
リハビリはゲーム感覚で!6:出ない声、届いたひと言《脳梗塞(脳卒中)の“前向き”闘病記 小説風》
第一話はこちらからご覧ください
はじめに
脳梗塞で倒れ、体と声の自由を失った和泉大輝。
花菜との再会で心がほどけ、少しずつ動きを取り戻し始める。
息が詰まりかけた中で、“声だけが命綱”だと気づいた。
そしてそれが、リハビリへの渇望へと変わっていく。
🧠この話には、別記事で医学的見地からの解説があります。物語とあわせて読むことで、脳梗塞の理解がより深まります。ぜひご確認ください。
本作におけるリハビリの内容や回復の経過は、私自身が歩んだ実体験に基づいています。
この物語は、そんな現実を前向きに乗り越えていく希望の記録でもあります。
※本編には、病気、身体の麻痺、生命への不安などセンシティブな描写が含まれます。
心身に負担を感じる可能性のある方は、無理のない範囲でお読みください。
それでは、本編をどうぞ。
第一部 夢か現か(うつつか)―交錯する現実と希望
第六話 出ない声、届いたひと言
2025年2月27日
目が覚めてしばらくは、夢の続きのような気がして不思議な気分だった。
病室にリハビリスタッフが来た。
笹木さんは明るい声で、森田さんは落ち着いた声だ。
対称的な2人だが、どちらも安心感がもてる。
「和泉さん、グーパー運動、だいぶ進んでますね。」
褒められると嬉しい。
せやな、ずっとやってるからな、と、
自分にも褒めていた。
グーパー運動を重ねるうちに、肘ははっきり動くようになってきた。
そして今朝は、肩までもがかすかにだけど反応した。

花菜の”諦めないで”という言葉が、
ずっと胸に残っている。
昨日会話ができた嬉しさが忘れられず、
今日はもっと話したいと思った。
だが・・・
スマホ越しに明るく応答した花菜の耳には、
俺の声が届くことは無かった。
