなりナースコール入りました!」



    解説「ここからが最初の難所。到着までの時間が地獄です。」

    実況「選手、完全に静止!」

    解説「膀胱との静かな攻防です。」






    (小声)「2、3、5、7……」
    実況「おっと、何か聞こえてくるぞ?これは何ですか?解説の和泉さん」
    解説「これは・・秘密兵器、素数カウントですね。集中することで、尿意を忘れる技術です。まさか、これを見られるとは!」


    実況「選手、集中しています!今日は一味も二味も違うぞ!」

    選手「11、13、17……19……23……」

    解説「いいペースですね。」

    選手「29、31……37……41……43……」

    実況「安定している!」

    選手「47……51……53」


    解説「51は素数ではありません。」

    実況「ここで痛恨のミスーー!!」

    解説「余裕がなくなっています。」






    実況「おおっと、ここでナースが到着だーー!!どうだ!?余力はあるのか!?」

    解説「かなり厳しい表情です。」

    実況「しびんを取りに行った!この“間”が最大の山場!」

    解説「ここで崩れるケース、多いですからね。今回はどうだ?」





    実況「大輝選手、耐えている、耐えているぞ!」
    解説「これは・・・すごい!口の中を噛んでいますね!」
    実況「え、それはどういった意味があるんでしょうか?」
    解説「噛んだ痛みで、尿意を忘れる作戦・・・なんだと思います!」
    実況「なんと、これは作戦だったー!」

    実況「そして、ここで、看護師によるセッティングが終わり、“どうぞ”の声がかかったーー!!なんとか間に合ったぞ!」

    解説「ここです。ここが最後の分岐点。ここで出せるかどうかがポイントですよ」

    実況「力むのか!?いや、力むのか!?」

    解説「前回は力みすぎました。」

    実況「どうだ!?どうだ!?」

    解説「選手、動きません。」

    実況「尿意が!止まってしまったーーー!!」






    解説「・・・いや、違います!」

    実況「違う!?」

    解説「抜いています。全身の力を抜いていますね。」

    実況「抜いたーーー!!完全脱力だーーー!!」







    実況「いや、でもこれ、動きありませんよ?」

    解説「危険です。」

    実況「やはり出ないのか!?」

    解説「まだ判断できません。」








    実況「会場、静まり返っております。」

    解説「今、膀胱と選手の信頼関係が試されています。」








    実況「!」

    解説「!!」

    実況「来たか!?」

    解説「来るのか!?」

    実況「・・・」







    実況「出たぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

    解説「出ました!!しかも勢いがあります!!」

    実況「止まりません!!」

    解説「止める必要もありません!!」

    実況「完全成功ーーー!!!」





    看護師「うまくいきましたね」

    実況「表情はクールですね」

    解説「これで、選手は花菜さんからのご褒美にかなり近づきました!これ内心は大喜びでしょう」
    実況「そうですよね!選手、無理してクールぶっていたーー!」
    解説「まあ、これからも戦いは続きますからね。集中力を緩めない姿勢はいいんじゃないでしょうか。」
    実況「そうですね!次の戦いも期待出来そうです。では、本日はこのへんでお別れです。皆さん、またいつかお会いしましょう!」



    え、けっきょくご褒美はなんだったのか、って?



    そーやな・・・

    勝利の味はとても甘かった!
    とだけ言っとくわ。

    次回はこちら


     
     
     
    45歳で脳幹梗塞になり、重度の両麻痺を負うという超激レア症例。現在はリハビリにゲーム感覚で挑戦し、悪戦苦闘中 闘病の中で試される、自身の覚悟、夫婦の愛、そして家族の絆・・ 実際にリハビリをしながら描く、ほぼ実話、涙あり笑いありの小説風闘病記をご覧下さい

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