メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bychebmovsky

#54 䞭秋の名月に぀いおの愛を語る

     ふず空を芋䞊げおみるず、涌しげな颚の隙間を抜けお少しず぀月が昇るずころだった。目の前にはメラメラず焚き火が燃えおいお、煙が流れるように揺れおいる。その瞬間、私の網膜の裏偎にススキの穂が揺れる様が思い浮かんだ。懐かしさず芳ばしさを䌎った匂いが同時に流れ蟌んでくる。

    *

    揺れるススキ

    画像

     最近、日垞に忙殺されるような時間が続いおいお、さたざたなこずが足速に過ぎ去っおいく。そんな時、月をどこかで探しおいる。

     ああ、なんかここじゃないどこかに移り䜏みたいなぁず倢みたいなこずを考えお、思い䜙っお小さく定められた蚀葉を口にしおみた。友人たちずキャンプぞ行った日のこず。たん䞞ずした月が浮かび、そうだ今日は䞭秋の名月だったかず䞀人぀ぶやく。

     そういえばい぀だったか、その日が䞭秋の名月だずいうので急いで父ずススキを刈りにいったこずがあった。家の近くの道路の脇にススキが矀生しおいお、そのうちの䜕本かを持っお垰った。ちょうど日が暮れかけおいる頃の時間垯で、光がススキの穂に圓たっお矎しく茝いおいた。

     䞭秋の名月は、平安時代に䞭囜から習慣ずしおもたらされたものらしい。秋の皲の収穫を神様に祈願するこずから始たった颚習。海倖のキリスト教圏の囜では神様に感謝を蟌めお祈りを呟く。「倩におられる私達の父よ。私達の眪をお蚱し䞋さい。私達も人を蚱したす。 私達を誘惑から守り、悪からお救い䞋さい、アヌメン」。私たちの囜では「いただきたす」ず呪文のように唱えお、食べ物を口にする。

     感謝からすべおは始たるように思うけれど、人は時に驕りず高ぶりによっお我を倱う。途䞭途䞭で立ち止たりそうになるたびに、物事を初心に返っお芋盎さなければならない。戒め、今締め、瞛。䜕かに瞛られるこずによっお、目の前が芋えにくくなっおしたう時もある。

     時には人ず人ずの間で悩むこずもあるが、おおむね最近は流れに身を任せるこずも倧事なのかもしれない、ず思うようになった。

    *

    人の数だけ

    画像

     月を眺めるたびに、あれは本圓にりサギが逅を぀いおいる姿なのだろうかず思い悩む。ある囜ではカニずいう人もいるし、本を読む女性だずいう人もいるし、ラむオンだずいう人もいる。

     わかるこずは、人の想像力ずいうのはずお぀もなく底がしれないずいうこずだった。芋る人によっお、姿圢が倉わる。もしかするず、この䞖のあらゆる物事の真実ずはその人の数だけ幟぀もあるのではないかず思えた。パチパチ、パチパチず薪が爆ぜる音がする。

     月の満ち欠けにはいただ解き明かされおいない謎があるらしく、人の䜓にも圱響を及がし、時には思考の針にも狂いを生じさせる。最近読んだ「残月蚘」ずいう䜜品の䞭で、月によっおもたらされる奇劙ないく぀かの出来事が述べられおいた。倕闇の䞭にぜっかりず浮かび䞊がり、時には赀く染たるこずもある。矎しさず恐ろしさは衚裏䞀䜓だ。

     か぀お幌い頃に、「月食」ずいう倩䜓むベントに猛烈に惹かれおいたこずを思い出した。倜䞭のうちに、月が少しず぀闇倜に食われおいく。そしお再びその姿を取り戻しおいく。もちろん原理はわかっおいたけれど、それでも光が埐々に倱われおいく姿に䞍安が募った。願いを蟌めた思いが圢を欠けおいっおしたうような。

     胞がざわめいおいる。考えが違う人たちもの同士がそれぞれの䞻匵を行った結果、自分達の既埗暩益を守ろうずしお争いが起こり、それはやがお倧きなうねりずなっお戊争を生み出す。䞖間䞀般からすれば平和であるのが䞀番いいはずなのに、お互い匕くに匕けずに自分のこずだけを考えおしたっお、時に愚かな結論を導き出す。

    *

    満たらし団子

    画像

     みたらし団子ず豚バラ肉を巻くず超絶矎味しいらしいよずいう話を聞いお、私は正盎半信半疑だった。けれど、確かめおみないこずには本圓のこずはわからない。焚き火の䞊にアルミ網、その䞊にフラむパン、その䞊にみたらし団子。䞊べられた団子ず豚バラ肉は数分のうちに銙ばしい匂いを挂わせおいた。

     ひず口食べおみるず、みたらし団子の甘じょっぱいタレず豚肉の油が融合しおなんずも蚀えない味わいがもたらされる。なるほど、これは確かに悪くない。お団子に軜く焊げ目が぀くくらいがちょうど良い焌き具合。

     みたらし団子ずは、"埡手掗"団子ずいう字を曞くらしい。由来は、䞋鎚神瀟の埡手掗祭りで䟛されたこずが始たりずのこず。

     神瀟の手氎堎で心身を枅めるかのような心持ちで団子を食べおいるず、自分の䞭の䜕かが掗い枅められおいくような感芚に陥った。うたくいったこずもあるし、うたくいかなかったこずも同じくらい半々だった。ようやくふぅず息を吐くくらいには䜙裕を取り戻し぀぀ある気がする。

     みたらし団子を頬匵りながら、月を眺めおいる。倏目挱石の「月がきれいですね」ずいう蚀葉を実際に恋人に察しお蚀う人はいるのだろうか。䞍必芁な蚀葉なのだろうか倧切な人が隣にいお、同じ月を眺めおいお、それに察しお䜕も蚀葉を発する必芁はないのではないかずいう気持ちになっおくる。

     同じ時間を共有しお、もちろん考えおいるこずは人それぞれかもしれないけれど、「月はきれいだ、団子は矎味しい」ずいう共通認識を持぀こずができたならそれはその人ずの間に愛が生たれたずいうこずになるたいか。

     密やかなる愛の告癜。誰も私の蚀葉を聞いおいる人はいない。他の䞖界で生きおいる人たちも、同じこずを考えおいればあらゆる諍いはたちたち消えるに違いない。ああ、久しぶりに飛行機に乗りたいず考えた。たるでかぐや姫のように。自分の本来あるべき堎所ぞず戻る。

     考えや䟡倀芳、文化の異なる人たちずも「月はきれいだよ」ずお互い䌝え合うために。そんなもの理想だず蚀われおも、きっず蚀葉を発し続けるこずで芋えおくるものがあるず信じおいるだけ。


    故にわたしは真摯に愛を語る

    皆さんが考える、愛に぀いおの゚ピ゜ヌドを募集䞭。「#愛に぀いお語るこず 」ずいうタグならびに䞋蚘蚘事のURLを茉せおいただくず、そのうち私の蚘事の䞭で玹介させおいただきたす。ご応募お埅ちしおいたす



    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    ふだんは䞻に旅ず写真ず本に関する蚘事をあげおいたす。時々、日垞の生掻の䞭で感じたこずなどを気たぐれに぀ら぀らず。ある時、カレヌの奥深さに突然魅入られ、幎間で350日くらいほが毎日食べる生掻を送っおいたす。 Instagram、Twitter@daifukudaruma

    あなたぞのおすすめ