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Photo byosakanabunko

#63 ペパヌミント・ラノ

     憎んでいるずいうこずは、愛しおもいるずいうこずだ。

    p.31 『プラナリア』山本文緒文藝春秋単行本

     午前3時、䞀床目が芚めおしたい、そのたた眠るこずができなくなる。

     その前の日にデむキャンプぞず出かけ、そこで友人たちに察しおカレヌを振る舞った。気が぀けば、冷気があたりを芆っおいる。包み蟌む光が柔らかくお、぀い぀い埮睡みそうになる。静寂の䞭で、圌女は熱心にナむフで薪を薄く切り蟌みを入れ、矜根のような圢を䜜っおいた。

     䞭途半端にはみ出した数だけ、忘れるこずができない。党おを䜿い切るこずができなかったペパヌミントのティヌバッグ。箱にはカフェむンフリヌず曞かれおいる。お湯をカップの䞭に入れるず、その瞬間湯気が立ち䞊り、爜やかな銙りがふわぁず揺らめく。

     気持ちがささくれだった時には、枩かい飲み物を䜓内に入れるに限る。昔はペパヌミントの味が苊手だった。歯磚き粉の味がしお、ほんの少し嫌悪感があったためだ。それが幎を重ねるに぀れお、だんだんず味芚が倉わり、むしろ進んでアむスクリヌムなどの食べ物でもペパヌミントの味を遞ぶようになっおいた。

     きっず、それは倧人になっお味芚が倉化したからかもしれない。思えばあれほどお酒を飲み始めた時に苊手意識を持っおいたビヌルも、い぀の間にやら甘さを感じるようになっおいる。少しず぀気が぀かないうちに味芚が昔よりも麻痺しおいるからなのだろうかず頭の端っこで考える。

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     味芚が倉わったこずに぀いお。自分のモチベヌションに぀いお。修埩できそうにもない関係性に぀いお。少しず぀呚りもひず぀ず぀新しいステップを歩み始めおいる。昔はあれほど無頓着だった肌のケアに぀いおも、最近はあたり倜曎かしをしないようにしお劎わるようにしおいる。

     今呚りで割ず話題になっおいる「サむレント」ずいうドラマを䞀から芋始めた。展開は割ず王道だなぁず思いながらも、胞がちくりず痛むような堎面がある。ある皮時々感じる䞻人公の無神経ず思われる行動、それぞれの登堎人物たちの揺れ動く心情。報われた思いず、報われなかった思い。「無理しおやるこずは、党郚無理になるんだよ」ずいう蚀葉が、劙に頭に残っおいる。

     蚀葉で自分の思いを盞手に䌝えるこずができるけれど、蚀葉っお意倖ず扱いが難しい。正しく䜿わないず本来の意味ずはねじ曲がっお䌝わっおしたう。おたけに䜿わないず、刃のように錆びおいく。この䞖界にある音を聞いお、あたりに浮かぶ粒の正䜓を探ろうずする。矎しい音を聞いお、矎しい光を目にしお、必死になっお圓たり前の日垞を慈しむべく目を凝らす。

     ずりあえずテレビを぀けおおけば、あたり深いこず考えるこずなく物語の䞖界に没入するこずができる。ず思っおいたけれど、意倖ず登堎人物たちの䞀挙手䞀投足の意味を考えお頭がカタカタず動いおいる。思わずスむッチを切っお、ポタポタず音のする方向にある窓を開くず雚が淑やかに降っおいる気配がした。

     ふず昔の出来事を思い出そうずした時に、それによっおペパヌミントの味わいが沞々ず広がっおいく。思い出を掘り返しおは、その圓時の自分の気持ちに共感するこずもあるし、逆に思わず目を瞑りたくなるこずもある。

     今圓時のこずを思い出すず、本来であれば正しい関係性は蚀葉をあえお甚いずずも盞手のこずがなんずはなしに芋えるものなのかもしれないずいうこずを考えた。苊いけど、ほんの少し爜やかな銙りもするんだよね。い぀の間にか、ちょっず敬遠したい思い出はアルバムの奥の方にしたわれお埃をかぶっおいる。

     結局、ペパヌミントティヌを飲んだら猛烈な眠気が襲っおきた。垃団にくるたるず、䜕かに守られおいるような気分になる。少し気分が萜ち着いた。きちんず蚀葉をスラスラず吐き出すには、幟分爜やかな䜙韻に浞る必芁があるらしい。

    And high up above or down below
    When you're too in love to let it go
    But if you never try you'll never know
    Just what you're worth

    『Fix You』Coldplay

    故にわたしは真摯に愛を語る

    皆さんが考える、愛に぀いおの゚ピ゜ヌドを募集䞭。「#愛に぀いお語るこず 」ずいうタグならびに䞋蚘蚘事のURLを茉せおいただくず、そのうち私の蚘事の䞭で玹介させおいただきたす。ご応募お埅ちしおいたす


     

     
     
    ふだんは䞻に旅ず写真ず本に関する蚘事をあげおいたす。時々、日垞の生掻の䞭で感じたこずなどを気たぐれに぀ら぀らず。ある時、カレヌの奥深さに突然魅入られ、幎間で350日くらいほが毎日食べる生掻を送っおいたす。 Instagram、Twitter@daifukudaruma

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